5月はいろいろ見たり行ったりしました。
○脳内クラッシュ演劇 ドラマティカルマーダー フラッシュバック
長すぎたので個別で記事にしました。
脳内クラッシュ演劇ドラマティカルマーダー フラッシュバック感想 - ちわきにくおどる
○舞台 エヴァンゲリヲンビヨンド
換骨奪胎。
設定や登場人物はエヴァと同じ骨組みだが、キャラクターの性格やストーリー展開が別物で、でも出汁には確実にエヴァが使われている!といった感じでした。エヴァライト層なので楽しめたのかも。人によるとは思いますがディープ層もエヴァらしさとは、エヴァとはなんなのかを考える一つの経験となりそうでした。
COCOON PRODUCTION 2023『舞台・エヴァンゲリオン ビヨンド』リハーサル映像 - YouTube
演出はリハ映像を見てもらえればわかるのですが一幕はほぼ30°近い八百屋舞台の上で行われます。二幕になると坂を作っていた大道具の裏側の骨組みが学校内の教室以外の場所になったり、NERV(ではない)の地下への通路になったりします。
エヴァの表現は役者をワイヤーアクションで吊り上げ、エントリープラグ内に見せ、その背後で人形のエヴァ機を複数人で操り、動きを同調させることで行われます。
このワイヤーアクションが一番すごかったのは主演の窪田さんで三半規管の強靭さを見せつけるほどに高速で回る回る回る。前方列だったので頭上近くまで飛んでくる。
ワイヤーアクションだけでなくダンスも素晴らしく、肉体言語の語彙力が高すぎてマスメディアトップクラス役者の実力を目の当たりにしました。
演技力の高さは映像作品では知っていても、ビヨンドのような機会がなければ彼の身体能力の高さを大勢の人が知り得なかったのかもしれないと思うと勿体ないどころではないと思います。
また原作でいうところのミサトを演じた石川さんのコンテも素晴らしかったです。
ダンスも芝居も表現力の強さが上手さだと捉えているのですが、両者は方法が別物なのでどちらもできる役者は稀有な存在なので今回知ることができて本当によかったです。まあわたしが浅学なだけですが。
アンサンブルのダンサーのコンテは世界レベルのプロなので体の構造が異次元すぎて、人ならざる者を表現するには言語のいらないダンス表現が一番だと改めて思いました。
演出として気になったのは後半になると、今裏で転換してるんだとわかってしまう繋ぎのダンスが集中力を削いでしまうのが惜しかったです。これは完璧さを求めるが故の感想です。
○流行パトロール
こちらはどちらかというと4月のWキャスト要くん回の方が観た回数が多かったのですが、5月の勇くん回も観たしおもしろかったので感想を残しておきます。
冒頭の長すぎるTM Networkからの松田さん演じる仕事が長くなり勘もセンスも鈍くなった直人が出掛ける前にキャップを正面に直して暗転するアバン前での流れがOPとしてわくわくさせてくれました。
社会人であればどんな職種でも通じるものがあり、観劇趣味のオタクなら趣味で創作活動する人も多いと思うので刺さる箇所が多かったと思います。
センスは不確定要素である限り不安は一生ついて回るもので、だからと言って諦めたわけでもなく好きなもの、自分のセンスを信じつつも割り切って仕事に挑む姿は、大人ならではの現実味がありながらも明日の仕事もがんばろうかなと一歩踏み出させてくれるラストシーンでした。
真面目な話をしましたが一番楽しんでたのは夢の中のTM Networkを演じるあたって見せてくれた要くんの異様なキレでした。場面が違ったらかっこいいと思うかもしれませんが、あの場ではとにかく異質でおもしろすぎました。
○『HUNTER×HUNTER』THE STAGE
キャスティングが上手い。そういえばネルケはキャスティングの会社でした。思い出した。
最年少で経歴も少ない15歳の大友くんですが、がちがちの実力派に脇を固められても謙遜なく上手く、押されない強さを持っているのに10代特有のフレッシュさが共存するのは今この時しかない!!と言った感じでナイスキャスティングでした。
他のキャスト陣のハマり具合は想定内で(はるちゃんのヒソカなんて絶対見たいよ)でしたが、周知の実力でもやっぱり観てて気持ちよさを感じさせてくれるのは期待値を越えているからかと思います。
久しぶりに小越さんのお仕事を見たけれど歌舞伎の見栄みたいに決まる殺陣の動きが見ていて爽快感を感じさせるほどでした。テニミュ2ndの全立試合を思い出して、癖は強いかもだけどやっぱり気持ちいいんだよなー、と懐かしい気持ちになりました。
サトツさんの第一次試験のシーンはタップ音メインの音楽にするなど「正解!」と言いたくなる演出ばかりでしたが、圧巻されたのは最終試験でのイルミとキルアの対峙です。
甚大さんの歌唱力と繰り返される歌詞、音楽、照明、演出の全てがきれいに折り重なり、キルアが感じている重圧を客席にいても感じられました。その表現力を持っている甚大さんもすごいけど、その力をさらに演出が惹き立てていて素晴らしかったです。
そこから2幕のゾルディック家訪問にも繋がるし焦点の当て方がよかったです。
舞台だけど歌うまメンツでだいぶ歌ってくれたし、華やかさもあり、原作再現度を重視しながらも舞台ならではの見せ方、まとめ方をしていて原作好きとしても舞台好きとしても満足の観劇でした。
◯舞台『ブルーロック』
アニメ1期を2時間半にまとめたのでハイスピードでブルーロックが履修できる。
巻きのテンポがすごくて、県大会で潔が負けた後叫んでからブルーロックの招待状が届くまでの切り返しが早すぎて「情緒…」。
しかしチーム戦の千切くんが怪我の呪いから解かれてからの熱とスピードがマッチしてどんどん加速していくのがすごかったです。若手俳優の体力と身体性をフルに活かし、劇場ならではの熱を生む舞台を浴び、スポーツ観戦に近い爽快感を味わいました。
凪のトラップをセット段差を上手く利用して見せていたのが印象的でした。
○【Tie LOVE×DisGOONie/AND ENDLESS『もういいよ~We tied an endless love~』】
Tie LOVEさんの演奏と2時間10分ほどのお芝居。
例のごとく詳細が出ないままだったので、軽くあらすじを説明すると、
「この蝋燭に火を灯せば100年、歳をとらずに生きられる」
そんな噂のあるレストランがどこかにあった。
結婚前夜にひとみ(渡辺みり愛)(以下敬称略)と百(中村誠治郎)はレストランで待ち合わせをしていた。ひとみには天使(安西)が見えており、天使は明日ひとみが死ぬこと、この蝋燭に火を灯せば彼女の寿命は101年になると伝えた。だが彼女は火をつけなかった。そして100年が経ち、百の孫であるかさね(田中良子)と噂を聞いて店を訪れた歳月(読み:としき,村田洋二郎)が出会い、堕天使となる契約を天使から持ちかけられたひとみはこの二人の関係を進展させようとする。
こんな感じです。
いつものように時系列がバンバン飛び過去と未来を行ったり来たり。
2週間前なのに安西くんがいつもの通り何するか全く聞かされてません。笑、と話していたのでまぁ長くても90分かなと思ったら演奏時間も含めますが2時間がっつり芝居してくれて、この短期間で仕上げてくるのはさすがのメンバーだな、と思いました。
船のレストランでの演劇は客席とステージが同一となり小劇場とも違う近さでステージと席の高さが同じなので境界が曖昧になるのがおもしろいところで、今回は特にレストランだからできた演出が多かったです。
メインテーブルの他にも壁沿い以外のテーブルにはキャンドルが置かれ、その一つ一つにキャストが火をつけたり、消していったりする場面があり、天使役の安西くんがキャンドルを手に取り消していくシーンは火が消え、キャンドルから伸びた白い煙の線が美しく、安西くんが人ざらなる者に見えた瞬間でした。自分のテーブルに来た時にガン見したらガン見してくれてガンつけ合えたのもおもしろかった。
もう一つよかったのは、キャンドルサービスに見立てて、ひとみと百がテーブルを回っていく演出が終盤にかさねの体を介してですがもう一度会えたひとみと百を祝福する思いが高まって本当に結婚式に参加しているような他人の幸せで心が満たされる気持ちになれました。
そしてクライマックスは天使役の安西くんの合図で全席キャンドルの火を一切に消して暗転するので物語の中への没入感と世界に入り込めた高揚感でレストランだからこその演出として最高のものでした。
舞台以外にLIVEも行きました。
◯MADKID ALLTIME BEST LIVE -Future Notes-
6月にMADKIDさん主催の対バンゲストに決まったのでフォロワーに招待いただきました。
一曲でも多く届けたい、という思いからメドレーにしたりして2時間で30曲近く歌ってくれたのですがめちゃくちゃに踊りながら転調しまくりレベル難の曲をほぼノンストップで、途中衣装替もして、圧巻のパフォーマンスでした。
安定のパフォーマンスを見せたかと思えば最後に昂まって突然客席に降りてしまう、ギャップに心くすぐられました。
縦ノリ楽しい!うしろーまえうしろまえ、まえうしろーまえー!をまたやりたい!
◯AVEST 2ndシングル『Lily Flower』ミニライブ&特典会
ドマステ感想ブログにもちょっとだけ書きましたがお礼も兼ねて、……正直に言うとなおたけくんさんとドマステの話がしたくて何度かお邪魔させていただきました。セトリで曲も結構変わるから新規は色んな曲聞けて楽しいです。
なおたけくんさん、一褒めると十お礼を返してくるので褒めたいマンは言葉をねじ込むのに必死です。
リリイベって本当に大変なので、一枚だけでも買ってくれる人が増えてくれるありがたさをツイパラで実感しているので、蒼葉を演じ切ってくれたお返しを本人と今まで彼を支えてくれたオタクにできればと思います。
番外編 配信
◯ギーツエクストラ 仮面ライダーパンクジャック
要くんが仮面ライダーに出たぞーーー!!!
要くんがライダーになったぞーーー!!!
こんなことってあるんですね!(破顔)
アクションあり、抵抗して叫ぶ、戦いから離脱、音楽への情熱喪失エンドと大好き要素が詰まってて、ハッピーエンドではありませんが笑顔になりました。
◯本能バースト演劇「Sweet pool」
わたしの生涯トップ3に入るであろう舞台作品がミラクルスメイの5月に再配信。
エログロ描写があるので人を選ぶ作品ではありますが、このゲームを舞台化した製作陣・キャストの気概が一目見ていただければわかると思います。
わたしはBLの才能はありませんし、どヘテロですが、人が愛し合う尊さ、人肌の温もり、肌を重ねる心地良さ、官能、それらがない混ぜになる多幸感を感じられるのがキラル作品・キラル舞台だと思います。
また見られてよかったです。
それとこれとは別で恒常配信の希望は送ります。
やはりスプステにおける宇野善弥は巧妙キャスティングが生み出した奇跡だと思います。
主演二人とのスペース同時配信企画もありがとうございました!!
節操なく見えると思いますが、色んなものを見られる、体験できるのは最高!!!
2023年後半も楽しい現場がたくさんあるといいな。