ちわきにくおどる

そんな気持ちにさせてくれ

ブログの説明

このブログは舞台を観に行った個人の感想が中心のブログです。

たまに自分語りもあります。

 

たまに「オートフィクション」という題の記事がありますが、ちょっと悲しかったこととか嬉しかったこと、落ち込んだことを消化させるために9割方嘘でSSにしています。本当のことは悲しかった、嬉しかったという感情だけなので信じないでください。

 

2018年現在、推しとしている俳優は2.5人います。

観に行っている舞台が偏っていますし名前も出しているので読めばわかると思います。なぜ.5なのかというと双子の片方が本命ですが二人で売れてほしいので可能な限り別々に仕事をしていても観に行くからです。

 

無理をしない、赤字を出さない、を目標にしているので推しとは言いつつもゆるいです。

 

つたない文章ですが、観に行った舞台の良さが伝われば嬉しいです。

ざっくりるひま

2年振りに安西くんが年末のるひまシリーズに戻ってきた上に二度目のW座長を務めることになりました。ありがたいことに興味をもってくれているフォロワーがいるので主観ですが、るひまはこんな感じだよーという説明をしようと思います。

 

る・ひまわりは主に明治座中心に舞台制作をしています。タイトルに必ず「る」が入るのがお決まり。(今回は『明治座の変 麒麟にの・る』)

特に有名なのが年末シリーズかと思います。大晦日にカウントダウン公演をするのが通例。

年末の舞台は若手俳優が多い・若手は毎年入れ替えがある(のである日突然なんだかよくわからない独特の雰囲気を持ったるひまに通うことになる人が一定数現れる)・約4時間公演・カウントダウンによって一度くらいはTL等で観たことがあるかと思います。

若手俳優テニミュ出演者が多いのでテニミュが好きだと一辺に1st~3rdまでいろんな俳優が観られるのでより楽しめます。

他にも元タカラジェンヌの方やお笑い芸人、大物芸能人が特別出演として1名ずつ出ていたりします。

 

 

 

自分が一番最初に戸惑ったるひまの雰囲気をざっくり説明していきます。

 

①ポスターのデザイン

 

あらすじは織田信長明智光秀と書いてあるのになぜか出演者が着ぐるみを着ていてなぜかハート型に並べられているので一体なにが本当なのかわからなくなります。

るひまは基本時代劇です。本番ではきちんとみんな着物なので安心してください。その内ビジュアルが公開されるので安心してください。

なぜハート型に並べるかはわたしもわかりません。なぜ毎年この形式だから、としか言いようがありません。

 

 

②キャストのお約束

https://le-hen.jp/part1

相関図によくわからない一言が添えられていますが、あまり気にしないでください。舞台を見ればああこのことかとなんとなくわかるので覚えなくて大丈夫です。

ここでは全員パイロットとCAの恰好をしていますが、これも舞台とは一切関係ありません。パイロット姿で舞台に立つことは経験上まずないです。

るひまには常連のキャストがいます。そのキャストには初見ではわかりにくい暗黙のお約束があります。

・井深さん

「るひまの姫。専属契約を結んでいます」(安西談)。毎年、妻または姫を演じています。今回は明智光秀の妻。30代になったことにより美魔女と言われるようになってきた。

・辻本さん

衣装にマントがついている。

・滝口さん

売れない、ポンコツ、悪い人ぶってるけど実はやさしいなど言われます。親が観にきてるんだから売れないとかやめろ!などやりとりをしています。

木ノ本さん

気持ち悪いと言われる。

・中村さん

ラップ担当。演者の財布や家の鍵を板の上に持ってきて客席に投げ込むというお約束の主犯格。

・内藤さん、原田さん

Wマリウス。歌がばかうま。

・加藤さん

奇才。加藤さんによって腹が痛くなるほど笑わされるのが楽しみで通っている節がある。

 

 

③舞台(Notミュージカル)だけど突然歌い出す。 

一部はお芝居ですが、一幕と二幕の間に突然歌が始まります。

壮大な上に歌うまが多いので、すごいテンションが上がります。

youtu.be

2017年 『ゆく年く・る年冬の陣』より

 

あと突然90年代のJPOPを歌いながら全員で踊り出したりもします。

これは合唱曲ですが、ストーリーとよくマッチしていて涙なしには聞けない今でも好きな演出です。

youtu.be

2015年『晦日明治座 納め・る祭』

坂上田村麻呂役:三上真史 阿弖流為役:大山真志 Wまさし主演

 

 

④二部のショー。

一部の役柄を引き継ぎながらもパラレルワールド的な感じで歌って踊ります。

今回は歌やダンスだけではない3.5次元舞台をするとのことなのでいつも以上にカオスになる気配がします。事故が起こる気しかしません。

https://le-hen.jp/part2

 

youtu.be

 

二部のショーのすべてが詰まっている動画

※ユニット名のとおり、最初の発表では帝一の國パロだったのに本番になったら突然松が加わっていた

※ショートコント

※加藤啓さん(けけこ)のやばさ

※付き合いの長いキャストの個人情報をばらす

※歌が上手い

 

他のユニットはJ系とかのパクリでかっこいいので安心してください。一組は必ず頭がおかしいところがあります。すべてパクリなのでまぁまぁ頭おかしいですが。

この動画が大丈夫だったらるひま適性があると思います。たぶん。

 

 

るひまでの安西くんなのですが、笑いのセンスが独特なので狂気を感じるところがありますが本人が元から変わっているところがあるのでいつもこんな感じです。

サムネからして怖い。

 

youtu.be

2014年『聖☆明治座・るの祭典』

 

 

12/28~31で上演しているので舞台納めによかったらきてください。

 

 

 

2019年9月まとめ

9月の後半にいろいろありすぎてブログ書く気力なくしたり元気なくしたりして、毎月感想をあげると決めてから初めて?月内アップができませんでした。時間はあったけどやる気起きなくて、ブログは趣味の中でもさらにおまけみたいなものなので無理することはないと決めて放置してました。

でもずっと毎月更新してきたから途切れちゃったのは悔しいな。地味にがんばってたな自分。

 

 

 

 

 

絢爛とか爛漫とか

 

この舞台の素晴らしさを伝えたい!と思って観れば観るほど、考えれば考えるほど、なんて凡庸な文章!陳腐!舞台上でキャストが演じている人物たちはこんなにも生き生きとしているのに!と古賀ばりに「嫌になるほど凡人だっーーー!!!」となってしまいました。

なので好きなところを書ける分だけにしておきます。表現云々よりまずは読みやすい文章を目標にしましょう。

最初に観た時は古賀(秀才)が諸岡(天才)の才能に嫉妬する感情をストレートにぶつけられて、それに対して諸岡が執着できることを羨んでいて、やり場のない感情に押しつぶされそうになってしまったので凡人としての努力やあがきに気を取られてしまいましたが、のちの展開を知ったうえで観ると四人の馬鹿騒ぎや悪ふざけが愛しく見えました。

プライドが高く面倒なところもある小説に対して人一倍執着している古賀(安西)、ボンボンでモダンボーイプレイボーイだが友人想いの泉(鈴木)、所作に女性のような優雅さがあり気が利くが耽美小説を書き突拍子ない言動もある加藤(川原)、豪放磊落天衣無縫、それでいておおらかな諸岡(加治)と、まったく違う性格の四人の若者が集うさまは青春を見ている眩しさがありました。

登場人物の四人が生き生きとしているのは細かい演出が活きているからだと思います。自分以外の人が話している時に他の三人はいつも真剣に話を聞いているようすが見てとれて、ただ聞いているのではなくその人を理解しようと話に耳を傾けている様子が感じ取れて好きでした。『陽炎』夏の号を古賀の部屋でみつけてしまった時の泉と加藤が無言で顔を見合わせるのと、古賀が放り投げた原稿をひとり拾い集める諸岡が台詞のない動作だけで見せているところでは好きでした。

あと照明の使い方が、パッと切り替わるのではなくじんわりと変化し気付いたら違う場所にいると錯覚するほど数分前とは違う雰囲気になるのが巧みでした。セット転換なしで最初から最後まで古賀の書斎のみでここまで見せられるのは色んな演出の術がつまっているからだと思います。

 日本の四季の豊かさを屋内の演劇セットで感じられるのも演出の巧みさのたまものでした。桜並木や雪原が見えなくても四季を感じられました。

 

 8月中に観に行った時にすでに四人の演技力と表現力の高さに満足していましたが、公演を重ねて9月になり前楽の演技では初めて観た時以上に、役と一体になって台詞を言っているのが伝わり、より登場人物の言葉の重みや熱さが伝わってきました。

何度か観ているうちに川原さん演じる加藤がどんどん心根が優しくてもらい泣きしそうになるし、三人が怒って無言になっている間一人おろおろしている様はかわいいし、母上の電報で動揺している姿はどうにかして励ましてあげたくなりました。

和服で正座をするたびにスッと着物の裾を片手でなでる仕草が優雅で好きでした。

不思議だったのが諸岡は下世話な話が多かったのになぜが男性が下ネタを話す不快感がなかったことです。加治さんの人柄に寄るところなのかな、と思います。ふざけて加藤に抱き着きながら腰を振るシーンがあるのですが嫌な感じがなくて犬が人の足につかまって腰振っているのを見てる時と同じ感覚でした。

泉の下手なヴァイオリンも毎回アレンジを楽しみにしてました。まず雰囲気たっぷりで始めるのにど下手で、さらにやっとなんの曲を弾いているかわかってきた辺りでもう一笑いがきて、終わったと思った瞬間に怒涛のど下手アレンジがくる三段構えがずるい。

最後の冬でふじこにプロポーズした経緯が泉らしいし、人のことをほおっておけない優しさに惹かれました。

 四人とも魅力あふれるキャラクターで、今年の夏にしか会えない特別な存在になりました。

 

毎度毎度、安西くんの演技を褒めていますが今回もやっぱりすごかったです。

共演者がいるのものの女中のおきぬとのやりとりや、最後の冬の場面で次回作の構想を語るシーンは一人芝居のようなもので、その時に見せる演技が、もう抜群によかった。

私は安西くんのことが好きだと言うことを前置きして、これは褒め言葉として受け取ってください。秋の場面のおきぬシーンですが酒で睡眠薬を飲んでべろべろになりおきぬを呼びつけている時の恐ろしさが小劇場のため肌で伝わってきて、一体この人はどこからこの空気を連れてくるんだろうな…と怖くなりました。女性ならあのシーンは自身の身の危険を感じるものがあったのではないでしょうか。あそこで隣に座っていたら間違いなく乱暴されるだろうし、そこに行きたくないおきぬの心境が異様な雰囲気をだす古賀を通して伝わってきました。ほんとに私は安西くんが好きなんですがあの古賀を演じている時は怖かったです。なぜ演技であそこまで客を恐怖に陥れることができるのか…。

そして最後に小説の構想を話す15分ほどはあろうかという一人芝居。姫が極楽に行った場面、姫が独り言を呟いた瞬間、そして小説の締めと要所要所で客席の意識をスッと持っていくような演技が巧みで姫の台詞を言う時も誇張せず自然と女性の声として聞こえてくるので演じ分けが素晴らしかったです。

 

おきぬシーンや構想シーンの芝居が素晴らしかったので、いつか朗読劇や一人芝居もやってくれたら嬉しいな、とぼんやり思っていたらなんと!先日!一人芝居の舞台が発表されました!「いつか」は意外と早くきた。

 

 

 

 

 

ミュージカル刀剣乱舞~葵咲本紀~

大阪公演

 

唐突に決まったけど行ってよかったな、と今は思います。

歌の時は出るけど、演技中の高音が出しにくそうだったのでのどが心配でした。

二部の客降りで明石が空いている席に座ったので周辺の客が阿鼻叫喚歓喜の断末魔でした。また太鼓叩いている双子に集中しすぎて衣装チェンジがまったく見られませんでした。たぶんライブビュまで見られないと思います。

 

 

 

 

ミュージカルテニスの王子様 青学vs立海 全国大会前編

凱旋公演

 

いつにも増して千秋楽挨拶の「誰一人欠けることなく」という言葉が響きました。

 

凱旋で一番、目を引いたのはD2でした。

竹内力くんの乾が真逆な二人でデビル化しかけている海堂を何度も引き止めようと引っ張る手が印象的でした。乾が倒れてゲームセットになった後、マイクが拾うか拾わないかくらいの声量で悔しがる海堂の声もよかったです。

具体的に説明はできないのですが柳の「空蝉」の言い方が、ベタ塗りのコマに浮かび上がる台詞のように響いて聞こえたのでボールを拾えなかった乾・海堂のような気持ちになりました。

あとはなんと言っても前田くんのデビル赤也ですよね。たぶん全員が褒めに褒めてたと思います。東京公演の時は気味の悪さが印象的だったのですが、凱旋になったら凶悪性が強くなっているように感じました。歌もデビル赤也としての歌い分けもできていて底知れぬ可能性を感じました。今後、たまたま観に行った舞台に出演していたらテンション上がる俳優の一人になりました。前田くん。

 

 そしていつの間にか大人気キャラとなっていた3rd全立オリジナルの冷上剛(ヒィアウィゴ)先輩。新たなキャラクターを生み出したうえにここまで愛される存在に仕上げた川崎くんのエンタメ力の高さ。この公演に行った人しか見られない特別な存在を作り上げた功績は語り継がれると思います。

日替わり長い、とか言ってましたが結局いつも通り楽しんでました。

 

千秋楽はライブビュだったんですが、特典の終演後挨拶が今回は対戦相手、試合がない人たちは日替わりを一緒に演じた組み合わせで、リョーマと幸村以外はみんな最後の試合なので演技の思い入れが率直に伝わってきました。

大千秋楽直後なのでみんなナチュラルハイすぎて、こっちも釣られてナチュラルハイになり、最終的にテニス最高セイヤ―!になれます。

 

 座長あいさつでにちかくんが言っていた「テニミュは年中無休だね!」から、年間スケジュールが決まっているテニミュの土台の強さと安心感を感じました。

集大成、がんばれ~!!

 

 

2019年8月まとめ

 昨年も「野球」で最高~~~!!!となり、「さらばゴールドマウンテン」で最高~~~!!!となった8月でしたが、今年も刀ミュで最高~~~!!!となって絢爛爛漫で最高~~~!!!となれた8月でした。8月は当たり月。

 

 

 

 

ミュージカル刀剣乱舞~葵咲本紀~ 東京公演

 

刀はリリース初日からゆるゆるとやっていて、予定調和のように舞台化し、その舞台で刀剣男士にキャスティングされた若手俳優があれよあれよと売れていき、スポーツ物ではないジャンルとして2.5次元舞台のなかで存在感を増していくと「いつしか自分の推しも出演して一発売れてほしい!」と思うようになっていました。

そして今作で歴史上人物として二人そろって出演が決まった時はもう狂喜乱舞でした。一番お祭り騒ぎ状態になったキャスティング発表でした。嬉しすぎてエネルギーがあふれてきて、退社した瞬間に感情の昂りに身をまかせて最寄り駅まで無意味に走った。

 

そんなわけで双子で出演し、原作ファンに双子を知ってもらえる大きなチャンスの場でこんなにも良い役を演じさせてもらっている幸せが大部分を占めてしまい、舞台全体のストーリーや演出を平常心で見ることができていない感想になってしまいました。

いつも通りネタバレ配慮なしです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

秀康が時代遡行軍に取り込まれるところから始まるので、びっくりしてました。30分くらいは出てこないと思っていた。

そして、闇堕ちのソロ。まさかのソロ。短いけど確かにソロなうえに禍々しく怨念こもったラスボスの風采で歌い上げる姿に感動してしまって、「推しててよかった…!」と心から思いました。舞台やライブを観続けてよかった…。今まで見せたことのない歌い方を刀ミュで見せてくれた。これからも最高を更新し続けてほしい…!

この負の感情を歌唱力を最大限に使って表現しているこの素晴らしいパフォーマンスを、今回初めて双子を見たであろう原作ファンの人たちが見てくれていることになんだかもう感無量で、向こうは秀康怖…と思っているかもしれませんが、要くんのこの歌を聞いてもらえて本当に嬉しかったです。やっぱり演者は一人でも多くの人に見てもらってこその仕事だと思うででかいコンテンツで歌を披露できたことに感謝しかないです。

 ソロもありがたいけど、秀康を救うという任務になったおかげで殺陣が多いのもありがたかったです。1対6だから手数多くて出番がある…!しかも殺陣上手くなってる…!

こんなに秀康の見せ場を作ってくれているとは思わなかったので、本当にありがとうございます。

ここまで色々任されていて本当に嬉しいです。脚本と演出に才能を認められていると受け取っています。

稽古期間から大変だっただろうし、これを約70公演やるのは気力も体力も並大抵のものではないけれど、制作側がやれると信じてくれているので最後まで無事に終わってほしいです。自分の体力を半分あげたい…。

 

 

永見貞愛との関係性は予想を大きく外してしまったけれど、元気いっぱいな貞愛を見て歴史上でどう記されていようと本人が納得して生きられたらそれでいいんだろうな、という考えが持てたのと、2200年代に顕現した御手杵を過去の1500年代に生きた貞愛の記憶に残ることで救われるのが、すでに死んでしまった人の中でも存在がある限りなくなったことにはならない、と受け止められる考えがいいな、と思いました。

(ゲーム内の)修行の手紙で結城秀康の話してたし、ミュで杵とたくさん絡みあるやろ思っていたらまさかの杵と貞愛のラブコメが始まりそうな関係性でしたね。

綺麗な顔なのに開けば憎まれ口ばかりのとんだおてんばヒロイン、貞愛。

貞愛もあてがきのようないい役でした。

 

 

 

双子のおたくとしては、二人の魅力や技量を発揮させてもらえていて最高の舞台なのですが、全体としてはどうなんだろう…と思うところもありました。

 

みほとせの続きとして説明がはぶかれているところが多い。つはもので明らかになった三日月が過去の人物にかなり深い関係まで接触していることを引っ張ってきている。(これも説明はない) 検非違使と秀康に憑りついた刀の違い。篭手切のいう「先輩」とはなんだったのか。

明確に理解できなかった部分があったり、前作を見ていないと内容が楽しめない部分があるのは疎外感を感じて好きではないので、気になる部分ではありました。

「先輩」や明石の思わせぶりな態度、鶴丸の三日月の任務への言及などなど、このあとの布石とは思えるけどちょっとふわっとした部分が多かったので、キャストのおたくとして行っていなかったらここまで楽しめなかったかもしれません。

二人の出番には大満足なので全体にも満足したかったです。原作ファンでストーリーのあいまいさが気になって魅力を感じずに終わった人がいると思うのですごくいい演技をしている要くんの魅力が伝わらなかったかもしれない、と不安になってしまいます。

 

 新キャストの4人もそれぞれキャラクターの体現を原作ファンの期待に十分に応えていたと思いますし、未完成が完成になるのではなく完成したものがグレードアップしていくレベルだと思います。(すごい上から目線ですね)

 

2部のライブは今までの中で一番歌上手いヤツにとにかく歌わせてえ!という気持ちがはっきりしている編成で露骨だ…と思いましたが、何言ってるのかさえわかれば明石篭杵の三人で歌っている変調がやばいサディスティックフラメンコみたいな曲が一番好きです。

まぁ2部は歴史上人物だから太鼓叩いているのが見られれば御の字と思っていたらまさかの徳川四兄弟で歌と殺陣を見せてくれて運営と演出に大感謝と同時に大勝利でした。しかもどのタイミングで「秀康サマーーーーーーーーーッッッ!!!」というか悩んでいたら、コーレスで四兄弟の名前を叫ばせてくれる福利厚生。大勝利。

殺陣中に双子で背中合わせになるの定番な振付だけどやっぱり絵になりますね。ありがとう殺陣師さん。

 

 よく考えたらテニミュ全立前編だって60公演なのに、刀ミュの70公演て相当多いですよね。なるべく多くの人が観劇できるよう努力してくれているのはありがたいですが。全キャストがんばれ。通うオタクもがんばれ。

また凱旋で印象が変わっていることを願ってます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

絢爛とか爛漫とか

 

9/13まで上演しているので何度か観て、きちんと感想をまとめたい舞台。

この舞台の良さを自分の中で消化して、読んでくれている人に良い舞台だということを

 しっかり伝えたい、と思える舞台でした。無理だろうなーとは思うけど。

 

文学を愛する四人の青年が己の才能に悩んだり、互いに羨んだり、ぶつかったり励まし合いながら、移りゆく四季の流れとともにそれぞれの人生の転換を見届ける約2時間でした。

 

この舞台の一番の魅力は演出がとにかく丁寧にされていることです。

演劇素人だから、具体的に指し示すことはむずかしいのですが、登場人物の台詞の言い方、一挙一動に意味が込められているのを感じました。演技すべてに演出が加えられているにも関わらず自然体であくまで日常的な動作として見えるので、演出的な雰囲気は感じとれるものの演技には見えにくい絶妙なバランスを保っているのがすごいです。

たまにあるじゃないですか、感情の起伏を表すためにとにかく役者が大声出している演出で見ていて疲れちゃったとか。

役者が怒鳴ったりしなくても、煙草で埋まった灰皿を見るだけで、ここ最近苛立っているんだなとわかることができるんだなと思いました。

 

小説というものでつながっている登場人物四人の関係性も絶妙で、安西くん演じる古賀はプライドが高くめんどうなところもあるが人一倍小説への情熱(ほぼ執着)が強く己の凡庸さを嘆く姿は観客側に共感を呼び、鈴木さんの泉は代表的なモダンボーイで遊び人の雰囲気があるけれど随所に優しさを感じ、川原さん演じる加藤は一番善良そうな見た目でエログロ小説を書きコンプレックスと倒錯を抱え、加治さん演じる諸岡は見た目も性格も豪放磊落、天衣無縫、かっこいいとは言えないけれど魅力があり、四人の長所と短所がシーソーのように揺れながら進んでいく構成が緻密でした。

 

きちんと文章にできる気がしないけれど、この舞台の感想はしっかりと書きたいなと思ったのは創作をする人なら誰しも感じたことのある他人の才能への嫉妬と羨望がものの見事に目の前に現れていて、胸が苦しくなったからです。

ただ凡人が天才の才能を羨むだけでなく、天才が凡人の物事に対する執着や好きなものの為に努力を惜しまない情熱や熱中できることを羨む姿も同時に見せてくるので、その考えもわかるし、人は皆、他人が羨ましいという理解はしていても忘れがちなことを目の前に突きつけられて良い意味でショックでした。

このどちらかに寄らないバランスのよさが「絢爛とか爛漫とか」には絶えずあって、演技についても(というか芸事に関わらず仕事にも言えると思う)同様のことが言えるので観劇しながらも役者さんたちはこの脚本を読んだ時どう感じたんだろうと考えられるのも、楽しみ方のひとつとしてあるのが俳優おたくとしても楽しかったです。はしゃげる楽しさではないです。はい。

 

見る度に演技力の高さに惚れ直しますが、今回も安西くんの演技は素晴らしかったです。

発狂安ジェリコを観たあとだったので、あの濃さはしばらくはないだろうなと思っていたけれど、種類は違えど今回も濃密な演技を見せてくれました。

というか今回は演技の種類が多才で、感情の起伏は少ないけれど、感情の種類が多く、同時に数種類の感情を演技で表現してくる濃さ、といった感じでした。

最後の次作の構想を話す10~15分ほどの一人芝居はどんどん話に引き込まれていき、姫の言った「地獄はどんなところかしら」という台詞の時の背筋が寒くなる引き込まれ方はすごかったです。あの一人芝居は圧巻なのでみんな観てくれ~~~。

というか四名全員が高い演技力で細やかで丁寧に演じているので、観劇している充実感がすごいです。

 

DDD青山クロスシアターにて9/13(金)までです。当日引換券も当日券もあります。

 

 

 

安西君が好きなので舞台上にいる時はいつも目で追ってしまうので全然知らなかったのですが、他担でも安西君が舞台に登場した時や圧倒的な演技力を放っている時はつい見てしまうらしいです。

さすが自慢の推し。

 

 

【SS】ファンだなんて絶対に言えない

 

 

○○○○○○くんへ

舞台「・・・・・・」おつかれさまでした!!

いつも手紙読んでくれてありがとう。--------- です!!

大千秋楽の演技が一番すごくて迫力あって、とっっってもかっこよかった!いつもとは違った雰囲気の役だったから、全然違う雰囲気の○○くんが見られて新鮮だった!

クライマックスのシーンも最高だったけど、やっぱりわたしは中盤の△△のために無理をしてしまう▲▲▲の苦悩を繊細に表現する○○くんが一番好きだし、一番お気に入りのシーンでした!あの時の○○くんは今までにない顔をしていて、演技の幅がこの舞台でまた広がったんだなぁって思いました。

あの「~~~~」ってセリフを言う時の迫力、すごかったです…!セリフ自体もすごい言葉だけど、それに負けないくらい○○くんの全身から伝わる熱気がすごくて毎回、泣いちゃった。泣くようなシーンじゃないから、わたしだけ泣いててちょっと恥ずかしかったよ。笑

ツイッターでは楽しく稽古をしているっていつも書いていたけど、共演者のみんなのツイートや舞台の公式ツイッターでは○○くんが一番座組の中でがんばっているって書かれていて、努力してることを絶対に見せないけど周りのみんなからそのことが伝わってくるのが○○くんらしいな、って感じました!

 今回の舞台でまた一歩、演技の幅が広がって新しい一面も見せてくれて、どんどん成長していく○○くんはいつもすごいなぁ、って思います!

ファンのみんなやお客さんたちを楽しませるために、最高の舞台を届けるために、ひたすら努力する姿がとってもかっこいいし、そんな○○くんの姿からいっっっつもたくさんの元気をもらってます…!

仕事帰りで疲れていても、○○くんの演技を見ると元気になるし、仕事も○○くんの舞台があるから早く帰るためにがんばろう!って思ってパワーをもらってます!!

どんどん成長していく姿を見ているとわたしも、こんなに○○くんががんばってるんだから、わたしももっと仕事ができるようにがんばらなくちゃ!って思って、○○くんに負けないよう勝手に張り合っちゃっています。笑

○○くんのおかげで毎日がとっても楽しいよ!!!○○くんがいるからがんばれるし、○○くんからたくさんの元気とパワーをもらってます!!!いつもありがとう!

次の「□■□■□」も、とーーーーっても楽しみにしてるね!HPに上がっていた○○くんの演じる▽▽▽▽の写真がとってもかっこよかったから今からワクワクしてます!

 まだまだ暑い日が続くから体調に気をつけてください♡ 

またね!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

無理。いや無理だって。もうがんばれない。またケアレスミスしたし、その報告だけで午前中使っちゃったし、それで午後の作業全部遅れて、またデスクでコンビニ弁当食べながらメール返信して昼休み返上したけど、明日納期のものがまだ半分も終わってないし、しかもさっきその仕事にもミスがあるのに気付いて半分以上やり直してる途中。

これ絶対終わんない。終わった。逆に終わった。無理。

しかもこの間違い前々回にしたし、前回はミスしたから注意しようって集中できたけど、一回ミスなくできたからすっかり忘れてた。最悪。バカ。本当バカ。

で、またミスしたから自分がミスした作業にメモして覚えようと思ってメモ帳開いたら二回も同じこと書いてあった。ほんとやべー。

なんでこんな同じことまちがえんの。ありえない。

上司にも言われたけど。

こんな使えない人間がファンなんて○○くんの面汚しだし、こんなクソ人間がファンやっててごめん。本当は○○くんみたいにどんどん成長して立派は人間になりたいよ。こんなつまんねーミスでつまづく人間じゃなくて、バリバリ仕事できてバリバリ活躍したいよ。○○くんにとって誇らしい人間になりたいよ。こんなクズから推されてもどうしようもないよね。

無理。

生きててごめん。

下っ端のくせに簡単な仕事もできなくてごめんなさい。活躍どころかみんなの足ひっぱってごめんなさい。クズでごめんなさい。

あー、なんでこんな。…ねぇ、なんでこんなに駄目なんだろ。

魂のグレードが違うのは百も承知だけど、せめて、せめてもう少しマシな人間になりたいよ。最低限、クソみたいなミスをしない社会人になりたい。全然成長できない。○○くんはデビューからあんなに成長して色々できるようになったのに、わたしはなんだ!?やることなすこと何も成果を出せていない。成長も見えない。反省してるのに次に活かせない。そして同じミスをする。努力するって言ってんのは口だけ。クズじゃん。

生きる価値ない。本当こんなやつがファンやっててごめん。

全然がんばれない。元気もらってるのは本当だけど。

いや本当はがんばりたい。でも全然ダメなんだよね。手紙ではあんなに大口叩いているくせに現実はコレですよ。クズ。

ごめんなさい。

本当に無理。

 

 

 

 

 

 

2019年7月まとめ

テニミュ3rdシーズン全公演を観に行くことを決めた時に、3rdが終わる頃には結婚できてたらいいな、と思っていたのですが恋人も出来ずに完走することになりそうです。

関東大会辺りが一番婚活がんばっていて月1~5名の男性と出会っていた時もありました。努力としては甘いですが、なんかそこまでして結婚したいのかわからなくなり今はなにもしてません。

3rdシーズンが終わる時にまたこの話するかもしれません。

 

 

 

ミュージカル テニスの王子様 全国大会 青学vs立海 前編

東京公演

 

2ndのだいたい4時間公演となっていた全立が再び前・後に分けられて3rdの寿命が延びました。そして2時間半公演なので体力も安心。

 

わたしがテニミュって、テニプリっていいなと強く感じるのが全立のS3です。

本公演で好きなキャラ ベスト5は不二先輩・白石・財前・仁王・赤也なのですがキャラの好き嫌いは関係なしに全立S3は名試合だと思います。

手塚も真田もさぁ~強い上に己の信念を負けないしテニスにかけている思いがデカいし自分のプレイスタイルがしっかりしていて目指すものも明確化しているし、どちらも己(手塚は腕、真田は真っ向勝負)を捨ててまで自分のチームを勝たせたいと思っているからどちらも勝ってほしいしどちらが勝ってもおかしくないからすげーいい試合なんですよね。

後半の零式サーブが決まってからの「向こうに入らんかー!!!」までの緊迫感といったら何度観ても昂ります。全立はこの試合が一番気持ちが入る。テニミュ見たな!って思います。

特出して役者のここがすごい!という点はまだみつけられていないけどこの名試合をしっかり演じきっているので十分ではないでしょうか。+αがあると思い入れがより一層強まるけど、それは人それぞれで誰かはもう+αをみつけているのだと思います。

 

すごいもの見せられているな、と思ったのが前田くんの「赤いデビル」です。

これ見るために増やしてもいいと思えるくらい素晴らしい。怖いのが第一ではあるけど彼のデビル赤也は暴力性だけではなくて冷酷さが垣間見えて怖さの種類が少し違う気がしました。演技として歌う表現力では一番長けていると思います。マジで上手い。

乾が倒れてしまった瞬間の中島くんの海堂の慟哭もすごくいい。先輩後輩ペアで対比がとれているのが余計にこの試合の勝敗の辛さを強めていてよい。

 

一幕はあっという間に終わってしまい、二勝したのに空気が重いままの立海が重々しい「三連覇に死角なし」を歌い、幕が降りるので明るくはないけど休憩に入った瞬間、テニミュ!楽しい!!!とはしゃぎたくなるおもしろさでした。

一幕で満足してしまう…。

 

二幕の日替わりはなぜか二種あって、間延びする印象でどちらかに絞って出るキャストを変えればいいのにと思ったけど前後に分けたから時間もあるし試合のないキャストもいるのでその人たちのファンを思ってのことかもしれません。ゆーさくの去年の三年生好きになってきたし…。

じゃあ、軽井沢の修行シーンをもう少しいれて記憶喪失になるくだりいれてくださいよ。原作未読で初めて観た人は突然記憶喪失になって帰ってきたリョーマにびっくりだよ。

 

S2はクローズドアイを残して振りもそのままにするなら、間奏で仁王と不二が対峙する振りでオフバランスとってよ!!!あのオフバランスなくすくらいなら振りアップデートして全部変えてよ!!!

なんやかんやで凱旋では受け入れてるとは思います。

 

 D1はブン太がかっこよくなっていて、時間差地獄の最後のポーズが揺らぐことなく片脚で止まっていて一コマの絵になっていてよかったです。

これは完全にわたしの都合なんですが、思っていたより青7黄金ペアだったいけまりに想い入れがあったみたいで、いけまりの眩しさが感じ取れなくて比べてしまって試合全体があっさり終わった印象でした。あんだけ長いこと黄金がこだわってきた全国No.1ダブルスの瞬間なのに。

なんやかんやで10代目の黄金も好きになれたらいいなと思います。

 

一幕の出来が良すぎたのか、二幕の試合が自分と合わなかったのか驚くほど一幕二幕で自分のテンションが違っていました。

でも二幕の中にもいいシーンはあって、思い出せ越前の導入前に悲しそうにしている桃ちゃん先輩は見ている側もつらくなるいい表情をしてますよね。

最後を「うちらのハートはパーカッション」で締めたのが驚きでしたが、初めて観た日は2ndの四天目当てに通い詰めた夏を思い出して懐かしさに涙が出ました。1stからの曲ですが自分にとっては2nd全立の二幕最初の曲として刷り込まれているみたいです。間奏の廣野くんのバク宙がワイヤーで釣っているのかと思うほどきれいな弧を描いていました。

 

うっかりネタバレ踏んでGMKKが復活したと聞いた(見た)時は複雑でしたが、実際に観て感じだのは懐かしさだけで意外と受け入れられました。きしむテニスシューズの音を忘れたことはないよ。

あとドスドスしている真田。

でもふわふわもいい曲だから3rdのカテコ曲も大切にしてほしいな、と思います。

 

東京公演ですでに天衣無縫(テニミュって楽しいじゃん!)になりかけているので凱旋が楽しみだし、後編も楽しみです。

 

 

 

 

【SS】無感情

 

 

 

 

あーーーーー。まずったな。こりゃ。どうしよう。

 

 

とは思うものの、どうしようもないし、どうにかしようとも思わない。

むしろ隣でバツが悪そうにしているおじさんの方が内心焦っているだろう。さっきまでピタリと体をくっつけるようにして歩いていたのに、姉に声を掛けられた瞬間すっと人ひとり分くらいの距離を空けた。

さっきは自分から駅まで行こう、と言ってきたのに、それじゃここで。と青に変わった反対方向の横断歩道に向かって歩き出した。

「またね~」と言いながら手を振ると姉の顔を見て、へこへこして去っていった。

 

姉はあきれた顔をして、近づいてくるわたしを見ている。何してたの?と聞くとこっちのセリフだよ、とだけ言い、それ以上何も聞かなかった。

 

「あんたには何言っても無駄だから注意しないし、お父さんにもお母さんにも言わないけど、かばいもしないからね。聞かれたらあんたが何してるのかも隠さないし、自分が知ってることは全部言うから」

 

「わかってるよ」

 

一緒に帰ろうとは、言わないがなんとなくこのままの二人とも家に帰る雰囲気なので無言で駅へ向かう。

 

社会人になり上京した姉にくっつく形でわたしも進学と同時に上京し二人で住んでいる。

 

「一緒に帰るなんて久しぶりだね」

 

繁忙期以外は定時で寄り道することなく規則正しく帰宅する姉と、不規則な生活を送るわたしの帰宅時間が同じになるのは今年に入って二回しかない。ふらふら遊び歩いている方が言えるセリフではない。姉は無言でわたしを見て、目線を前に戻した。

 

帰りの電車では二人とも無言だった。わたしはSNSのチェックと返信し、姉もたぶん誰かに返信したりしていたと思う。

最寄駅から家までも無言で歩く。わたしはスマホを見ながら姉についていった。

 

「ただいまー」

「……」

 

久しぶりに一緒に帰ったというのに一切会話のないまま家に到着した。

廊下からダイニングへと移動しながら姉がぱちぱちぱちと電気をつけていく。

明るくなり、家の中にある物が突然姿を現したかのように見えた。毎日見ているはずなのに見慣れない光景に感じる。

スマホが手の中で短く震えた。通知を開くとさっきのおじさんから不安そうなラインが8cmくらいの長文できていた。

 

【さっきの人?大丈夫ですよ】【そんなに仲良くないし】【あたしが何していようと興味ない子なんで誰にも言いませんよ】【今度、続き行きましょうね!】

 

 まだ少し不安そうなおじさんのラインがぽこぽこと届く。大丈夫だと言葉を適当に変えて返していく。

 

「夕ご飯、いる?」

 

部屋の真ん中で突っ立ったまま返信をしているとキッチンから姉の声がした。

 

「平気。もう食べた」

 

わたしの返事に姉からの反応はなく、部屋に静寂が流れる。

おじさんもようやく落ち着いてきたのか、バイバイのスタンプを押してやりとりを終えた。

 

部屋着兼パジャマに着替えてベットでごろごろしながら、複数のSNSをチェックしていく。リプといいねを終えた後、アプリにきているメッセージに返信をしてバイト先のシフトを確認する。

「20:27」。スマホの上部に掲示されている時刻をふと見る。こんなに早く家にいるのはいつぶりだろう。今月初かもしれない。早い時間にベットで横になっていることに安堵を覚えると急激に眠くなってきた。うつらうつらと目蓋を開けては閉じて開けては閉じてをゆっくりと繰り返す。あーーーーーだめだ。これは寝落ちする。意識のあるうちに明日のアラームをセットしようと再びスマホを起動しようとした。

と同時に姉からのラインが入った。

 

【風呂空いたから。最後、換気してから出て】

 

そうだ。風呂。せめて化粧だけでも落とさなきゃ。と体を起こす。肌荒れを起こしやす肌質のため、どんなに疲れていても化粧を落とさず寝てしまうことだけはしない。部屋は足の踏み場もないほど荒れているが見た目はなんとか取り繕っている。

 

ダイニングを通った廊下の先に風呂場がある。途中のダイニングにあるソファに座って姉はスマホをいじっていた。おそらくわたしへのラインもそこから送ったのだろう。

お互い視線も合わせない。

 

わたしと姉は仲が悪いわけではない。かといって良いわけでもない。

姉妹そろって他人との関わりが希薄なだけで人嫌いというわけではない。少ないけど友達もいる。姉には。

わたしにはいない。というか、いなくなった。

バイトを優先して、副業もするようになったらますますお金を稼ぐことに忙しくなり、友達よりも優先して、あげく学校にも最低限の時間しか行かなくなって、ごはんも断ることが多くなったら自然と友達らしき人はいなくなった。

とにかくわたしにはお金が必要で、稼いだお金は彼以外にはあまり使いたくなくて、その他を削っていった結果が今である。後悔は特にない。というか選択肢はなかった。

そして、今ではわたしと会話をしてくれる同性は姉しかいない。

湯船に浸かりながら天井を眺める。立ち上る湯気と一緒に自分から離れていった人たちの顔が浮かんでは消えた。

 

 

 

 

 

 

またかーーーーーー。今度はさすがに怒られるな。こりゃ。どーしよ。

 

とは思うもののどうもしない。

前とは別の今回のおじさんは、悪びれるそぶりもなく腰に手を回したまま「お友達?」と訊いてくる。姉と言うと詮索されそうなのでいとこです~と誤魔化した。

 このおっさんはずうずうしいところがあるし、自身の行いに後ろめたさを感じていないので余計なことを言う前に一刻も早く姉と引き離したかった。どのようにこの場から去ろうか考えていたところ「忙しそうだし、じゃ」と姉の方から離れて行った。内心ほっとした。自分が姉の身を案じているのにも驚いた。

 

その後、いとこについて少し尋ねられたものの適当に嘘をついてやりすごし無事オプション料金をもらい、今日のおじさんと別れた。

なんだかんだで長引き、家に着いたのは0時前になった。

 

ドアを開けると廊下の電気がついていてダイニングも電気がついている。食卓の椅子に姉が座っていた。もう風呂は済ませたようだがあきらかにわたしの帰りを待っていた。

 

無言で部屋のドアを開け、背後から姉の「おかえり」という声を聴きながら閉める。部屋着に着替え、風呂に入るために再びダイニングを通って廊下の先の風呂場へ向かおうとした。

 

「あんたさ」

 

部屋からでてきたわたしに姉は間髪入れず声をかける。無視しようとしたがなぜか足が止まった。姉と向き合うようにして立ち止まる。

 

「好きでもないおっさんに時間使ってむなしくならないの」

 

わたしに対して無関心だと思っていた姉が気にかけていてくれるが意外だったので少し嬉しくなったが、説教かよ、という苛立ちが上回った。

 

「別に。短時間でお金稼げるし」

 

納得していない顔でふうん、と姉は小声でつぶやいた。

 

「好きな男がいるのに好きでもない男にカラダ触られてよく平気だね」

 

姉の言葉を聞いて、あぁこれが倫理観なのかと感じた。

わたしにとっては稼ぐ手段であり、彼らを客としては見るが人として見たことはなかった。何を言われても何をされても彼らの存在は身体からすり抜けていった。

わたしの中で存在として留まれるのは彼しかいなかった。自分から会いに行かなければ会えない、自分から料金を払わなければしゃべれもしない、「好き」と伝えても「ありがとう」しか返してくれない、プレゼントをあげ続けても返ってくることのない関係でもわたしにとっては大事な大事な好きで好きでどうしようもなくなる存在だ。

 

「自分の感情なんていくらでもごまかせるし、好きな人以外の感情なんてなんの問題もないから」

 

「好きな人のためなら、ね」

 

言葉とは裏腹に姉の下がった眉が理解に苦しむ、と言っているようだった。

 

そう、好きな人のためにできることはなんだってしたいし、可能なことならなんだってやる。彼のためにしたいことを最優先にしたいから自分の感情を配慮してる時間はない。むしろ彼が好きという感情以外は今のわたしにとってはいらないものだ。

彼が好き、それ以外なにもいらない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

少女革命ウテナ・21話 アンシ―の台詞より。

2019年6月まとめ

 彼らの仕事によって生かされているな、と感じた6月でした。

ここ最近ずっとそう。

 

 

 

COCOON 月の翳り

 

先月、感想書いちゃったけどポエム的なものを。

「泣き虫アンジェリコはもういない」。この台詞は冒頭とラストシーンで二度でてくるのですが、まったく違う意味に捉えられるのでゾクゾクして最高でした。

初めて観た時は、反芻されたこの言葉によって冒頭の仲の良い二人の会話を思い出しながらも道が違えた瞬間を目にしているので思わず息を飲み、サイコーの演出だ…と思っていました。

何度か観ると、最初のまともなアンジェリコから執着による絶望で狂ってしまった過程を繰り返しなぞることにより、どんどんアンジェリコへの愛着が深まり、後半は「泣き虫アンジェリコはもういない」という言葉に催眠でもかけられているかのごとく積を切ったように泣いていました。

たぶん、アンジェリコはこの時からずっと泣き続けていたんだろうな。

肉体的にも精神的にも激しく消耗しながらも、全力を出し続けてくれてありがとうございました。

やっぱり安西くんの演技が好きだーーー!!!

 

 

 

 

 BOYS☆TALK

 

男子会を覗き観するコンセプトのあてがきほぼアドリブ舞台。

二人ともトークおもしろいから大丈夫でしょ~、と大船に乗った気持ちで行ったらゲストのいせだいが一番おもしろかったです。ゲストなので後半からの登場でしたがどのコーナーでも一笑いかっさらっていきました。笑いすぎて内容を忘れました。

フリートーク大喜利は得意不得意あるけど、全員がんばっていて稽古時間が短い中で距離を縮めてアドリブで助け合う姿が見えた気がします。芸人じゃなくて役者だから、自分が一番ウケようとするより舞台全体をおもしろくする方に力を注ぐのだろうか。

勇さんが大喜利でボケた瞬間に飲み物飲んでしまい部屋の端でこらえる要くんをまじまじと見ていました。90分の舞台で一缶開けていくので水分摂取量多いなと思いました。

 

 

 

 

舞台クローズZERO 再演

 

映画を見た時に、不良高校のてっぺんとっても一文にもならないし全国模試1位を目指したほうが絶対いいのにな~とか思っていました。自分がファッション以外のヤンキー文化になじめないだけですが。

 

それでも、最終決戦でボロボロになりながら戦う源治と多摩雄の姿は喧嘩の美学を感じさせる演出で胸に響きました。エモーショナルを狙いました!と言わんばかりの演出でわかりやすすぎたけど、作品の雰囲気からいったらこれくらい大袈裟な方が映えるからいいのかもしれません。素人だからわからないけど。

 

主演の松本くんが最初にでてきた時にヤクザに飛び蹴りをくらわせるんですが、スタイルのよさと跳躍力が相まって惚れ惚れするシルエットでした。クリーンヒットの爽快感もある。かもしかのよう。

観る度に翔平くんの人を食えない演技が好きになっていくのですが、多摩雄もそんな雰囲気をもっている役なのでまたしょへさんの演技が好きになりましたね。

砂くんの高い演技力ときれいなお顔のファンなんですが、透明感のある顔から不釣り合いなドスのきいた声ですごまれるのいいな、と思っていました。最終決戦の殺陣で早歩きでまっすぐ進みながら指だけくいくいして挑発してるのが、すっごい癖(へき)にきて毎回、キタキタキタ!!!!!みたいなテンションになっていました。オープニングで咥え煙草したまま人の顔をぼこぼこ殴っているのがたまらん。

あと松島くんが合コンのシーンで、ワイヤーを動かしてブラなおす仕草がリアルで好きでした。たまにコップの淵についた口紅拭うのも好きだった。源治が自分を好きなこと前提で最後の捨て台詞をいう日替わりが毎回笑わしてくれました。ミキはいい女だよ。

 

二葉兄弟の三上兄弟ですが、初登場時はなんか人おちょくってくる態度でかくて上からライト当たると堀が深いから影ができて目元が見えなくなってイカつくなる三年生と見せておいて、次の多摩雄に喧嘩売りにきた場面では、あコイツらギャグ要因だ、としっかり思わせてくれて一気に芹沢軍団の愛されマスコットになるのが二葉っぽいなと感じました。

 最終決戦間近に、屋上で麻雀をやりながら芹沢軍団のこれからについて語りあうシーンでの三上兄弟の無邪気さは芹沢軍団もGPSと同じように惚れた男に(人間的にです)テッペンとらせたいという絆で結ばれている集団なんだと感じさせてくれるのに一役買っていたかと思います。犬みたいな二人はかわいかった。

 GPSと芹沢軍団の戦いが始まる合図として二人のせりふがあるのですが、卒業公演の双子に「最後の祭だ!」「派手にやろうぜ!」と言わせるのもエモかったですね。初演を観てないので初演も三上兄弟のせりふだったら見当違いですが。大千秋楽で「悔いの残らないよう」をつけくわえた勇くんは熱い男ですよね。

特典会時に、二人が上記のせりふを言うと卒業と重なってあ~~~てなるんですよね、と話したら二人とも、わかる、あ~~~てなるよね~、と返してくれて本人たちも気持ちを込めているようでした。語彙力ないオタクの会話をするな。

 

生理的に苦手だなと思うシーンもあったり、けがなく終わってよかったなと思う演出もあったり、休憩なしで長いんだから日替わりの時間はコンパクトにしろと思うこともありましたが、二人の卒業公演がクローズZEROでよかったです。

漢の友情と青春が題材の舞台が、番ボでがんばってきた二人と重なり、三上兄弟として見ながらも二葉兄弟として見える瞬間があって、でもキャストが役の範囲を超えることはなく舞台とキャストの背景を知っている・感じ取りたい人だけがわかるようなメタな部分を双子のファンとして楽しませてもらいました。

 あと前売りがすべてLINEチケットだったので手元に半券残らないことにしょんぼりしてたら、毎公演、裏にキャストがランダムで印刷されるダミーチケットを作ってくれて嬉しかったので、初めてアンケートでキャストではなく運営を褒めました。

 

 

 

以下、舞台の感想ではなく卒業に関する推し語りになります。

 

 

双子の卒業公演がクロゼロでよかったな、と思ったのは大千秋楽で演技の熱の入りようが大楽と比べても異様で全員がスピードも力も怪我をするギリギリまで攻めていて集大成として全力を出しているのが伝わってきて胸が熱くなったからです。

原作も映画も人気で有名なものだから舞台も同じくらい完成度の高いものにしたい、という思いもあっただろうし、再演だから前回を超えたいという思いもあって、あそこまでの熱量になったと思いますが、なにせ双子のオタクなもんで、勝手に二人を送り出す最高の場をみんなが作り出そうとしてくれている!と思い込んで勝手にうれしくなって勝手に盛り上がって、最後の舞台がクロゼロでよかったと勝手に感謝している次第です。

そう思ってしまった最大の理由は、最後の一騎打ちと決着がついた場面で、泣いている翔平くんを見てしまったからだと思います。芝居に熱が入り過ぎた結果の涙なのか、二人と共演できる最後の場を名残惜しんでの涙なのかはわかりませんが、普段飄々としている翔平くんの感情が溢れている場面を見てしまって、みんな(突然主語がでかくなる)双子と共演する最後のこの瞬間を今大切に思ってくれているんだ!と感じました。

例え勘違いでもそう思わせといてください。

大楽の熱の入りようは全キャストが凄まじくて、感情がこちら側に投げ込まれていくのを感じたので、舞台が完全に終わる前にいいもの見せてもらったお礼としてのスタオベがしたいなと考え始めていたのでトリプルカテコでできてよかったです。卒業だから、ではなく舞台の出来としてスタオベしたいと思わせてくれる卒業公演になって最高の見送りをできてうれしかったです。卒業公演がクロゼロでよかったな、その2です。

卒業だからスタオベしたいわけではないですが、やっぱりスタオベで卒業を見届けられたのはうれしいし、最後にいい景色を二人に見せられてよかったです。

 

番ボ自体は1年と少しの浅い歴なので卒業が発表された時は、まぁそういう時期だよなと普通に受け入れていたので、卒業公演が始まっても、番ボとしての集大成であり新たな門出を祝う場と思いながら通っていたので、挨拶とか聞いても「卒業おめでとー!」みたいなテンションだろうなと思っていたのですが、今回出演のなかった糸川くんと千綿くんがサプライズで来てくれたり、上述の翔平くんの姿や、太志くんの二人がいなくなるのは番ボにとって大変なこと、という言葉を聞いたり見たりしているうちに、双子が番ボの中でとても大きな存在でメンバーに大事にされていて、信頼されていることをひしひしと感じていたらいつの間にか泣いてました。

好きな人がたくさんの人に愛されてる素敵な空間でした。

 

今回は全公演で3ショがあったために常に特典会の最後は双子だったので、大楽の日はすごく長い時間まで劇場に残って双子のオタクでわいわいしていたのが卒業式後の教室みたいで、名残惜しみながら劇場を去る時に遠い記憶になっている卒業式の淡い切なさと新たな未来への淡い期待が混じる感傷的な気持ちを思い出しました。

上半期、毎月現場で会っていた、話したことはなくてもよく見知った双子のオタクたちともしばらく会うことはないんだな、と思うと寂しくなります。現場行けばとりあえず会えるフォロワーもできたのでしばらくみなさんに会えないのが寂しいです。

 刀で見かけたらよろしくお願いします。

 

 

 

 

 

 

2019年上半期ベスト舞台を選ぶなら「COCOON 月の翳り」です。

そろそろ推しの関係ない舞台を観に行きたいところですが、なかなかお金と時間と気力の調整がむずかしいですね。

では下半期も楽しい現場でお会いしましょう。