ちわきにくおどる

そんな気持ちにさせてくれ

2018年4月(GEM,チムパ,雷リー,る年上映会)

 前半に観劇予定がつまった月でした。

久しぶりの感覚を味わったり初めての劇場に行ったり初めてチェキ撮って浮かれたりしました。

 

 

 

GEM CLUBⅡ

シアタークリエ

 

ダンスと歌が上手い人しかいない舞台で目一杯楽しませてくれる大好きな舞台(ショー)。

目まぐるしく変わる配役と衣装替えにふと裏の大変さを考えてしまうけれど、目の前のパフォーマンスに心奪われるので一瞬で忘れてしまう。何も考えずとにかくプロの妙技を心ゆくまで堪能できる。それがGEM CLUB。最高の舞台。

中河内さんのダンスが好きでシリーズを続けて観に行っているのですが、毎回見る機会のなかったミュキャスがいるのでありがたいです。

特に今回は多和田さんと本田さんのダンスが見られてよかった…。本田さんはちょいちょいアクロバット見ていたけど多和田さんはゴリッゴリに踊るの見ていなかったのでヒップホップ見ることができてよかった。ふるたかずきのメイドもかわいかったです。声優に転向いたからか滑舌断然よくなってた。ワークショップのアドリブで独身最後の4時間で浮気しようとする話に転換したのめちゃくちゃ笑いました。あまりに最低すぎる。(笑)

女性のWキャストはみもりんでした。声優の彼女しか知らないので顔の認識さえ甘いままでしたが、歌が上手え!!ダンスもこんなに踊れるんだすげえ!そしてかわいい!

髪型もあると思うのですが今回初めて観た、松田岳さんがかっこいいなーと思いました。これで松本岳さんと間違えることはなくなるかもしれません。

2部のショーで天才!と思ったのはコンテンポラリーのような振付で無音で踊ったあと、もう一度同じ振りを曲に合わせて踊るのですがその曲が吉幾三の「俺ら東京さ行ぐだ」。振りが歌詞のまんまの動きでプロの悪ふざけが最高。

バブリーダンスはくると思っていたけど、グレイテストショーマンが冒頭から始まったのはびっくりしました。吸収が早い。

2年前のだけど、このかっこいいメインテーマで踊る推しが見てみたいです。振付もかっこいい。

推しに出て欲しい舞台ナンバーワン。

 

 


2016/3/20 『GEM CLUB』ゲネプロ

 

 

 

TEAM Party 立海

青年館ホール

 

平日一回だけ入れればいいか、と思っていたら平日一回だけしか入れなかった。人気校恐るべし。

チームパーティ―なのでトークとミニライブの形式でした。冒頭に赤也が追試になってしまった。というストーリーの後、トークパートに変わります。

トークパートは「立様の部屋」というコーナー名がついていて「る~るる、るるる♪」に限りなく近いセットとBGM。おもしろいことを言うと立様シールがもらえます。

トークではジャッカル役の川崎くんがツッコミをがんばっていて好印象でした。お節介な近所のおばちゃん役をやる立石くんが質問攻めをしながら近づいてくるごとに「あれ?目が…。なんか耳も聞こえなくなってきた…。感覚も…」と五感を失っていく芸が細かかったです。あと同じくお節介なおばちゃん役をやった柳生役の大隅くんのおばちゃんがおばちゃんなのかおじちゃんなのかわからなくなっていて面白すぎたので引き笑いしてしまいました。あとトリケラトプスと言われたのにプテラノドンをやってしまったことを正直に言う辺りもおもしろかったです。

ライブパートは前半はラケットを持たずに踊っていて、テニミュを観続けているのでジャージを着て歌って踊っているのにラケットがなくてそわそわしました。

制服だとラケットを持たずに歌って踊りますが、ジャージはほぼラケットありきなので道具がないだけでこんなにも落ち着かなくなるんだなと自分自身に驚きました。

比嘉公演の新曲のアレンジが絶対に真田が踊らない曲調と振付だったので、この機を逃したら一生ないのでは…と思い定点しました。

後半からラケットが登場するのですが、導入の仕方が新体操のリボンパスのごとく、キャストの頭上を弧を描いてパスをし、それも一度でキャストの手に渡るのではなくパスを何回か経由して持ち主のところへ行く演出になっていたのでテニミュのダンスで興奮してゾクゾクしたのは久しぶりでした。チムパでしかできない演出かもしれません。前半ラケットを持っていなかった分、ラケットを手にした時に待ってました!という気分が余計に高まりました。

お見送りハイタッチ、青学・六角は両手でしたがなぜか片手になっていたので仕事帰り大荷物人間にとってはありがたかったです。あいかわらず立石くんの幸村がきれいなお姉さまでこの顔になりたいな、と間近で見る度に思います。

 

 

雷神とリーマン

新宿シアターモリエール

 

雷遊役Wキャストの二葉勇さんの日に行きました。

雷遊(小)という解釈は原作ファンにどうとらえてもらえたのかが気になるところですが、Wキャストの楽しみ方としては新鮮味を感じる配役だなと思いました。都合上、片方しか観ていないので偉そうなことは言えませんが。

原作がショートストーリーですが、脚本にブツ切り感がなく未読でも十分に楽しめる内容になっていておもしろかったです。あと初めて観るのにアドリブ箇所がわかりやすすぎて笑いどころがすぐわかって楽しかったです。たまにありませんか?笑うところじゃないのにツボに入って吹きだしたらみんな真剣に観てた…みたいな時。

食事のシーンが多めで、実際に食べているので若くてかっこいい男性陣がおいしそうにごはんを食べているのをたくさん見られてにこにこしました。好きな人がおいしそうにごはんを食べている姿は良いものですね。

 

 

 

る年祭上映会

浅草公会堂

 

厳密にいえば舞台ではないけど、推しが座長だった舞台で思い入れもあるので主に書き下ろしリーディングについて感想を残しておこうと思います。

約4か月ぶりに役の恰好をしている姿を見てまだ懐かしいなとは思わず久しぶりだという印象を受けました。

SANADAMA・るで一番好きな役は誰かと問われたら穴山小助です。推しとは全然違う役とキャストだけど小助がかっこよかったんです。ライブのラップもあるけど。

本編では秀頼を助けるので真田十勇士の中で唯一最後まで生き残っていたものの政宗の亡霊が見えるシーンでは亡霊として一緒に佇んでいたのでその後の生死がとても気になっていたので「秀頼のこと」という題の書き下ろしリーディングでしたが小助にも焦点を当てて大阪の陣の後の彼の足跡をたどることができて嬉しかったです。

 真田を名乗る度に小助は辛い思いをしただろうと解釈しているので九度山で重長に出会って真田の現状を知って少し報われたようで安心しました。小助、やっぱかっこいいよ。

仙台藩のお月見」はタイトルからしてほのぼの日常系かと想像していたら重めでしたね…。本編で家康が「ここいるやつら全員身内殺してるのに」と言っている時の政宗の表情は印象に残っていたのでやはりリーディングで彼の心が少しでも軽くなるようなやりとりが見られてよかったです。政宗と成実が晩酌をかわす場面で縁側のような場所で飲み交わす二人の背中と二人を煌々と照らす満月が見えた気がしました。

朗読劇って役者の声と読みながらわずかに動ける範囲内で表現しなくてはいけないので、制約があるのですがふとした一瞬、頭の中の映像が今目の前にあるかのような錯覚を起こす瞬間があるのでおもしろいですよね。みなさんありますよね?共感してもらえないと脳内麻薬出してる人になってしまう。

ここでも雰囲気クラッシャーで重長はほぼトリックスターになっていておもしろかったです。

 信之・小松姫夫妻結婚前日譚はかわいかったですね。「幸」の文字を取り上げられた信之が自ら幸せをみつけた、という昌幸パッパの台詞はこの日一番の名台詞ですね。

ビデオレターの幸村さなちゃんがかわいかったのですが、お兄ちゃん呼びできゃっきゃっしている姿と信之の腕の中で息絶えた姿が重なってちょっと泣いてしまいました。

本編での「なぜ我が米沢藩ではなく真田に未来を託した」(少し台詞違っているかと思います)という台詞から兼続が景勝を裏切った理由は一番側で仕えていたのに戦を任せてもらえなかった恨みからだと思っていました。でも違った。もっと重かった。一番尊敬する人物だからこそ人物像を守りたくて裏切ったのだとわかった時に彼の愛の重さを知りました。しれっと上杉軍に戻っていたのは驚きでしたが、何も言われないことが兼続にとって一番つらいことだと景勝様はわかっていたから直江をまた側に置いたのだろうか…。ゴルフシーンでやばい目つきしていた兼続を早く見返したいですね。彼にとって命をかけるものは理想の人物像を体現している景勝様だったのでしょう。

最後に予定にはなかった追加リーディング「年老いた二人」。

安西くんの演じていた片倉重長という役は、その場の重い空気を一変させる空気の読まなさというか一生懸命すぎて空回りしているというか、とにかく戦国武将らしいかっこよさが少ないキャラクターでした。だからこそ、ずっと一人で抱えてきた子を失った悲しみを信之は話すことができたのだと思うし、政宗も重長の言葉で幽霊に苦しめられることは減ったのかなと思います。計算もなくひたすら全力で走り回る姿で人の心を救ったり、軽くしてくれる。不思議な役どころのW主役の一人でした。

 

ameblo.jp

 

 

ameblo.jp

 

こちらのブログで二点の全文が読めます。

 

 

 

あとは二推しのバースデーライブに行ったり、二推しのユニットのCD発売をよろこんだり、池袋のミルキーウェイで双子座パフェを食べたりしました。

オートフィクション ー食欲と物欲ー

目が覚めたので枕元に置いていた携帯電話で時間を確認する。

ブルーライトが室内唯一の光源となり、壁や天井をわずかに照らす。

 

22:38

 

やってしまった。また一日を無駄にした。本当は8時には起きて履歴書を書く予定だったのだ。起き上がりカーテンから外をのぞくと夜だった。とりあえず布団から出ることはできたので、その勢いで顔を洗い、トートバッグに財布と携帯と鍵をつっこみ、パジャマにスッピンのまま一番近い24時間営業のスーパーに来た。

惣菜には全て値引きシールが貼られている。食べたいものと値段を比べて買うものを決めようとするが、何を食べたいのかがわからない。

米?麺?パン?和風?洋風?ていうかほんとうに空腹なのか?いや空腹だ。なんせ昨日の深夜2時から何も食べていない。味の濃い物?薄い物?いっそ主食じゃなくてお菓子ですませてしまおうか。今日が賞味期限の半額のロールケーキがある。いやさすがに今日一日の食事がロールケーキでしかも夜の10時てのはどうなんだ。太る。いやこれ以外食べてないから関係ないか。でも何もない胃の中に生クリームをぶちこんだら気持ちが悪くなりそうなので、弁当と惣菜のコーナーに戻り再び何を買うか考える。米が食べたいのかパンが食べたいのかあいかわらず決まらない。自分のことなのに何が食べたいのかわからない。でも栄養はとらなきゃなので炭水化物と肉と野菜がそろっているものを食べたい。なら弁当一択だけどそういうちゃんとしたおかずとごはんがそろっているのは500円以上する。300円くらいがいい。でも300円くらいの弁当は野菜がほぼない丼ものしかない。いやだ。ちゃんと野菜も摂りたい。なら野菜ジュースを追加すればいいと考えるがそうすると400円近くなる。なら620円のあの野菜の多い弁当がいい。でも620円は高い。なら450円の野菜がたっぷりとれるグラタンって名前のあれにすればいい。いやでもグラタンて気分ではないな。そもそも弁当という気分でもない。というか何が食べたいのかもまだわからない。食べたいものがわからず20分も人の少ない店内をうろついたあげくレジに持って行ったのは税込189円の2リットルのコーラだった。

 

半額の弁当を3つカゴに入れているサラリーマンの後ろに並んで待っている間、携帯を見ると推しのツイッター更新の通知がきていた。

自撮りの写真に「今日も稽古でした!初共演の~~くんと!明日はいよいよ通し稽古だからがんばります」という文がそえられていた。即いいねを押して、リプ垢にログインしてそこでもいいねを押して、「おつかれさまです!お稽古もいよいよ大詰めですね。たのしm」まで打ったところでレジの番がきたので2リットルのコーラをカウンターに置いて続きを打ち込む。5番目のリプライになってしまった。

帰宅するとマンションの宅配ボックスに荷物が届いていた。通販で注文していたアクセサリーが届いたのだ。今回の舞台は主演でもなければ誕生日やクリスマスとも重なっていないがみつけた瞬間、絶対似合う!と思ったので45,000円だったが買ってしまったのだ。

 

2リットルコーラのボトルと段ボールを抱えながら家に戻り、電気をつける。

とりあえずタンスの上にプレゼントが入っている段ボール箱を置いて、ベッドに腰かけコーラの蓋を開ける。ちびちび飲みながらもう一度携帯を見ると昼間に電話がかかってきていた。気付かず寝ていたらしい。番号を見てみると見覚えがある番号だった。カード会社からだ。プレゼントが届いた時の喜びが一瞬で消え、喉から胃まで冷たい空気が流れる。

一旦履歴を閉じて、safariを開く。「都内 体験入店」で検索。一番近い主要な駅で二件申し込んだ。かなり前に登録した日雇いのバイトにも一件だけ応募した。三件とも30分ほどで返事が来た。とりあえずこれで今週はなんとかなるだろう。カード会社はまた明日でいい。

携帯で時刻を確認する。

 

0:27

 

いつの間に日付をまたいでしまったのだろう。明日こそは午前中に起きよう。

アラームを8時にセットして顔を洗い歯を磨いた。風呂は明日の朝でいい。とりあえず明日のために今日はもう寝よう。

 

 

2018年3月観劇まとめ(ポーと刀ミュ)

今月は2作品しか観ていません。

 

 

花組公演 ミュージカル・ゴシック「ポーの一族

東京宝塚劇場

 

初宝塚。床が絨毯でバラの模様が描かれている。でかいシャンデリアがある。自動演奏ピアノが公演の曲を弾いている。ショップも軽食もある。専用劇場でこれだけ豪勢な造りになっているのは率直に言ってうらやましかったです。周辺にも同じくらい整った劇場はあるけれどなんといっても宝塚だけを行う劇場でこれだけ立派なのはうらやましい。

あと劇場前にファンクラブ(?)のひとたちが列を成していて、これが噂の…と、まじまじと見てしまいました。

劇場に来るのも初めてなので「二部構成になっていてショーみたいなのあるのかな?舞台の感想はよく見るんだけどそっちの感想があんまり見なくって」「ショー?レビューのこと?」と連れてきてくれた友達に教えてもらうくらい何も知らずに来ました。

 

始まって5分くらいで、顔とスタイルの良い人達が名前もないような役まで豪華な衣装を着て30名くらいで歌い踊り、盆も奈落もフル活用するので実際にそこにあるのに4DX のような感覚におちいりました。

こんなに美しいもので溢れている空間なんて夢に違いない。美の洪水。

そんな整った人達の中でも一際輝いて見えたのが、主役のエドガーでした。ピンスポ当たってるのもあるけど。舞台上に何十人いようと、あの人が一番きれいだなとすぐにわかるほど圧倒的オーラでした。顔のきれいさもあるけど、全身から美の化身でーす!というオーラを放っていました。

港町のホテルでポーツネル一家が「一枚の絵画のよう!」と称賛されるのですがその通りです。それな。

 

まだエドガーとメリーベルが人間だった頃の演技が、純粋な少年と幼女にしか見えずこのあとの運命を思うとかわいいけど悲しくなりました。

特にエドガーは年相応の少年になっていて、バンパネラとなったあとの妖艶さの切り替えがすごかったです。オーラってあんなにオンオフの切り替えができるものなんですね。

あと当たり前ですが、宝塚なのでキングポーも女性なんだよなぁと思うとすごいな、と思いました。単純なことに関心しすぎて小学生の思考になっている。

アランも生意気だけれどエドガーも輪をかけて生意気で、容姿の整った男子が高慢な態度を取り合うのはいいものですね。

ジャンの女ったらしぶりには腹が立てながらもワンナイトして~と思ってしまうほど見た目と誠実なふりをしてチャラついている立ち振る舞いは好きです。ワンチャンほしい~。

ヒロインに当たるシーラも美しい上に歌がうまくて、圧倒的存在感でした。ジェインを気に入るあたりが女の趣味が良いなと思いました。

 

キャストも総じてよかったのですが、舞台セットの万能さがすごい。

盆に奈落にオケピにエプロンにリフト。ありとあらゆる装置をフル活用する上にこれだけそろっているのがすごい。舞台転換がめちゃめちゃ早くて、構造を理解するまで何が起きているかわかりませんでした。一瞬でバカでかいホテルのロビーが現れるので。

 

原作ははるか昔に読んだのでほとんど記憶がすっぽ抜けていましたが、テンポよくなおかつほぼ初見でもついて来られる進み具合だったので原作を知らずとも楽しめる内容になっていたかと思います。

 

ラストはエドガーとアランが時の旅に出る概念みたいなリフトのシーンで終わるのですが、ふたりにしかわからない孤独が閉鎖的な空間を作っていて耽美でした。友情のようで友情とは言えなくて家族愛とも違うけれどふたりの間には確かな絆があるのが見える幻想的なシーンでした。

 

そんな耽美なふたりの感傷にひたっていたら、息つく暇なく真っ赤なバラを連想させる衣装を来た女性たちが登場しラインダンスを始めたので、情緒が吹き飛んでしまいました。こ、これが噂のレビュー!た、宝塚だ…!

気付けば大階段が現れていていつの間にかミラーボールが客席をキラキラと照らしていて、ほんの数十分前に感傷にひたっていた劇中曲に合わせて手拍子をしていて何がおこっているのだ…と思いました。アレンジされているとは言えあんなにロマンチックに聴いていた曲に合わせて手拍子しているのが不思議でおもしろかったです。

ポー、原作が暗いからレビューはないと思っていたのですがほんの少しだけあって、このテンションでもやるのか!というトンチキ具合がおもしろくて笑ってしまいました。

たぶんテニミュに連れて行った友人達も最後のカテコ曲で突然コーレスをやらされていた時にこんな気分だったのでしょうね。

 

初・宝塚、とても楽しかったです。ポーという超希少チケットを当てて連れて行ってくれた友達に感謝。ありがとうございました。

 

 

 

 

ミュージカル「刀剣乱舞」~結びの響き、始まりの音~

日本青年館ホール

 

ネタバレ配慮なしです。初期刀が陸奥守なので感想が陸奥寄りです。

 

天狼傳のその後として函館戦争を描いていたので、天狼傳好きな人は堪えただろうなと思いました。 というか兼さん好きの人達、情緒めちゃくちゃにならない??なりますよね。

長曽祢さんは蜂須賀が止めなければ首をはねただろうし、安定は見届けることを耐えたけど、兼さんは決意は本物だったけれどやはりできなくて泣き崩れてしまうのが和泉守兼定の魅力でもあると思います。泣いてる兼さんを抱きしめる土方さんという絵面になんてもんを見せてくるんだ…と思いました。

有澤くんの泣いている芝居がよかったです。つはもので小狐丸の出世に喜んでいましたが天狼傳からの兼さんの大出世っぷりに驚きました。もっといずむつでバンバン喧嘩すると思ったらむっちゃんが達観しすぎてて衝突にすらならなかったですね。スルースキルが高い。

あとどこが変わったか具体的にはわからないんですが、兼さんのウイッグがめちゃめちゃめちゃキレイになってました!すげーキレイにまとまっているけれど毛量もしっかりしていて、それなのに殺陣後も乱れない。めちゃめちゃ後姿が美しい。

 

陸奥はいきなり龍馬暗殺から始まるけれど、全く気にする様子もなくて前の主の死について聞かれても「忘れた」と言って終わらせてしまうほど執着がなくてあっけらかんとした姿に「あぁ今回むつは主人公ではないんだな。主役になるには彼には執着も葛藤もなくてドラマがなさすぎる」とセットの高いところに立っているむつをぼんやりと観てました。まあ、むつはむつで全く葛藤がなかったわけではないだろうし、この性格だと語るタイプではないから表に出さないだけかもしれません。

あと今の刀ミュの流れだと、以前の作品では出番は少なったけど次作でクローズアップされる流れがあるので、田村くんの成長しだいではまたむつのお話を書いてもらえるかもしれません。今回の有澤くんの演技に前にはなかった繊細さを見た気がするので。

 

ところで、「史上例を見ない展開」というのが始まる前から気になっていたのですが、みなさんはどの辺りが史上初の展開だと思いましたか?わたしは時代遡行軍にもキャラクター性を出したところだと思います。

 

物語をもたない巴と今なお色濃く語り継がれる新撰組の刀と相対性を出していくのかなと思っていたので、巴ちゃんと時代遡行軍のやりとりはまた一つ伏線をはっていくようでおもしろいなと思いました。回収されなくても意味深な雰囲気が好きです。

巴ちゃんの殺陣、戦うというより舞ってるように見えて綺麗でした。

 

つはものでも今剣が旅に出ましたが、主と本当の意味で向き合ったものから旅立っていくのが修行に大きな意味を与えるなぁ~と感じました。天狼傳と始まりの響で前の主と対峙した者のみ出立していく姿がたまらんもんがありました。

むつ~!!!うちの本丸で初の打刀極は初期刀のお前って決めてるんだからな!!待ってるぞ!!!

 

2部のライブですが、むつが文字通り飛んだり跳ねたりで元気一杯、陽のオーラがすさまじくて、仕切る訳ではないがいつのまにかクラスをまとめているタイプの高校生に見えました。同じクラスだったら朝のあいさつはするけど(というかむっちゃんが「おはようさ~ん」とか言いながらクラスに入ってきたら全員がおはよー!と返す)それ以上の関係には絶対になれないクラスメイトだ…と思いました。陽のオーラがすごい。

 

衣装の丈が一番長い巴が一番ターンの多い振付なのでくるくる回る度に裾が円を描いてはためいて、永遠に観ていたかったです。

巴ちゃんの衣装を見ながら改めて、つわものの「BE IN SIGHT」で全員ロング丈にしてくれたのは神だなと感じました。しかもそれぞれの担当カラーのグラデーション。いやあの衣装、本当に最高でした。また見たい。

 

それぞれの新曲の印象は

堀川ソロ…しょごさんのために書かれたバラード

巴ちゃんと兼さん…スタイル抜群歌うまコンビのジャズ

長曽祢さん、安定、陸奥…蛍光カラーのライトセイバーを持ってタップダンス

です。いやあの三人組の演出なんだったんだろう。他の2曲はなんとなくメロディーが聴こえてたのですが三人の曲だけライトセイバーに目を奪われて何も覚えていないです。

「獣」はサイコーーーーーーーにあがるのが今回で証明されました。マジで楽しい。

人間キャストにも一曲出番を出したのが驚きでした。

 

客降りで2階担当が陸奥と巴で、「あー2階席行っちゃったな~」と見上げていたら上から陸奥が「バン!」してくれて嬉しかったです。他の人のうちわかそのブロックごとのファンサだと思いますが、ずっと「よぉ狙ってバン!」のファンサが見たかったので

  

 

ほかには初めて寄席を観に行ったりしました。

落語の他にも漫才や漫談、ジャグリング、紙切と色々楽しめました。80代の落語家さんが噺家に定年はないからと言っていたのと、その日の落語家の一人が数ある娯楽の中から寄席に足を運んでくださりありがとうございます、という言葉が印象的でした。あと休憩中に喜久蔵ラーメンの販売が始まり(木久扇、木久蔵親子が出演していたので)お弟子さんが「完売するまで幕は上がりません!」と言っていたのも印象的でした。休憩内の10分で完売しました。

 

2018年1,2月の観劇

月一でその月の観た舞台の感想をまとめようと思っていたのですが、1月からすでにできませんでした。

 

でも1月はテニス以外は刀ミュのライブビュ行っただけなので、特に記載することはないです。強いて言うなら、3か月ぶりに観た刀ミュなのにみんな安定したままでもう俳優として初日から魅せられるレベルにまで成長したんだなぁとしみじみ思いました。

それでもまりおの三日月の厭世感はすごかったです。

 

 

2月はテニス以外に「マタハリ」と「猫と犬の約束の燈」を観に行きました。

 

マタハリ

ラドゥーが加藤さん、アルマンが東さん、ピエールが西川さんのキャストでした。

東さんのアルマンは若さの勢いと初々しさあって、存在自体がまぶしかったです。若いのにアンニュイな顔と低いけれど優しい声であの高身長なのでフレッシュ感と色気は共存できるんだなと感嘆しました。東さんのラブシーンらしいラブシーンを初めて観たので、もうこんな演技もできるようになったのか…と成長を感じました。

加藤さんがラドゥーとアルマンの二役をしていたのですが、二人で一つの役をやるWキャストじゃなくてまったく正反対の役を一人でやるWキャストは珍しいですし、一回しか行かなかったけれど、今日はラドゥーだった加藤さんがあの好青年アルマンになるのがものすごく気になりました。

曲がロックテイストでこのテンションを体内から押し出されるように上げられてしまう感じどこかで聴いたぞと思い確認したらワイルド・ホーンだったのでようやくワイルド・ホーンの曲調を覚えました。

マタハリの処刑で幕は下りるのですが、ラドゥーはマタハリを国に売るしアルマンは裁判に出てきて守ろうとしたのはわかるけどそこで死んでしまうし、最後まで寄り添ってマタハリに「(客席は)満員御礼よ!」と返してくれるのは親友で衣装係のアンナだけなので女の友情は最高、という感情で終わりました。

 

 

「猫と犬の約束の燈」(再演)

二葉の兄の方がいるので行きました。(直球)

ハートフルファンシーコメディーかなと思ってみていたら、人情味と泥臭い人間関係があり「先に死なない」というよくある約束を守ってくれなかったと泣く社長夫人に心打たれて泣いてしまいました。

舞台上では劇的な死ばかりを観続けていたので、平凡な人間の平凡な葬式でも周りの人間をこんなにもかき乱すのだから死は平等なのだなと思いました。ことの大小はあるけれど。

予想外に泣いたな~と思いながら客席を出たら勇さんが物販にいたので、泣き終わったあとでしたが勢いでそのまま物販に向かってました。そのまま感想伝えられるのが小劇場の良さだけど、見栄張って多めに買ってしまうのが良くない点だと思います。自分でセーブすればいい話ですが。

 

 

舞台ではないですが、比嘉千秋楽の3日後にあったハニカムさん主催の対バンでツイパラのライブを観に行って舞台とはまた違ったかっこよさに惚れ直したりしていました。このライブで初めて地下ドルを観たのですが、みんなパフォーマンスをがんばっていて、オタクも楽しそうで地下ドルとそのオタクたちから元気をもらえました。

 

3rd比嘉公演~はてなブログに書きとめよう~

サブタイはすでに使われているかと思いますが、青9の卒バラがよかったのでつい。

 

 

青学新曲のハイジャンプ(仮)は9代目らしいキラキラ感が全面に溢れる曲でした。あと菊丸が一人ダイビングボレー?を失敗する振りがS2に繋がってくるので振付による演出が細かいなぁと思いました。

トリオの曲は全国大会のルールを説明してくれるので、初めて観る人たちに説明がはぶけてとても助かりました。

 

手塚と大石の試合に泣くとは思っていなかったので、その時のキャストや演出によって心を揺さぶられるシーンが違ってくるのはミュの良さだと思います。ライトの当たらないところで右手首を抑える大石を見て泣くせーちゃんの菊丸がすごくよかったです。オペラで定点して一緒に泣いてました。松村くんの大石も公演の後半になるにつれて気迫が増していって東京公演の倍は迫力がありました。あの気迫から、手塚ゾーンを発動させた時に安心したような笑顔をみせるのがずるくて、観劇後半はそこが涙腺ポイントでした。あの試合の演出は、菊丸だけ立ち位置を変えなかったり菊丸だけ背を向けていたりして細部まで個々の感情が表されている演出のこだわりに脱帽でした。菊丸の「大石の大ばかやろう」も毎回涙腺にきました。42公演いつも泣き続けたせーちゃんの演技とてもよかったです。「大ばかやろう」も呟く時もあれば怒鳴ることも吐き捨てることもあり、どの言い方もゴールデンペアの菊丸としての辛さがにじみ出ていました。

 

真田の「たるんどる!!!」

から始まる立海の新曲もよかったですね。立海は歌がうまいので王者の風格を存分に漂わせてくれるのが好きです。ミュージカルなので歌唱力がある方が強そうに見えますし、集団のハモリが良いほど全員強く見えますよね。音大卒の友人が歌上手いね、と褒めていたので立海は本当に歌が上手いのだと思います。

ダンスも後半で登場する幸村以外は膝立ちで踊る振りが関東大会の敗北を意味するような振付で、初めて観た日にゾクリとしました。背景を知らないとわからない演出は不親切ではありますが、知っている者が深読みできるのは秘密裡に何かを共有できた興奮がありますね。

 

比嘉のダークホースの新アレンジが重低音ドコドコのダンスナンバーにアレンジされていて、個人的には一番好きな曲調でした。

知念役の雷太くんがダンスがとても上手いということに気付いたのは公演後半になってからで、「マーシャルアーティスト」の時に振りをひとつ増やしていてしかも毎日違うパターンで技を持ちすぎていて凱旋中はこの部分はずっと今日は何かな?と期待して彼だけ見てしまいました。

 

 

「ひとつやり残したこと」は初演からアレンジされることなく今回も残りました。

曲自体がいいのもありますが、曲の魅力を十分に引き出せる要さんの歌が素晴らしかったです。歌うまは前2公演で周知かと思いますが彼は本当に歌に情感と想いを乗せるのが上手いです。六角公演の試合と比べるとラケットの振り抜きが重くなっていて、苦戦しながらもS1に駆ける気持ちが込められ、あごに伝う汗をぬぐう姿がかっこよかったです。佐伯役の要さんは170cm、甲斐役の吉澤くんは184㎝と14㎝の身長差があるのですが全くその差を感じさせないのもよく見せてくれたなぁと惚れ惚れしました。腕をつかむとこは若干振付の工夫もあるけど、それ以外では振りと動きで実際よりもかなり大きく見えていました。あと試合後の声も大袈裟ではなくわずかに語尾を震わせるあたりもわざとらしくない加減ができるのもよいなぁと思いました。この良い加減の演技が二幕のベンチでの演技でも活きてました。

個人的に気になっているどうでもいい話をすると東京・大阪・福岡ではゲームセットの瞬間、バランスを崩すことがあるにも関わらず絶対に手をつかないようにしていたのに名古屋(もしかしたらまだついてなかったかも?)・宮城・凱旋では手をつくようになっていたことが気になりました。ただ安定を重視したのかなーとも思えますが手をつく/つかないで佐伯の敗北があと少しのものだったのか惨敗だったのか印象が変わってくるので少し気になっています。でもまぁあんまり深い意味はなさそうですよね。

 

 大石とダブルスも組めず、六角が卑怯な手を使った比嘉中に負けたことで怒りが沸点に達しそうな菊丸の「幕は切って落とされた」の踊り方がキレキレで迫力がすごかったです。こんな菊丸見たことなかった。そしてせーちゃんがここまでできる子だなんて知らなかった。

この曲からのS3への入りがいつもワクワクさせてくれました。

 

S3はリョーマのソロが凱旋で安定してきていて、もう安心して観られるところまで来たのが嬉しかったです。このあとに続く試合も俄然楽しみになってきました。比嘉ベンチのフェンスから降ろされた知念くんの腕が長すぎて手長足長という妖怪に見えました。

 

D2の不二先輩がすごくきれいでこの公演で定本不二を観ることができなくなってしまうのが惜しいです。定本くんの不二は中性的ながらも男子の部分はしっかり残っているのでビジュアルが一番理想の不二先輩に近く、毎公演、定本不二を観られる幸せを感じていました。最初に好きになったキャラクターで思い入れがあるのかもしれませんが不二先輩に関してはなかなか納得のいくキャスティングになることはないので9代目不二先輩にはしばらく固執しそうです。

あと知念くんににらまれたトリオが泣くのもめちゃんこかわいかった。凱旋でカツオが「ももちゃんせんぱぁ~い!」って泣きつくのおもしろくて知っていても笑ってしまいました。お見送りの時も元気よく「バイバーイ!」って手を振ってくれて紫音のカツオがかわいかったです。

 

D2の試合後、コートに降りてくる佐伯が彼女を待っている彼氏にしか見えなくてリアコの心をざわつかせていたので幕間の休憩中に必ず一緒に入った人に見るように言ってました。

あのフェンスにもたれかかって待って戻ってきた不二先輩の肩を抱くの何!?幼馴染だからって何!?とずっと思っていたのですが、次のS2は佐伯と試合をした甲斐くんと菊丸の試合なので甲斐くんがコートに入ってくるのを見てから佐伯はベンチに戻るんですよね。それに気付いた瞬間、ただ不二先輩とサエさんの組み合わせが好きな人へのサービスではなく、甲斐くんとサエさんの因縁もわずかに浮き彫りにしていた演出でもあったのかなと思いました。

 

S2ですが東京公演はなるべくコートを見ていましたが、それ以降はずっとベンチの佐伯を観ていました。あとコートを観たのはライブビューイング

S2の佐伯の台詞はD2・S1に比べるととても少ないです。(D1は舞台上にいない)けれど感情の動きは一番見えやすく台詞がないゆえに演技の細かさが際立っていて、要さんがいかにしてサエさんの思いをくみ取って表現していくか練りに練ったのか伝わってきました。

 試合が始まってすぐ甲斐くんが「千葉の負け犬側の敵でも取るつもりか」という台詞を言うのですが、菊丸のシングルスを不思議がって腕組みをし考えていた佐伯がこの言葉で腕をほどいて下の方で拳を握りしめていて、強く握られた拳から彼の悔しさがにじみ出ていました。そのあとに左右の動きに強い菊丸が縮地法を抑えたプレイをしていることにすぐに気付き「あれは…」という台詞を言う時にはすぐに拳は解かれていて、気付かれにくい範囲内で佐伯の負の感情を表現している彼の演技のこだわりを感じました。

菊丸がワンポイント先取した時に笑顔でガッツポーズをするが、ふと自分の感情に気付いてしまい左手をみつめてゆっくり手を降ろすのも感情のままに怒ることはない佐伯らしい葛藤に見えました。

甲斐くんが裏手のレフティに持ち替えた時も驚く青学メンバーの中で一人だんだんとうつむいていく佐伯は心を抉られました。ライブビューイングではベンチが映らないことを覚悟していたのですが、このシーンはベンチごと映してくれて真上から当たる照明によりうつむく佐伯の顔にどんどん濃い影が落ちていき表情が全く見えなくなるカメラワークは生中継の枠を超えて映画のワンシーンとして見えました。カメラを通すと劇場よりも舞台が暗く見えるので何回も観たシーンですが初めて観た光景でした。カメラマンさんとスイッチャーさん、ありがとうございました。

バイキングホーンの時はベンチごとはけるので出と入りは同じポーズで戻ってきますが、菊丸の心象風景に入る暗転中にずっと立って応援していた佐伯が下を向いて座りこむのもわかりにくいところで緩急をつけてくるので驚きました。座りこむのはベンチにライトが当たっていない瞬間だけで「一人でダブルス」が始まってベンチにも照明が当たり始める時には二人に見える菊丸に驚いて立ち上がっているので、照明が当たらない時も定点している人にしか見えない範囲で彼は佐伯がどん底に落ち込む姿を見せていました。

バイキングホーンを打った時にフェンス間近にいるトリオが驚いて肩をすくめたり顔を覆ったりするのはわかるのですが、ベンチの奥側にいる佐伯も一度だけ目を背ける瞬間があり、甲斐くんにバイキングホーンを出させる前に負けてしまった現実から目を背けているようにも見えて胸が少しだけ詰まりました。でもそれを他のメンバーに悟られる前に佐伯はすぐコートを向いていました。

試合終了後、コートとは違う方向を向いて座る佐伯もまた印象的でした。

わたし個人の解釈になりますが、佐伯虎次郎という人物は周りに配慮が出来すぎるがゆえに自分の感情は二の次にしがちな人だと思っています。それでも彼にも負の感情はあるし怒りや憎しみを抱くことはあります。でもその感情を人前に出すことを良しとしないので、要さんがベンチで表現したほんのわずか瞬間に見せる負の感情が今回自分の中のイメージと合致して嬉しかったです。見ていて楽しいものではないですが、佐伯の感情のわだかまりを台詞なしで演じきった要さんにとても感謝しています。辛かったけど定点はとても楽しかったです。

2ndの比嘉は一度しか見ておらず、1stも映像が生きていたころに一度見たきりなので比較ができないので失礼を承知であげますが、ここまでベンチワークを一人で構想した要さんはすごい。贔屓はありますが。

試合序盤ではキレッキレだった菊丸が、一人でダブルスという答えにたどり着いた時のキラキラした笑顔のせーちゃんはまぶしくて黄色のライトが一番似合うなぁと思いましたし、甲斐くん役の吉澤くんが鼻にかかった甘い声で歌うバイキングホーンがたまらくかわいくもセクシーだし、立海タイタニックもめちゃくちゃウケました。

 

D1の比嘉戦と立海の全国初戦が入れ替わる演出はスピーディーで見ていて気持ちいいものがありました。関東決勝をフラッシュバックできるのもシンプルな舞台セットのおかげかと思います。負けたときに顔を覆って仰向けに倒れる不知火くんがかわいかった。

 

木手くんの新曲はじわじわくるおもしろさがあって、特に謎の荒ぶるタカのポーズみたいなのがみんな真面目に踊るのでシュールでした。あのポーズの時に青学ベンチではたまに桃城が海堂にあのポーズをとらせようとちょっかい出して喧嘩になり佐伯がとめて、タカさんと大石が謝る流れがありました。

宇野さんの手塚はこれが最初で最後の試合でしたが、気迫と貫禄で舞台上では初試合とは思えない迫力で成長過程を見ずにいきなりここまでの手塚を出せる宇野さんはすごい人だったんだなと思いました。真田にたわけと言われてしまう。

 ライブビューイングで大写しになった宇野さんの手塚がとても凛々しかったです。

 

 

カーテンコール曲が「We are allways together」なのも2ndから来始めたので、懐かしくも嬉しくも感慨深くもありました。

毎公演、ひとりでコーレスをしてくれた佐伯が千秋楽で「コートで会おう」を選んでくれたのは嬉しかったです。テニスの王子様の名にふさわしい歌詞でもあるこの言葉を

選ぶところセンスがありますよね。毎回六角メンバーや六角形にバリエーションをつけていたりして42公演やりきったと思います。シリアスな演技もよかったけれど笑いに貪欲な本人の気質がコーレスで発揮されいました。何度入ってもコーレスを楽しめる上に入れば入るほどサエさんとコーレスできるのが楽しかったです。

 

 

そしてブログタイトルのサブタイにもしましたが、卒業バラードの歌詞がメタとエモの境を交えていて9代目らしいいい曲を書き下ろしてくれたと思います。

思いつめた素顔は見ることはないのだろうけれど、キラキラと輝くはじけそうな笑顔の9代目はいつまでも覚えていると思います。

始めはぼんやりとした輪郭で性格もつかめていなかったけれど、公演を重ねるごとに9代目が好きになっていって、今では卒業が素直に悲しいほどに好きな代になりました。もっと彼らの青学を観ていたかったです。9代目と同じ舞台に立ち続けてくれたサエさんもありがとう。要さんがサエさんで本当によかったですし、この一年観劇し続けて本当に楽しかったので、本人も楽しい一年だったと言ってくれたのが何より嬉しかったです。

ハードルは別れても生きてる途中でコートで会えるのを心待ちにしています。

 

 

比嘉公演は佐伯の出番が最後になる上にソロもあるので、いろんな人に一目、彼の佐伯を観て欲しくて、一人で観に行くことの多い自分が珍しく人を誘いました。

そのおかげで地方公演の思い出もたくさんできましたし、久しぶりに会えた人たちと好きなものの話をたくさんできてて幸せな約3か月間でした。推しを観て欲しいというわがままに付き合ってくれた方達、本当にありがとうございます。忘れてしまうかもしれないけれど、何人かの人生にテニミュを潜り込ませられたことに満足しています。

 

3rd比嘉公演は自分にとって特別なものにできたので、年をとってもたまに思い出話として何度も何度も話せたらいいなと思います。

 

推しへのお手紙に関する30の質問

 いつか手紙について語りたいと思っていたので、懐かしの質問系をお借りして自分語りをします。

 

 

kwisnmkt.hatenablog.com

 

こちらをお借りしました。ありがとうございます。

最推しと二推しの話が混ざっています。

 

 

1.初めて渡した手紙を覚えていますか?

はい。

何人かに手紙を出していますが、初めて出すまでが長いので初めて舞台を観た時から手紙を出す今現在までの心境の変化や思い出を書くのでどの方も初めて渡した手紙が一番長くなるのでよく覚えています。


2.封筒、便箋にこだわりはありますか?

特にないです。文具屋や雑貨屋でかわいいな、素敵だなって思ったものを出します。

強いていうならテニミュの時は学校カラーの封筒で出すくらい。


3.便箋何枚くらいの手紙を書きますか?

初めての時は5~10枚になります。

普段は3~5枚。イベント時とかこれだけ伝えたい!というのは2枚。


4.手紙を渡す頻度はどれくらいですか?

個人的な舞台の初日と個人的な舞台の楽日。

推しの仕事の頻度によりけりです。


5.マチソワ間での手紙は書いたことがありますか?

ないです。たぶん無理。


6.下書きを作成しますか?

はい。下書きしないと出せないです。


7.下書きをする場合はどのような形式ですか?

アナログ手帳の後ろにあるメモスペースに手書きしていきます。なので手帳を選ぶときには後ろに10ページは空白かノートのようなメモがあるものを選びます。

未だにアナログな理由としては、ブロック丸々順序を入れ替えたり数行書いて斜め線で消したけど文章を変えてまた入れなおしたりするので、アナログの方が早かったり楽だったりするからです。


8.下書きまたは手紙の文章を考えるタイミングはありますか?

手紙を出す日の一週間前あたりから考えだします。3日前後かけて下書きを書きます。


9.下書きまたは本書きの履歴は残っていますか?

下書きは過去の手帳を取ってあるので残ってます。本書きで少し変えるところもあるけど、そのまま出してしまうので本書きはないです。


10.便箋に文字を書くタイミングは決まっていますか?

手紙を出す日の2日前か前日か当日の早朝。


11.手紙を書きながら予定していたことより文章が増えることはありますか?

下書きと少しだけ変えたりするとあります。だいたい5行くらい増えます。


12.時節の句や締めの句など手紙の様式に沿った書き方を心がけたりしますか?

時節の句はないです。締めの句はお体に気をつけてください系を書きます。


13.書かないように気を付けていることはありますか?

ネガティブなこと。本人に伝えてもどうしようもないこと。自分のプライベートすぎること。

自分のことはあまり書かないようにしているのですが、転職できたときはあなたの仕事を見て元気づけられて転職したよ~就活中に芝居見て励まされたよ~これからも舞台に通うために一生懸命働きます!といった感じであなたの仕事が生活の糧になってるんだよ!ということを伝えたくて書きました。


14.これは必ず書いているということはありますか?

締めに「ここまで読んでくださりありがとう」「ご自愛ください」「次の舞台楽しみにしてますor千秋楽までがんばってください」とかを書いてます。


15.宛名に「~~へ」や「Dear」、「To」などは書いていますか?

〇〇〇様もしくは〇〇〇さま です。


16.手紙本文の書き出しで名乗りますか?

ないです。

確かに名乗った方が誰だかわかるからいいのかもしれませんね…。いつもいきなり開演おめでとうございます!から入っているので有象無象が突然語りだしている感じがありますね。

まぁ、これからも名乗らないと思いますが…。


17.手紙本文の書き方は敬語ですか?

敬語です。とはいえ正しい日本語を使えていないので、ですます調なだけです。


18.手紙の中に推しの名前はどれくらいの頻度で出てきますか?

推しの演技や演じている役、パフォーマンスについて書いているときは下手すれば主語が全部推しの名前です。

たぶん必ず一回は名前が入っていると思います。


19.手紙の中に好きという単語はどれくらいの頻度で出てきますか?

推しの演技やパフォーマンスについて書いているときは5行に一回は「好き」って書いている気がします。この場面のこの演じ方がこうだから好きです、等。

顔も見えないし認知もされていないので、一方通行に好き好き書きまくってます。無責任で手放しの「好き」です。


20.手紙の中に必ず入れてしまう自身の癖のような文章はありますか?

一文が長い!

読みづらくなるのはわかっているのですが、一文で接続詞を二度三度使いながら~で、~だからとか延々と話を続けるので3行いったら強制的に句点を打ちます。過去ブログ、めっちゃくどくどしてますよね。あんな感じです。


21.便箋にページ番号は振っていますか?

はい。【1/4】といった感じで。今回は3枚だよ!今回は4枚だよ!

5枚超えたら冒頭で長いから時間あるときに読んでください宣言をします。


22.本文最後に自分の名前以外に書いていることはありますか?

出した日の日付。


23.最推し以外に手紙を書くことはありますか?

はい。原作が好きでその中でも特に好きなキャラクターを理想以上に演じてくれたりすると興奮してお礼の手紙を出したりします。あとらぶフェスが2年連続行われているので年末に小狐丸の人に今年のお礼の手紙を書いています。


24.最推し以外への手紙の頻度はどれくらいですか?

上記の通り一年に一、二回。


25.下書きを読み返すことはありますか?

たまに思い出に浸りたいときに見ます。アルバム感覚。


26.読み返した下書きについて手紙や別の形で推しに報告することはありますか?

ないです。


27.手紙を書いている上で自身が変わったなと思うことはありますか?

舞台を観ながら手紙の構成を考えるようになりました。これ書こうとか、ここの演技褒めちぎりたい、なんて表現しようとか。語彙はないので結局最高!よかった!演技力すごい!で終わります。

一回だけしか入れなかったりすると、この一回で手紙を書くためには五感フル活用して思ったこと、感じたことを忘れないうちにメモしておかなければ…ということばかり考えてしまって、手紙を書くために観劇してるのか?違うだろ?舞台を楽しめや。という気持ちになってしまいます。でもせっかく観劇したらその時思ったこととか出席確認とかしたいじゃないですか…。そしてせっかく手紙出すならきちんとした感想文を送りたいじゃないですか…。そしたらやはり手紙に何を書くか考えながら観ちゃうじゃないですか…。これが今、他の人はどうなのか気になっていることです。


28.手紙について推しから言及されたことはありますか?

ないです。受け取りました、報告やいつもありがとうございます、お礼はしてくれるので読んでなくても手元に届けばいいやと思っています。


29.手紙に書けないけど伝えたい想いはありますか?

お前の演技はこんなにも素晴らしいんだよ!ということを言語化できていないので、書きながらもっといい表現があるはずなのに出てこない!悔しい!と歯がゆくなっています。伝えたいことは伝えているけど、20%も伝わっていないと思います。


30.自分の手紙と推しについて語りたいことをどうぞ

 手紙ってなんでこんなに書くのが楽しいんでしょうね!本当楽しいです!

たぶん下書きから本書きして封をするまで推しのことを考えていられるから楽しいんだと思います。お前は最高!これからも推す!こんなに魅力的だからもっと売れてほしい!

観劇中に高まった思い出が手紙を書きながら思い起こされるので、一瞬の思い出を何度も何度も反芻して、一瞬の感情や感覚を何度も何度自分の中で繰り返して、わずかな時間の高揚感を味わえるから手紙を書くのが好きなんだと思います。

あと書いてるときは延々と推しのこと考えていられるのがいいですよね。すべてを忘れて推しのことだけを考えていい時間。最高じゃないですか。

認知もされていないので、顔がわからないし誰だか判別もついていないので好き好き言いまくれてベタ褒めしても恥ずかしくないのが気楽でいいです。

無責任な「好き」。これがちょうどいいし、今のところ身の丈にあっている気がします。

読んでいなくてもいい。むしろ読んでいたら、こんなくどい文章で褒めちぎっているから白々しく見えていそうで怖いので読んでなくていいです。

何も期待していないし、流し読みでなんかめっちゃ褒めてくれるじゃん、よかった。くらいに思ってくれれば満足です。最推しも二推しも本当にいい仕事してくれるし、たまに出す方たちも本当にいい仕事をしているから手紙を出したくなる。あなたの仕事は素晴らしいですよ!ということを伝えたいだけなので、手紙を読むと元気が出ますと言ってくれれば十分すぎる返答です。貴重なプライベートの時間を当ててくれているのでむしろそれにまた感謝したい。

つい最近、出した手紙がおそろしく的外れなことを書いてしまい観劇中にプレボから回収して書き直してぇ~となったり、公演が無事を終わることを伝えたかっただけなのにちょっとしたハプニングが起こってしまい余計なことを書いてしまったな…と反省したりしましたが、今後に活かしていきたいと思います。

 たまに手紙を書くために複数公演入っているな…と思ってしまうのが心苦しい時もあるけれど、やっぱり手紙を書くのは楽しい!

 

 偉そうなこと書いていますが、ブログからわかるように文章がはちゃめちゃなので知能の低い手紙ばかり書いています。だから余計に誰だかわからない方がいいなと思います。

 

 人それぞれだとは思うけど、手紙を出すのはとても楽しいよ!

 

 

『ゆく年く・る年冬の陣 師走明治座時代劇祭』東京公演

年末に明治座で行われた「ゆく年く・る年冬の陣 師走明治座時代劇祭 全力疾走!あんまりやりすぎるとつかまえちゃうよ!」略して「る年祭」を観てきました。

楽しかった!とても楽しかった!1回目で消化しきれなかったのが2,3回目で理解してからは楽しさ急上昇で東京楽後は特典でもらえたユニットCDをエンドレスリピートしています。

12/30・31を観劇したので日替わり等はその日のみになります。

いつものことだけど、長い記事になります。あとメモを兼ねているのでおもしろかった日替わりを記録しているので読みにくいです。ネタバレ配慮なしです。

 

 

ツイートもしていましたが、観ていない人には何も伝わらない感想だったので簡単に紹介すると

 

第一部 お芝居「SANADAMA・る」
伊達主従目線で真田一族と大坂の陣を描く、笑いあり、涙あり、歌あり、踊りありのエンターテインメント時代劇

第二部 ショー「プロデュース1615」
戦国武将たちで結成されたアイドルユニットによるLIVE

 

です。※公式HPより

 

今年のW座長は辻本さん(辻はいってんしんにょう)が伊達政宗を安西さんが片倉重長を演じております。制作会社る・ひまわり(以下るひま)お馴染みのキャストから今作が初出演の若手俳優まで27名のキャストが協力し作品を作り上げつつ、互いの個性と強みを発揮していて全員が魅力的でした。

 


『ゆく年く・る年冬の陣 師走明治座時代劇祭』公開ゲネプロ | エンタステ

 

 

ところどころよくわからない映像がありますが、とりあえず貼っておきます。あとでゲネプロ映像参照とあったらこちらを見てください。

あと歌多いですが、あくまでも時代劇です。一応。

 

 

幕が上がると恒例の本編とは1mmも関係ないメインビジュアルの体操服でキャストが並んでいます。

注意事項並びに舞台装置の説明をしてくれます。花道の説明を大山真志(5歳児のしゃべり方)が、舞台中央にある盆の説明を佐奈ちゃん(ハーフパンツをブルマ並みにまくり上げていて説明後太ももをチラ見せして戻っていく。東京楽では両太ももをチラ見せした)がしてくれます。

今回、る・ミカというペンライトが数量限定で発売されており、その説明を佐藤さん(以下さと兄)と宮下さん担当。照明さんのスイッチャーと繋がっていて色が自動で変わるペンラで、説明中に次々と色が変わる客席はきれいでした。ライブではない一部も「星がきれいだ」という言葉を合図にペンラを振っていい演出になっており、2階席から見ていると二部司会の三上さんの言う通り、チェルシーフラワーショーのようにきれいでした。

座長のあいさつを合図にみんなはしゃぎながらはけます。W座長は着替えがあるので猛ダッシュですが登場まで余裕のある人はギリギリまでなんかやってたと思います。猛ダッシュする座長しか見てなかったからわからないけど。

 

 

事は方広寺鐘銘事件から始まります。31日昼の時に「国家安康」の布が上手く落ちてこなくて少し焦る真田信之役の内藤さん。

 家康役は滝口さんなのですが、台詞や口調が破天荒キャラをやっているトーク中の滝口さんのまんまでした。その軽い口調が大御所さまとして実権を握っている余裕と闇を感じて、口先では仲良くやっているようで机の下で蹴りあっているビジネスの世界が見えました。「国家安康」のいちゃもんがリアル。

天海役の加藤さんがアドリブでファッションチェックや、小顔マッサージや占いをするのですが考えながらしゃべっているのでとまどってる反応がリアルでした。31日のどっちか忘れたけど占いで半蔵(二瓶さん)に「パチンコ玉を10個飲み込んで6個お尻から出します。そして1個出す度に1個飲み込んでおなかに常にパチンコ玉4個をいれておくと運気が上がります」と言い出したのが意味わからなすぎて腹抱えて笑ってました。二部のユニット、マンカブ(兜の擬人化)の「君を守りたい~但し頭の部分だけに限る~」とマーライオンZの「口から水」の作詞は加藤さんが書いていて、このリリックはこのセンスからくるのか…と感心しました。

 

 徳川と豊臣家臣の木村重成(杉江さん)がもめているところに、空気を読まず登場する片倉重長

座長の登場は花道からなのですが、重長は主役に似つかわしくない軽さでひょこひょこ小走りで登場し、家康に家康様はいますか?と尋ねてしまう主人公らしくない振る舞い。対する政宗は白装束で重長に呼ばれ、歩きながら名乗り主役らしく見栄を切る。

 今回のW座長は同じ軍でありながらも、対比が描かれていたのは政宗の藩主としての有能さと重長の空回りする野心が上手く演出されていたからだと思います。

作品の見どころとして事前のインタビューでは「上司と部下の話」と言っていましたが、まさに政宗というゴマすりが上手い世渡り上手な上司と志だけは高くいずれ天下を取る上司がこびへつらうのを嫌がる新入社員の関係でした。実際会ったことはないけど大手にこういう新卒いそうじゃないですか。まだ実績がないのに営業で頭下げるのを嫌がる新卒。なので重長はおおよそ主人公らしくない主人公でした。

そんな重長を自身の持っている引き出し全てを出して幅のある演技を見せてくれるのが安西さんの技量のすごさだと思います。

辻本さんの政宗も某ゲームとは違う、豊臣と徳川の天下取りの時代に上手く立ち回るために道化にもなりきる食えない人物で70歳まで生きるのが見える政宗公でした。辻本さんの柔和な笑顔で流されたらそれ以上はつっこめない。

 

 方広寺の件も遅れてきた詫びに白装束で登場し切腹すると見せかけ、金を配り、家康の事件収集の条件を豊臣側へ伝えることで解散となります。この時重長は、土下座をしている政宗に背を向けて見もしません。

この場面では滝口さんのネクストブレイク俳優いじりと本多親子による重長の陰口日替わりがありました。

滝「今日、俺の親が観に来てんだよ!」

滝「昼に親の前で売れないイジリされて親が落ち込んでるんじゃないか心配して妹に聞いてみたら『お母さん、結構ウケてたよ』って言われたんだよ!」

 

 原田・井深「あの人、オダギリジョーに似てると思ってるらしいわよ。目細めたらほとんど研ナオコのくせにね~。なまたまご~」

安西返し、忘れた。

※安西さんは「アリスの棘」というドラマでオダギリジョーの役の青年期を演じていました。近いっちゃ近い。

 

原田・井深「あの人、マネージャーに一日一回人間否定されてるらしいわよ。やりがいがないって言われてるらしいわよ。ほぼ滝口~」

安西返し「俺はスペースクラフトで役者人生を賭けてるんだ」

※スペースクラフト=所属事務所。大山真志も同事務所。幸村に好きなタイプの芸能人は?と聞かれた時に答えた「栗山千明」もスぺクラ所属。

 

 あとここで突然、みんなで踊り出す安室奈美恵(?)の曲がまだわかっていないので知っている方、コメントで教えてください。

 

家康に対抗したい伊達は真田幸村が幽閉されている九度山に重長を送ります。ここでやっと名誉ある任務を任された重長はさっきまで「辞めてやるよ!」と騒いでいたのに、すごい勢いではりきります。ここのはりきり具合が毎度変ではりきっているというより挙動不審に近かった。

30日に片倉小十郎を演じる兼﨑さんに「父上ぇ!大事な書状を破ったね!」とアドリブを入れてました。

重長は期待されていると思っていますが、政宗としては幸村に会せることで重長の成長を図っているよくできた上司です。できる上司は手取り足取り教えるだけではなく、成長できる環境を用意する。自主的にがんばっていると思っていたら上司の支えありきだった覚えがあるのでちょっと恥ずかしくなりました。

 

 

九度山に来た重長が見たのは上杉景勝直江兼次によるブートキャンプをしている真田十勇士(現時点では9名)たち。ブートキャンプまじで5分くらいやっているので、初登場からハードに動いたあと芝居続ける真田軍の体力すげえと思いました。特に三好兄弟(さと兄、宮下さん)辺り。年齢的に。ゲネプロ動画にもありますがマジでラストの腹筋はきついですよね。

 

ブートキャンプ後に毒舌すぎて筆談で話す直江が景勝の許しが出た瞬間キレだすくだりで高速ブートキャンプの動きをする陣くんの機敏さがやばかったです。衣装がノースリブなんですが腕の筋肉がゴリゴリで、る塾の時にスーツがパツパツなことは嶺さんに指摘されていたけどよくスーツ入ったな、というくらい太かったです。

直江にビビって端の方でおしっこを漏らしている兄者(宮下)がおもしろかったです。

真田軍は人数も多く、さと兄と宮下さん、中村さんという常連飛び道具がいるので日替わりアドリブが多い。そして長いです。

 

 

 

突然、客席に向かってしゃべりだす才蔵(碕)に対して小助(中村)がキレるやりとりがあってこの時、佐助(小沼・2nd全立跡部)、六郎(田中・8代目乾)、十蔵(滝川・8代目河村)が詰め寄ったり、小助に指差されてたりで内輪ネタだけどウケました。

ちなみに幸村役の佐奈ちゃんも8代目海堂なので真田十勇士は半分がラケット振っていたし、W座長もラケット振ってたしたぶん10人くらいはラケット振ってた人いました。

 

隠密のはずがあっさりみつかり、捕らえられそうになる重長ですが幸村に「おかえりなさい」と言われただけで、今まで臨戦態勢だった十勇士からおかえりと仲間に入れてもらえるのが幸村信者すぎて気持ち悪かったです。佐奈さんの落ち着いた声とカリスマ性のある佇まいが説得力があり、あの瞬間だけは気味が悪かったです。

 

 

 

潜入捜査で九度山に着いた重長が十勇士にみつかり、一悶着ありながらも仲間に入れてもらえるのですが、そのくだりの日替わりもまあ長いです。

るひまあるある、キャストの私物を舞台上に持ってくる。がここで披露されました。初めてるひまさんの作品で見た時に若干引いたんですが、毎度やっているとバラエティの脚本として読めるようになりました。

 

 中村さんが持ち出した政宗の家の鍵と見せかけて、客席に投げたのは実はさと兄の鍵だったり

(鍵を拾った客に対して)

さ「お前を出待ちしてやる!」

さ「部屋の番号は1-----号室だ!」

さ「今日から同棲決定だ!」

 

 「鍵を返してくれたあなたにはこのゴールドカードをプレゼント」と言って客にさと兄の免許証を渡してたり

中「東京都----区…」

さ「やめろ!免許証もそんなに見るな!」

 

初出演、涼星くん洗礼を受ける。

 

さと兄の財布から持ってきた一万円を上げたら、やるよお年玉だよ。とあげようとしたので若干焦った中村さん「あれは宮下のだ」

 

と、内輪的な日替わりが繰り広げられるのですが、夏の陣で死んでしまうことを念頭において愛着を持たないようにしていました。わかっていてもおもしろいから愛着わいちゃうんですけどね。

 

 最初の目的では伊達藩とは何も関係がないことを確かめるために持ってきた政宗くん人形(辻本さんが人形として運ばれてきただけ)でしたが、最終的に佐奈ちゃんが辻本さんも煽るだけになってました。ここで先輩を煽れる度胸がすごい。

「わたしにあって、あなたにないもの。それは若さです」

東京楽のみ「あなたは丑年。わたしも丑年。この意味がわかりますか」になっていてこちらも恐怖を感じた。むしろ辻本さんの若々しさがすごい。

 

 

重長が真田軍に潜入しているころ、政宗は豊臣に家康からの条件を伝えに行きます。

ここで淀殿と秀頼が初登場です。

淀の方は紫吹さん。一言、台詞を言うだけでも凛とした声が劇場に響いてトップスターのオーラがすごかったです。

秀頼は永田くん。初るひまで初めて観たのですが、いい芝居しますね!ゲネプロ動画の通り、権力に頼る傍若無人ぶりがいい味を出してました。今回、彼を知れたことがかなりの収穫です。軽薄は喋り方をするけれど、イラついている時に放つ言葉の冷たさがよかったです。

 

 

根津甚八と新しい名前も気に入り、すっかり真田十勇士になじんできた重長。

満月祭を盛り上げるために尾崎豊の「僕が僕であるために」を歌います。この時、座長の若手俳優としてあるまじきレベルで変顔をしながら歌います。推しが白目向きながら歌っている…。

他にも祭を盛り上げるために、日替わりで一発芸をキャストが披露していくのですが一発芸とは関係のない田中くんの「半分、月のおれが行かせてもらう」がツボでした。残り半分はなんなんだ、とつっこまれて「地球人だ」と普通に返すのもツボ。上半身が月で下半身が地球人らしい。

 甚八(重長)が歌ったあとに、小助が「歌の次は踊りだろ!」と言って直江兼次とダンスバトルを始めるのですがこれがかっこいいんですよ!!これで小助に落ちた。

兼次役の青木くんの身体能力とブレイクの腕前は知っていたけど、小助役の中村さんが青木くんと対抗できるほどダンスができる人だとは知らなかったので衝撃を受けてそのまま好きになってしまいました。柄の悪いダンサーが好きなので。

ダンスバトルの後に互いの健闘を称えあってグータッチするのですが、二幕の夏の陣で会った時はこの二人で殺し合う殺陣があります。なので二回目以降はこのダンスバトルを見るたびに「殺し合う運命」というキャッチフレーズがちらつきました。

舞台を見ていない方もお分かりかと思いますが、一幕で真田十勇士はこれでもかというくらい馬鹿みたいにおもしろおかしくにぎやかに騒ぎます。

みんな死ぬから感情移入しないようにしとこ、と思っていてもキャスト陣が全力でおもしろくしてくるので結局愛着が沸いてしまうんですよね。泣かせる計算の内だとわかっていても好きにさせられてしまう。真田十勇士のみなさんが素晴らしくかったです。

満月祭の盛り上がりが最高潮になると、大山真志演じる真田昌幸の亡霊が登場します。花道からでかい羽を背負って全身白の衣装を身にまとった昌幸(ゲネプロ動画参照)というインパクトが強すぎて何がなんだかわからないのですが、この昌幸は大山真志なのでデカい上に歌がめちゃくちゃ上手い。視覚と聴覚のインパクトが強すぎてあっけにとられている内に真田家さいこうの歌が終わって「センキュー!」と言ってはけます。この後も出番はあるけれど昌幸は歌うか亡霊として生者を見つめるだけかで台詞なしです。

客席を代弁するような重長の台詞が日替わりで

「すげー!6分で全部持ってちゃったよ、あのひと!」

「すげー!なんか俺の記憶ではあと20kgぐらい太ってた気がするんだけど!?」

がおもしろくて記憶に残っています。

 

 

 この唐突な昌幸ワンマンショーから一転して、小論文の提出と農作業スタンプ5個を手に入れた重長は幸村と二人きりで話す機会を得ます。

目的は幸村を伊達軍に率いて手を組むように誘うことですが、結果は幸村に「主君のために死ねるか」と問われて迷ったすえにできないと答え武士として否定され面会は終わってしまいます。ここで嘘がつけないのが重長の未熟だけれど自分に正直な性格が好きです。自分の感情をごまかさない性格が後半の成長を後押ししていると思いました。

 

満月祭からの賑やかさから暗転せずに幸村と重長のシーンは場面が変わるので、安西さんは舞台の空間も演技で変えてしまう力を身につけていますよね。いつも間に物にしたのだろう…。

 満月祭のショートコント時にさと兄が「高所恐怖症」を「きょうしょこうふしょう」と素で言い間違えて、松村さんさえも役柄的に笑ってはいけないのに噴き出してしまったシーンも彼は笑ってなかった気がするのでスイッチの切り替えが入ったら入りっぱなしだけど早いんですよね。

 

 

家康の接待ゴルフの場面もあったりで、政宗サイドは交渉や言葉での駆け引きが多くて合戦外の武家同士の権力争いの中でうまく立ち回っている姿がよく描かれています。

 重長からの手紙を成実が読み上げる形で、重長の任務報告が入るのですがここにも日替わりで隣にいる兄者から「最近、漫画とかアニメを原作にした舞台が流行ってるらしいんだけど重長はどんな原作の舞台が観たい?」と聞かれて

クレヨンしんちゃん」(しんのすけは原田優一。21世紀のカメレオン俳優だから)

ボボボーボ・ボーボボ」(ボーボボ木ノ本嶺浩)

ケロロ軍曹」(ケロロは兼ちゃん。よほど気に入ったのかはける時まで「兼ちゃんがさぁ、あの体格で『ケロ~』とか言ってるのおもしろくないwww」と言っていた)

他にも骨の擬人化の話とかもしてました。今回やたら2.5次元舞台に絡んでくるアドリブが多かったです。流行りだしバブルだからかもしてません。

※記憶が薄れ出しているのでこの場面、もっと前だったかもしれません。

 

 

 

そして一幕のクライマックスとして冬の陣が始まります。

出演者総出で歌い出すので、めっちゃミュージカル。ゲネプロ動画の一番最後がそれです。

一人一人がワンフレーズしか歌わないですが、驚き、戸惑い、意気込み、迷いがワンフレーズでわかるのでこの戦いでそれぞれが何を考えているか伝わってくるので人物が多くて関係性が入り組んでいてもここの歌でかなりすっきり理解できました。

 

 

 

休憩時間は30分とたっぷりあるのでトイレも焦らなくていいし、おみやげ屋さんを見るもよし、喫茶や食堂もよし、特典交換するもよし、ガチャするもよし、客席でお弁当を食べるもよし(休憩中は客席飲食可なんです!)、レポするもよしなのでいろいろ楽しいです。今回割と食べた方です。

安西座長が満足した牛タンシチューコロッケ

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辻本座長が取り計らってくれたずんだシェイク

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安西座長プロデュース「なにを食べるかじゃない誰と食べるかだよ御膳」(通称:肉御膳)

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辻本座長プロデュースのお弁当もあったのですが、そちらは予約していなくてすみません。でもこっちの方が盛り付けもおかずの内容もおいしそうだった。

肉御膳もおいしかったですが、いかんせん肉づくしなので…。

 

 

 

二幕開幕です。

 

二幕が開幕すると、冬の陣が終わっていました。

歴史好きの方は周知のとおり、家康軍の大砲に恐れをなした豊臣軍は休戦の申し入れをして自体は収まります。

真田十勇士として潜入していたにも関わらず、真田丸の存在に全く気がつかなかった重長は自嘲気味にふがいなさを笑うのですがこの辺りから己の器量を自覚し始めてきたと思います。二幕の重長はずっと迷っていた気がする。

 

 

大阪城では淀殿と大野がヨガをしながら、冬の陣休戦の理由を話します。この辺りから秀頼の側近である木村に視点が寄せられてきます。

機嫌が悪くなった秀頼は猫狩りに出るのですが、この時の秀頼がまぁわがまま坊ちゃまって感じで、いいキャラしていました。個人的に秀頼はこういうわがままな人物だと待ってました!と思ってしまう。

わざとボウガンを落として政宗に拾ってもらい、その手を踏む時も憎らしくてよかったです。八つ当たりはしているけれど自分の無能も理解してないわけではない物言いも、秀頼もいろいろ辛いんだな…とバックボーンをちらつかせるのでオタクはこういうの好きです。

秀頼の八つ当たりを理解した上で、なんともないようにニコニコ笑いながらボウガンを渡す政宗もこれが彼の処世術なんだなと思わせるような笑顔でした。

 

大阪の陣が休戦となり、真田軍の元に帰ってきた重長。自分のふがいなさを悔やんでいるのか膝を叩きます。…が様子がおかしいです。

「ぺん!ぺん!ぺぇん!ボールペェン、シャーペェン、んん゛ん゛ー!フリクション!!!!!」

一体、演出家にどう言われてこうなったのかわかりません。しかもこの後まったくネタに触れることなく真田十勇士で重い話を始めます。

正解がわからない重長に幸村は「そのためだったら死んでもいいと思えるのが理想」と答えます。その言葉を聞いた十勇士が各々、自分の理想の死に際について喜々として語りだします。みんな死ぬので感情移入をできるだけ減らしたいのですが死に様話に花を咲かせる彼らの笑顔は少年のように輝いていて好きにならずにはいられませんでした。十勇士オールキャラ系が好きな人は絶対好きになると思います。

 

 ※時間が空いてしまい記憶が薄れてきているので、ここからは時系列あやふやで書いていきます。

と、思ったらるーぶろがご丁寧な大量の写真と共にブログを書いてくれたので、ここからはこれを頼りに書きます。

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家康に呼び出された政宗は一幕同様、切腹をする振りをして場を収めようとしますが、いつまでも通じると思うなと腹立った家康に斬りかかられるがあっさりと家康の首元を奪った刀で抑えます。この後、二人でふざけ合うように斬りかかっては除け斬りかかっては除け「危ない危ないwww」と笑いながら走り回る姿が、ウェイな学生の半分本気半分冗談の特有な気持ち悪い空気がすごかったです。お互いの力関係をわかっていながらも平等のように仲の良い友達として絡んでるあの気持ち悪さ。注意すると「ちょっとふざけただけ。何マジになってんの」で逃げるあの気持ち悪さ。よかったです。

政宗たちが去ったあと、本気で政宗が殺しにかかってきていたことを知りながらふざけている振りをしていた家康が独り言のように「たまんねえな」という言い方が上手かったです。

滝口さんの家康はベラベラ軽い口調でしゃべるのに最後を締める一言で空気を変えてしまうのが舞台中、何度もあってすごかったですね。

 

 秀頼の命により小松姫を誘拐し、夏の陣の開戦口実を作ってしまいます。

この時に重長を真田軍に送り込んでいることがバレて、政宗は家康から謹慎を告げられます。

開戦間近となってきたので政宗たちは重長を連れ戻しにきます。変装をして。

 

 

100%そうかもね、をキレキレで踊りながら現れる三人。合いの手はもちろん「まさむねっ!」です。この時の兼ちゃん何度見てもおもしろいです。

 

このふざけた格好のまま、抵抗する重長を説得し、幸村とそれぞれの理想論について話ます。

 政宗のモットーは「図太く長生き」。そして命懸けとは死ぬまでの一日一日を丁寧に生きるということを理想としており、対する幸村は豊臣の臣下として豊臣のために命懸けで天下をとることを理想としています。

正反対の理想論を語る政宗に「理解し合えないのかもしれない」と告げる幸村に対し、「互いの理想を理解し合うことはできました」と答える政宗

伊達正宗は見た目の派手さと数々の逸話から、トリッキーな人物として描かれることが多いですがる年での政宗像は辻本さんの人間性を活かせる人物像として描かれているように思えました。

天下分け目の大戦が行われているこの時代に皆が穏やかに暮らせる世の中を作りたい、そのためには道化も演じるし、笑われるのも構わないと自分の理想とその世界を目指す方法を語る姿は、る年でしか見られない政宗だと思いました。

辻本さんの笑顔は爽やかでお顔がきれいなのですが、何かを抱えている目をしている気がします。

 

さっきまでノリノリで歌っていたとは思えない切り替えの早さなので、トンチキな恰好もまったく気にならない引き込みでした。

るひま常連組のみなさんは切り替えスイッチが早いだけでなく180°変えてくるのが毎度すごいなーと肌で感じます。

 

 

 そんなこんなで小松姫をさらう計画を立てたのは秀頼の側近の木村で、すべては大阪の陣を開戦する口実を作るための自作自演であったことがわかります。

夫の信之様はこのことを知らずに姫を助けに行った豊臣の城内で捕らえられてしまいます。この時、案内をしたのが本多忠勝なのですが、忠勝と信之キャストはレミゼでマリウスを演じていたこともあり、忠勝役の原田さんがここで散々いじり倒してました。

「わたしも君みたいにきれいな役ばかり来ると思っていたのだよ。″新″マリウスくん」

 「いずれ君もわたしの路線だ」(内藤さん笑いをこらえながら)「嫌です」

 

 

 計画が上手くいき、家康から褒美の話をされるとすかざず大阪城が欲しいと答える木村ですが、用なしと切り捨てられます。この時、豊臣に親を殺された恨みを吐露するのですが、なぜかわたしは初日にここでやっと彼が杉江くんであることに気がつきました。何役なのかすっかり忘れていてずっと「木村役の子、かわいいな。控えめだけど目がでかいな」と思っていてここに来てようやくスポットが当たり「杉江くんじゃん!!」と気付きました。

たぶん、彼もまた場数を踏んで役ごとに違う空気をまとうようになったからかもしれません。全然気がつかなかったです。

 

 

木村が 実は家康側についていた直江兼次に殺されそうになる危機一髪のところで上杉景勝が助けにきます。

裏切りの理由を問いただすと「なぜわたしではなく真田幸村に未来を託したのですか」と答える兼次。

景勝と兼次の主従関係が一番、殿と従者らしいやりとりをしていたので裏切った理由が自分以外のものに戦を託したからというのがもうたまりませんね。馬鹿なことを言いますと誰かにとられるくらいならあなたを殺していいですか、ってやつだと解釈しました。よく見ると兼次は前半で口が悪いから目つきも悪くなっているように見えて実は要所で幸村をにらんでいたり、景勝があきらめの言葉を言うと悔しそうな目をしていたりしているようでした。

君主を慕っていたからこそ、真田軍に途中から玉が出なくなる鉄砲を納品するという裏切りをするわけです。そう途中で玉が出なくなる鉄砲です…。

 

夏の陣が始まったまさにその時、重長は上司である政宗にタメ口で戦に連れていけと騒ぎます。

最初に体調の悪そうな小十郎に飛びかかっては避けられて3回くらい受け身で転ぶのですが、東京楽の時は力が入り過ぎたのか腰を打ったらしくしばらく起き上がれなくなってかなりヒヤリとしました。この時アドリブで「あんま無理するとお前が死んじゃうぞ(通常は「おやじが死んじゃうぞ」)」と寝転がりながら台詞を続ける重長に向かって「どんな体制ぃぃぃ!?」と二回も機転を利かせて会場の空気をゆるめてくれた木ノ本さんには感謝です。

 

なんの策もないが戦場に連れていけと言ってきかない重長は主人公としてあるまじき無鉄砲さでしたが、「そんなところで死ぬような男だと思うのか」と言い切る姿は主人公らしかったです。

初めて観た時は重長がW主役の一人にはなかなか見えなくてすっきりしないところがあって、この辺りでようやく主人公としての片鱗が見え始めたのですが、やはり主人公補正がかかっているような強さを感じられなかったので自信があるけれど無計画すぎて「今の重長に何ができるのか?」と疑問を持っていました。

語弊があるとは思いますが、ヒーローの足手まといにしかならないのにやいのやいの言って戦場についてくるヒロインみたいな。いや、ちょっと違うんですけど。それに近い感じ。

でもこの主人公らしいところがあまり見えない重長だからこそ、最後に政宗の呪いを解けるのかもしれません。

大阪城で『重長です!』の旗を振る重長に、政宗があの丘を越えろと伝え、それに対する返事が「あんがとね」でした。31日は「かしこ」。

 

 大阪の陣は最初は優勢だった真田軍ですが、例の細工をされた鉄砲により、一人、また一人と自分の理想とする死に方で倒れていきます。

すっごいわかりやすい泣きポイントだな、と思いながらもほんの数十分前まで笑わせてくれた十勇士の死にゆく様は悲しくてただただ泣くしかなかったです。

一番の見せどころでもある死ぬ演技なので全員全力で一人一人、いい個性を見せながら死んでいくので十勇士たちの表情を見ていたいけど、

丘の向かい側から十勇士たちが倒れていくのを呆然と見ている重長の表情も見ていたいし、目の前で十勇士たちを失っていく幸村の悲痛な顔も見ていたいし、倒れていく彼らに駆け寄ろうとする幸村を必死で止める小助を見ていたかったです。あの場面は良い芝居する人が多すぎて視点が定まらなくて大変でした。泣いて視界も悪いし。

 

 

頼みの真田軍も壊滅し大阪城は焼け落ちている豊臣軍は秀頼を逃がして自害を決意します。この時の紫吹さん、儚さと迫力のどちらも併せ持っていてすごかったです。大野の泣きながらいう「ええんです」も彼の底抜けの人の好さを感じました。相関図の朝顔の謎が解けました。

 

一人、豊臣の生き残りとして逃がされた秀頼の前にボロボロになりながらも戻ってきた木村が現れます。

この二人の喧嘩がすごくいいんですよ。完全にW主演を食う勢いでよかったです。

 秀頼が裏切った木村に対して「本当の兄は父に殺されたから兄だと思ってた!!」とキレて殴り、裏切った木村は「お前らがもっとしっかりしていれば命がけで仕えた!!」とキレて殴る。最終的に頭突き合いながら本音をぶつけあうんですよ。好きだったから憎いし、憎いけれど好きだったように見えました。

木村が秀頼を好きに見えるのは、オタクの事実婉曲ご都合主義かもしれませんが木村を追いかけてきた兼次に秀頼が殺されそうになった瞬間、木村が怪我だらけの体で秀頼をかばって斬られて死ぬんですよ。そう見えても致し方ないと思います。

木村の亡骸に「復讐しろよ!!!」と詰め寄る秀頼も本当にいい演技で、永田くんを初めて拝見したのですがこれは来るな…と確信しました。事前の宣伝とかで見ていた普段の姿から予想以上の気迫がありました。特に東京楽で気持ちの入りようがグワッと上がっていて演技で場を圧倒できる子だな~と思いました。この気持ち、安西くんの演技を見ている時にもまれにあります。

 

秀頼が再び殺されそうになった時に十勇士の一人、小助が現れます。秀頼を守るために兼次と死闘を繰り広げて兼次を撤退させるのですが、みなさん覚えてますか。この二人は一幕の満月祭でダンスバトルをして友情が生まれていたのを。(オタクの妄言です)

この伏線に気付いた時に小助への好きという感情が一段加速しました。この時の殺陣もかっこよかったですし。

軽々と木村を抱きかかえ、安置するし秀頼を安全な場所まで連れていく小助。確か彼の最後はこの場面で明確な生死は描かれませんでしたが、真田家が滅びてしまっても小助には十勇士たちの分も生きて欲しいものです。

 

 

シリアスシーンが続き、その場面転換として真田昌幸(大山真志)と本多忠勝(原田優一)のデュエットが挟まれます。もはやみんな知っていますが歌が上手い。この組み合わせで色々考えている方がいたりしてみんな脳をフルに使っていて偉いなぁと思いました。歌が上手い二人だから歌わせたんでしょ、と思ってました。

 

 

九度山政宗が「次に会った時はあなたを斬らねばならない」と言った通りに再び大阪の陣で会ってしまった幸村と政宗は戦う運命となります。

ストーリーとしてもクライマックスで殺陣としても一番の見せ場です。盆の上に組まれた階段や段のあるセットがそのまま回転する中で殺陣を行います。結構長いし、手数も多い。そんな中、動くセットの上で殺陣を行う。倍の運動量の上に政宗は眼帯をしているので距離感を図るのはすごく難しかったと思います。というか観劇が終わってから片目の殺陣に気付いて辻本さんがものすごく大変なことをやっていたことに気付きました。そら全ての宣伝で殺陣がすごいです、と言いますよね。

しかも途中から止めにはいってくる重長もいるので、限られた空間の上に三つ巴です。

 重長は重長で、二人を止めようとするので殺陣もやっているのですがまた違った動きで刃を交える二人の間に入るので大変だったと思います。よく見たら、切ろうとする政宗の刀を峰打ちに持ち替えさせていたりして二人とも生かそうとした重長らしくてコミカルな動きをしていたのもあり、クライマックスシーンですが少し笑ってしまいました。

 

 峰打ちはなんとか決まり幸村の足止めに成功します。

重長は幸村を仙台へと誘います。自分の理想が見えて重長だからこそ選べた道だな、と思いました。立場的にも性格的にも彼らしい決断でした。

ずっと重長のことを主人公らしくないと思いながら観ていたのですが、この主人公らしさの少ないキャラクターだからこそなんの含みもなく幸村に生きて欲しいという言葉が信じられました。命のやりとりが行われている戦場で生き延びるという提案をできるのはあの場では重長だけだっただろうし、主人公らしくないけどものすごく主人公でした。

 

この場で死ぬことを固く決めていたであろう幸村に一瞬でも生きる道を見せられてよかったと思います。結局、幸村の決意は揺るがなかったけれど死に際に彼が見たものはおそらく兄の信之と真田十勇士のみんなで仙台で九度山ライフのような穏やかな生活だったのではないかと思います。

あ、でも「みんなも連れていきたかった」と言っているので、ちょっと違いますね。妄言でした。

信之もおそらく他の者の手柄にするくらいなら、自分で幸村を止めたいと思い斬ったのだとは思うのですが、色々背負いすぎて信之兄さんほんと苦労人すぎますね…。

でも信之の腕の中で、優しい表情で息絶えた幸村でよかったです。結果としてはよくないけど地獄の中の一握の希望みたいなものだと思いました。

 

 

史実通り、大阪城は落ちて夏の陣は徳川の勝利で終わります。

混乱に乗じて徳川軍を少し攻撃し兵を減らしたのがバレて、再び家康に呼び出されました。冒頭では政宗に頭をつかまれるまで土下座などしなかった重長が政宗と息ぴったりのタイミングで一緒に頭を下げていて、大きく変化していて少し感動しました。嫌いな相手に頭を下げるというマイナスな場面なのですが、大阪の陣を乗り越えて人として変わった姿を垣間見たようでした。

 

幸村は主君のために命をかけて仕えるのが理想。政宗は争いのない世の中で穏やかに過ごすためなら笑われても生きていくのが理想。そして家康がここで語った初めて物が溢れて便利な世の中になるのが理想と語ります。

どれも理想としては理解できますが、どれが一番正しいというわけではないし、その理想に向かっていくのに正攻法も何もないと思いました。この世界では家康が自分の理想を一番上手く叶えることができた。それが事実として残っただけなんだと思います。

「SANADAMA・る」(一応一幕の題名です)は誰が絶対的に正しいというのはなくて、それぞれが己の理想のために生きただけ。だから最初見た時は、明確におもしろいとは感じることができなかったのだと思います。つまらないわけではなくて勧善懲悪ではないから飲み込むのに咀嚼が必要で、でも噛むと少しずつ味わい深くなる、そんなお話でした。

 

最後の場面で留学のために旅立つ重長を見送った政宗の前に亡霊たちが現れます。

最初は人が多い方が圧迫感があるから病気で亡くなった小十郎や明確に死に際が描かれなかった小助も置いてるんだろうな~とのんきなことを考えていたのですが、病気で死んだ小十郎までも亡霊として見えている政宗様も背負い過ぎてやばいと思いました。

このまま仄暗い終わりなのかと思っていたら、重長が戻ってきて「カリスマ性を高めたいのはわかりますけど亡霊が見えるって噂はイメージにあわないからやめた方がいい」という的を射てるのか外しているのかわからないアドバイスをしてくれます。

再三言いますが、重長の主人公らしさのない空気の読まなさが、この場面では一気に主人公らしく輝いて見えました。

事前インタビューで、敵対しないW主演は今まであまり、るひまではなかったかも。と話していたのですが、この時にだからこの二人でW主演の意味を見出せた気がします。

政宗ができないことは特別なことをするわけでもなく、己の正直な気持ちを伝えるだけでこなしてしまうのが重長の主人公らしいところだったのだなと思います。

 

この家康に対して刀を寸止めして「冗談ですよ」と言ってから最後のこの場面で政宗と肩を組んで退場するまでの流れを30日と31日では全く違う、演じ方で安西君は見せてきたので、そういうところが好きだし、そういうところに惚れて観てるんだよ~~~!!!と興奮して31日の昼にめちゃくちゃに泣きました。いやよかったよかった。泣きすぎて夜は東京楽なのにすっきりしてしまい全く泣かなかったです。

全体的に演じ方を変えてはいたのですが、最後の場面が劇場の空気までを変える勢いでゾクリとしました。特に「冗談ですよ」が。

 

 

真面目な時代劇のあとは二部のショー「プロデュース1615」が始まります。

平たく言えば、刀ミュの二部ライブ制に戦国鍋TVみたいなパフォーマンスが行われる感じです。どこかで見たことあるようなユニットが一部のお芝居に絡んで配役されていたりするので一粒で二度楽しめる感があります。

今回のユニットは兜の擬人化「MAN WITH A KABUTO」(マンカブ)・御洒落でワイルドな全員徴兵経験のあるユニット「真弾青年団」(さなだん)・優一の選挙ソングを歌う「優一の國」・シンガポールからやってきたスーパーアイドル「マーライオンZ」(マッゼ)の4組です。

 

一部の芝居で文量が多くなってしまったのでユニットの動画貼って、さらっとおもしろかったよ~んで終わりたいと思います。

 

 

マンカブ!


MAN WITH A KABUTO

 

衣装がゴス!最高!さなちゃんの顔!以上!

 

 


マーライオンZ

 

口から水!たっきーさんやっぱイケメンですね!さなちゃんの顔!以上!!

 

 

優一の國は動画がありません。なぜなら松っぽいパーカーを着て、愛のままにわがままに僕は君だけを傷つけないを歌うからです。

最初、けけ子を見た時に美々子ポジか~と思っていたのですが本番で六ツ子になっていたのでトト子なのか美々子なのかわからなくなりました。

歌の前のコントおもしろかったです。以上!!

 

 


【舞台「ゆく年く・る年冬の陣 師走明治座時代劇祭」】真弾青少年団 PV

 

 

絶対再生してください。

かっこよすぎる…!!というかこのユニットのパフォーマンス力がぶっちぎりで高すぎてバランス取れてない気がします。内藤さんと大山真志がいる時点で歌唱力ぶっちぎりなのに中村さんのハイパーかっこいいラップまで加わり、全員動けるし、歌う前にゲストのお弁当食べだす宮下雄也がおもしろいし、全方向に優れていてずるいです。

ラップから歌に入るのですが、中村さんが毎回自作で違うラップを披露して、しかも全部ライムが上手くて毎回リズムも変えていてはちゃめちゃにかっこよかったです。全部円盤に入れて欲しい!

カウントダウン公演のパフォーマンスの盛り上がりがパなくて、あの時の明治座はさなだんのワンマンライブと化した。全国ツアーまってます。

 

 

る年祭楽しかったので、あれもおもしろかったな、これも笑ったな、あそこの見当違い考察したいなとか思っていたら長くなってしまいました。

途中から読んでいる人はいない前提で進めたので、とんでもなく読みにくかったと思います。

延々と語りたいほどおもしろかったんだな。ということがなんとなく伝わればと思います。

長い時間お付き合いいただきありがとうございました。