ちわきにくおどる

そんな気持ちにさせてくれ

3rd比嘉公演~はてなブログに書きとめよう~

サブタイはすでに使われているかと思いますが、青9の卒バラがよかったのでつい。

 

 

青学新曲のハイジャンプ(仮)は9代目らしいキラキラ感が全面に溢れる曲でした。あと菊丸が一人ダイビングボレー?を失敗する振りがS2に繋がってくるので振付による演出が細かいなぁと思いました。

トリオの曲は全国大会のルールを説明してくれるので、初めて観る人たちに説明がはぶけてとても助かりました。

 

手塚と大石の試合に泣くとは思っていなかったので、その時のキャストや演出によって心を揺さぶられるシーンが違ってくるのはミュの良さだと思います。ライトの当たらないところで右手首を抑える大石を見て泣くせーちゃんの菊丸がすごくよかったです。オペラで定点して一緒に泣いてました。松村くんの大石も公演の後半になるにつれて気迫が増していって東京公演の倍は迫力がありました。あの気迫から、手塚ゾーンを発動させた時に安心したような笑顔をみせるのがずるくて、観劇後半はそこが涙腺ポイントでした。あの試合の演出は、菊丸だけ立ち位置を変えなかったり菊丸だけ背を向けていたりして細部まで個々の感情が表されている演出のこだわりに脱帽でした。菊丸の「大石の大ばかやろう」も毎回涙腺にきました。42公演いつも泣き続けたせーちゃんの演技とてもよかったです。「大ばかやろう」も呟く時もあれば怒鳴ることも吐き捨てることもあり、どの言い方もゴールデンペアの菊丸としての辛さがにじみ出ていました。

 

真田の「たるんどる!!!」

から始まる立海の新曲もよかったですね。立海は歌がうまいので王者の風格を存分に漂わせてくれるのが好きです。ミュージカルなので歌唱力がある方が強そうに見えますし、集団のハモリが良いほど全員強く見えますよね。音大卒の友人が歌上手いね、と褒めていたので立海は本当に歌が上手いのだと思います。

ダンスも後半で登場する幸村以外は膝立ちで踊る振りが関東大会の敗北を意味するような振付で、初めて観た日にゾクリとしました。背景を知らないとわからない演出は不親切ではありますが、知っている者が深読みできるのは秘密裡に何かを共有できた興奮がありますね。

 

比嘉のダークホースの新アレンジが重低音ドコドコのダンスナンバーにアレンジされていて、個人的には一番好きな曲調でした。

知念役の雷太くんがダンスがとても上手いということに気付いたのは公演後半になってからで、「マーシャルアーティスト」の時に振りをひとつ増やしていてしかも毎日違うパターンで技を持ちすぎていて凱旋中はこの部分はずっと今日は何かな?と期待して彼だけ見てしまいました。

 

 

「ひとつやり残したこと」は初演からアレンジされることなく今回も残りました。

曲自体がいいのもありますが、曲の魅力を十分に引き出せる要さんの歌が素晴らしかったです。歌うまは前2公演で周知かと思いますが彼は本当に歌に情感と想いを乗せるのが上手いです。六角公演の試合と比べるとラケットの振り抜きが重くなっていて、苦戦しながらもS1に駆ける気持ちが込められ、あごに伝う汗をぬぐう姿がかっこよかったです。佐伯役の要さんは170cm、甲斐役の吉澤くんは184㎝と14㎝の身長差があるのですが全くその差を感じさせないのもよく見せてくれたなぁと惚れ惚れしました。腕をつかむとこは若干振付の工夫もあるけど、それ以外では振りと動きで実際よりもかなり大きく見えていました。あと試合後の声も大袈裟ではなくわずかに語尾を震わせるあたりもわざとらしくない加減ができるのもよいなぁと思いました。この良い加減の演技が二幕のベンチでの演技でも活きてました。

個人的に気になっているどうでもいい話をすると東京・大阪・福岡ではゲームセットの瞬間、バランスを崩すことがあるにも関わらず絶対に手をつかないようにしていたのに名古屋(もしかしたらまだついてなかったかも?)・宮城・凱旋では手をつくようになっていたことが気になりました。ただ安定を重視したのかなーとも思えますが手をつく/つかないで佐伯の敗北があと少しのものだったのか惨敗だったのか印象が変わってくるので少し気になっています。でもまぁあんまり深い意味はなさそうですよね。

 

 大石とダブルスも組めず、六角が卑怯な手を使った比嘉中に負けたことで怒りが沸点に達しそうな菊丸の「幕は切って落とされた」の踊り方がキレキレで迫力がすごかったです。こんな菊丸見たことなかった。そしてせーちゃんがここまでできる子だなんて知らなかった。

この曲からのS3への入りがいつもワクワクさせてくれました。

 

S3はリョーマのソロが凱旋で安定してきていて、もう安心して観られるところまで来たのが嬉しかったです。このあとに続く試合も俄然楽しみになってきました。比嘉ベンチのフェンスから降ろされた知念くんの腕が長すぎて手長足長という妖怪に見えました。

 

D2の不二先輩がすごくきれいでこの公演で定本不二を観ることができなくなってしまうのが惜しいです。定本くんの不二は中性的ながらも男子の部分はしっかり残っているのでビジュアルが一番理想の不二先輩に近く、毎公演、定本不二を観られる幸せを感じていました。最初に好きになったキャラクターで思い入れがあるのかもしれませんが不二先輩に関してはなかなか納得のいくキャスティングになることはないので9代目不二先輩にはしばらく固執しそうです。

あと知念くんににらまれたトリオが泣くのもめちゃんこかわいかった。凱旋でカツオが「ももちゃんせんぱぁ~い!」って泣きつくのおもしろくて知っていても笑ってしまいました。お見送りの時も元気よく「バイバーイ!」って手を振ってくれて紫音のカツオがかわいかったです。

 

D2の試合後、コートに降りてくる佐伯が彼女を待っている彼氏にしか見えなくてリアコの心をざわつかせていたので幕間の休憩中に必ず一緒に入った人に見るように言ってました。

あのフェンスにもたれかかって待って戻ってきた不二先輩の肩を抱くの何!?幼馴染だからって何!?とずっと思っていたのですが、次のS2は佐伯と試合をした甲斐くんと菊丸の試合なので甲斐くんがコートに入ってくるのを見てから佐伯はベンチに戻るんですよね。それに気付いた瞬間、ただ不二先輩とサエさんの組み合わせが好きな人へのサービスではなく、甲斐くんとサエさんの因縁もわずかに浮き彫りにしていた演出でもあったのかなと思いました。

 

S2ですが東京公演はなるべくコートを見ていましたが、それ以降はずっとベンチの佐伯を観ていました。あとコートを観たのはライブビューイング

S2の佐伯の台詞はD2・S1に比べるととても少ないです。(D1は舞台上にいない)けれど感情の動きは一番見えやすく台詞がないゆえに演技の細かさが際立っていて、要さんがいかにしてサエさんの思いをくみ取って表現していくか練りに練ったのか伝わってきました。

 試合が始まってすぐ甲斐くんが「千葉の負け犬側の敵でも取るつもりか」という台詞を言うのですが、菊丸のシングルスを不思議がって腕組みをし考えていた佐伯がこの言葉で腕をほどいて下の方で拳を握りしめていて、強く握られた拳から彼の悔しさがにじみ出ていました。そのあとに左右の動きに強い菊丸が縮地法を抑えたプレイをしていることにすぐに気付き「あれは…」という台詞を言う時にはすぐに拳は解かれていて、気付かれにくい範囲内で佐伯の負の感情を表現している彼の演技のこだわりを感じました。

菊丸がワンポイント先取した時に笑顔でガッツポーズをするが、ふと自分の感情に気付いてしまい左手をみつめてゆっくり手を降ろすのも感情のままに怒ることはない佐伯らしい葛藤に見えました。

甲斐くんが裏手のレフティに持ち替えた時も驚く青学メンバーの中で一人だんだんとうつむいていく佐伯は心を抉られました。ライブビューイングではベンチが映らないことを覚悟していたのですが、このシーンはベンチごと映してくれて真上から当たる照明によりうつむく佐伯の顔にどんどん濃い影が落ちていき表情が全く見えなくなるカメラワークは生中継の枠を超えて映画のワンシーンとして見えました。カメラを通すと劇場よりも舞台が暗く見えるので何回も観たシーンですが初めて観た光景でした。カメラマンさんとスイッチャーさん、ありがとうございました。

バイキングホーンの時はベンチごとはけるので出と入りは同じポーズで戻ってきますが、菊丸の心象風景に入る暗転中にずっと立って応援していた佐伯が下を向いて座りこむのもわかりにくいところで緩急をつけてくるので驚きました。座りこむのはベンチにライトが当たっていない瞬間だけで「一人でダブルス」が始まってベンチにも照明が当たり始める時には二人に見える菊丸に驚いて立ち上がっているので、照明が当たらない時も定点している人にしか見えない範囲で彼は佐伯がどん底に落ち込む姿を見せていました。

バイキングホーンを打った時にフェンス間近にいるトリオが驚いて肩をすくめたり顔を覆ったりするのはわかるのですが、ベンチの奥側にいる佐伯も一度だけ目を背ける瞬間があり、甲斐くんにバイキングホーンを出させる前に負けてしまった現実から目を背けているようにも見えて胸が少しだけ詰まりました。でもそれを他のメンバーに悟られる前に佐伯はすぐコートを向いていました。

試合終了後、コートとは違う方向を向いて座る佐伯もまた印象的でした。

わたし個人の解釈になりますが、佐伯虎次郎という人物は周りに配慮が出来すぎるがゆえに自分の感情は二の次にしがちな人だと思っています。それでも彼にも負の感情はあるし怒りや憎しみを抱くことはあります。でもその感情を人前に出すことを良しとしないので、要さんがベンチで表現したほんのわずか瞬間に見せる負の感情が今回自分の中のイメージと合致して嬉しかったです。見ていて楽しいものではないですが、佐伯の感情のわだかまりを台詞なしで演じきった要さんにとても感謝しています。辛かったけど定点はとても楽しかったです。

2ndの比嘉は一度しか見ておらず、1stも映像が生きていたころに一度見たきりなので比較ができないので失礼を承知であげますが、ここまでベンチワークを一人で構想した要さんはすごい。贔屓はありますが。

試合序盤ではキレッキレだった菊丸が、一人でダブルスという答えにたどり着いた時のキラキラした笑顔のせーちゃんはまぶしくて黄色のライトが一番似合うなぁと思いましたし、甲斐くん役の吉澤くんが鼻にかかった甘い声で歌うバイキングホーンがたまらくかわいくもセクシーだし、立海タイタニックもめちゃくちゃウケました。

 

D1の比嘉戦と立海の全国初戦が入れ替わる演出はスピーディーで見ていて気持ちいいものがありました。関東決勝をフラッシュバックできるのもシンプルな舞台セットのおかげかと思います。負けたときに顔を覆って仰向けに倒れる不知火くんがかわいかった。

 

木手くんの新曲はじわじわくるおもしろさがあって、特に謎の荒ぶるタカのポーズみたいなのがみんな真面目に踊るのでシュールでした。あのポーズの時に青学ベンチではたまに桃城が海堂にあのポーズをとらせようとちょっかい出して喧嘩になり佐伯がとめて、タカさんと大石が謝る流れがありました。

宇野さんの手塚はこれが最初で最後の試合でしたが、気迫と貫禄で舞台上では初試合とは思えない迫力で成長過程を見ずにいきなりここまでの手塚を出せる宇野さんはすごい人だったんだなと思いました。真田にたわけと言われてしまう。

 ライブビューイングで大写しになった宇野さんの手塚がとても凛々しかったです。

 

 

カーテンコール曲が「We are allways together」なのも2ndから来始めたので、懐かしくも嬉しくも感慨深くもありました。

毎公演、ひとりでコーレスをしてくれた佐伯が千秋楽で「コートで会おう」を選んでくれたのは嬉しかったです。テニスの王子様の名にふさわしい歌詞でもあるこの言葉を

選ぶところセンスがありますよね。毎回六角メンバーや六角形にバリエーションをつけていたりして42公演やりきったと思います。シリアスな演技もよかったけれど笑いに貪欲な本人の気質がコーレスで発揮されいました。何度入ってもコーレスを楽しめる上に入れば入るほどサエさんとコーレスできるのが楽しかったです。

 

 

そしてブログタイトルのサブタイにもしましたが、卒業バラードの歌詞がメタとエモの境を交えていて9代目らしいいい曲を書き下ろしてくれたと思います。

思いつめた素顔は見ることはないのだろうけれど、キラキラと輝くはじけそうな笑顔の9代目はいつまでも覚えていると思います。

始めはぼんやりとした輪郭で性格もつかめていなかったけれど、公演を重ねるごとに9代目が好きになっていって、今では卒業が素直に悲しいほどに好きな代になりました。もっと彼らの青学を観ていたかったです。9代目と同じ舞台に立ち続けてくれたサエさんもありがとう。要さんがサエさんで本当によかったですし、この一年観劇し続けて本当に楽しかったので、本人も楽しい一年だったと言ってくれたのが何より嬉しかったです。

ハードルは別れても生きてる途中でコートで会えるのを心待ちにしています。

 

 

比嘉公演は佐伯の出番が最後になる上にソロもあるので、いろんな人に一目、彼の佐伯を観て欲しくて、一人で観に行くことの多い自分が珍しく人を誘いました。

そのおかげで地方公演の思い出もたくさんできましたし、久しぶりに会えた人たちと好きなものの話をたくさんできてて幸せな約3か月間でした。推しを観て欲しいというわがままに付き合ってくれた方達、本当にありがとうございます。忘れてしまうかもしれないけれど、何人かの人生にテニミュを潜り込ませられたことに満足しています。

 

3rd比嘉公演は自分にとって特別なものにできたので、年をとってもたまに思い出話として何度も何度も話せたらいいなと思います。