ちわきにくおどる

そんな気持ちにさせてくれ

2018年3月観劇まとめ(ポーと刀ミュ)

今月は2作品しか観ていません。

 

 

花組公演 ミュージカル・ゴシック「ポーの一族

東京宝塚劇場

 

初宝塚。床が絨毯でバラの模様が描かれている。でかいシャンデリアがある。自動演奏ピアノが公演の曲を弾いている。ショップも軽食もある。専用劇場でこれだけ豪勢な造りになっているのは率直に言ってうらやましかったです。周辺にも同じくらい整った劇場はあるけれどなんといっても宝塚だけを行う劇場でこれだけ立派なのはうらやましい。

あと劇場前にファンクラブ(?)のひとたちが列を成していて、これが噂の…と、まじまじと見てしまいました。

劇場に来るのも初めてなので「二部構成になっていてショーみたいなのあるのかな?舞台の感想はよく見るんだけどそっちの感想があんまり見なくって」「ショー?レビューのこと?」と連れてきてくれた友達に教えてもらうくらい何も知らずに来ました。

 

始まって5分くらいで、顔とスタイルの良い人達が名前もないような役まで豪華な衣装を着て30名くらいで歌い踊り、盆も奈落もフル活用するので実際にそこにあるのに4DX のような感覚におちいりました。

こんなに美しいもので溢れている空間なんて夢に違いない。美の洪水。

そんな整った人達の中でも一際輝いて見えたのが、主役のエドガーでした。ピンスポ当たってるのもあるけど。舞台上に何十人いようと、あの人が一番きれいだなとすぐにわかるほど圧倒的オーラでした。顔のきれいさもあるけど、全身から美の化身でーす!というオーラを放っていました。

港町のホテルでポーツネル一家が「一枚の絵画のよう!」と称賛されるのですがその通りです。それな。

 

まだエドガーとメリーベルが人間だった頃の演技が、純粋な少年と幼女にしか見えずこのあとの運命を思うとかわいいけど悲しくなりました。

特にエドガーは年相応の少年になっていて、バンパネラとなったあとの妖艶さの切り替えがすごかったです。オーラってあんなにオンオフの切り替えができるものなんですね。

あと当たり前ですが、宝塚なのでキングポーも女性なんだよなぁと思うとすごいな、と思いました。単純なことに関心しすぎて小学生の思考になっている。

アランも生意気だけれどエドガーも輪をかけて生意気で、容姿の整った男子が高慢な態度を取り合うのはいいものですね。

ジャンの女ったらしぶりには腹が立てながらもワンナイトして~と思ってしまうほど見た目と誠実なふりをしてチャラついている立ち振る舞いは好きです。ワンチャンほしい~。

ヒロインに当たるシーラも美しい上に歌がうまくて、圧倒的存在感でした。ジェインを気に入るあたりが女の趣味が良いなと思いました。

 

キャストも総じてよかったのですが、舞台セットの万能さがすごい。

盆に奈落にオケピにエプロンにリフト。ありとあらゆる装置をフル活用する上にこれだけそろっているのがすごい。舞台転換がめちゃめちゃ早くて、構造を理解するまで何が起きているかわかりませんでした。一瞬でバカでかいホテルのロビーが現れるので。

 

原作ははるか昔に読んだのでほとんど記憶がすっぽ抜けていましたが、テンポよくなおかつほぼ初見でもついて来られる進み具合だったので原作を知らずとも楽しめる内容になっていたかと思います。

 

ラストはエドガーとアランが時の旅に出る概念みたいなリフトのシーンで終わるのですが、ふたりにしかわからない孤独が閉鎖的な空間を作っていて耽美でした。友情のようで友情とは言えなくて家族愛とも違うけれどふたりの間には確かな絆があるのが見える幻想的なシーンでした。

 

そんな耽美なふたりの感傷にひたっていたら、息つく暇なく真っ赤なバラを連想させる衣装を来た女性たちが登場しラインダンスを始めたので、情緒が吹き飛んでしまいました。こ、これが噂のレビュー!た、宝塚だ…!

気付けば大階段が現れていていつの間にかミラーボールが客席をキラキラと照らしていて、ほんの数十分前に感傷にひたっていた劇中曲に合わせて手拍子をしていて何がおこっているのだ…と思いました。アレンジされているとは言えあんなにロマンチックに聴いていた曲に合わせて手拍子しているのが不思議でおもしろかったです。

ポー、原作が暗いからレビューはないと思っていたのですがほんの少しだけあって、このテンションでもやるのか!というトンチキ具合がおもしろくて笑ってしまいました。

たぶんテニミュに連れて行った友人達も最後のカテコ曲で突然コーレスをやらされていた時にこんな気分だったのでしょうね。

 

初・宝塚、とても楽しかったです。ポーという超希少チケットを当てて連れて行ってくれた友達に感謝。ありがとうございました。

 

 

 

 

ミュージカル「刀剣乱舞」~結びの響き、始まりの音~

日本青年館ホール

 

ネタバレ配慮なしです。初期刀が陸奥守なので感想が陸奥寄りです。

 

天狼傳のその後として函館戦争を描いていたので、天狼傳好きな人は堪えただろうなと思いました。 というか兼さん好きの人達、情緒めちゃくちゃにならない??なりますよね。

長曽祢さんは蜂須賀が止めなければ首をはねただろうし、安定は見届けることを耐えたけど、兼さんは決意は本物だったけれどやはりできなくて泣き崩れてしまうのが和泉守兼定の魅力でもあると思います。泣いてる兼さんを抱きしめる土方さんという絵面になんてもんを見せてくるんだ…と思いました。

有澤くんの泣いている芝居がよかったです。つはもので小狐丸の出世に喜んでいましたが天狼傳からの兼さんの大出世っぷりに驚きました。もっといずむつでバンバン喧嘩すると思ったらむっちゃんが達観しすぎてて衝突にすらならなかったですね。スルースキルが高い。

あとどこが変わったか具体的にはわからないんですが、兼さんのウイッグがめちゃめちゃめちゃキレイになってました!すげーキレイにまとまっているけれど毛量もしっかりしていて、それなのに殺陣後も乱れない。めちゃめちゃ後姿が美しい。

 

陸奥はいきなり龍馬暗殺から始まるけれど、全く気にする様子もなくて前の主の死について聞かれても「忘れた」と言って終わらせてしまうほど執着がなくてあっけらかんとした姿に「あぁ今回むつは主人公ではないんだな。主役になるには彼には執着も葛藤もなくてドラマがなさすぎる」とセットの高いところに立っているむつをぼんやりと観てました。まあ、むつはむつで全く葛藤がなかったわけではないだろうし、この性格だと語るタイプではないから表に出さないだけかもしれません。

あと今の刀ミュの流れだと、以前の作品では出番は少なったけど次作でクローズアップされる流れがあるので、田村くんの成長しだいではまたむつのお話を書いてもらえるかもしれません。今回の有澤くんの演技に前にはなかった繊細さを見た気がするので。

 

ところで、「史上例を見ない展開」というのが始まる前から気になっていたのですが、みなさんはどの辺りが史上初の展開だと思いましたか?わたしは時代遡行軍にもキャラクター性を出したところだと思います。

 

物語をもたない巴と今なお色濃く語り継がれる新撰組の刀と相対性を出していくのかなと思っていたので、巴ちゃんと時代遡行軍のやりとりはまた一つ伏線をはっていくようでおもしろいなと思いました。回収されなくても意味深な雰囲気が好きです。

巴ちゃんの殺陣、戦うというより舞ってるように見えて綺麗でした。

 

つはものでも今剣が旅に出ましたが、主と本当の意味で向き合ったものから旅立っていくのが修行に大きな意味を与えるなぁ~と感じました。天狼傳と始まりの響で前の主と対峙した者のみ出立していく姿がたまらんもんがありました。

むつ~!!!うちの本丸で初の打刀極は初期刀のお前って決めてるんだからな!!待ってるぞ!!!

 

2部のライブですが、むつが文字通り飛んだり跳ねたりで元気一杯、陽のオーラがすさまじくて、仕切る訳ではないがいつのまにかクラスをまとめているタイプの高校生に見えました。同じクラスだったら朝のあいさつはするけど(というかむっちゃんが「おはようさ~ん」とか言いながらクラスに入ってきたら全員がおはよー!と返す)それ以上の関係には絶対になれないクラスメイトだ…と思いました。陽のオーラがすごい。

 

衣装の丈が一番長い巴が一番ターンの多い振付なのでくるくる回る度に裾が円を描いてはためいて、永遠に観ていたかったです。

巴ちゃんの衣装を見ながら改めて、つわものの「BE IN SIGHT」で全員ロング丈にしてくれたのは神だなと感じました。しかもそれぞれの担当カラーのグラデーション。いやあの衣装、本当に最高でした。また見たい。

 

それぞれの新曲の印象は

堀川ソロ…しょごさんのために書かれたバラード

巴ちゃんと兼さん…スタイル抜群歌うまコンビのジャズ

長曽祢さん、安定、陸奥…蛍光カラーのライトセイバーを持ってタップダンス

です。いやあの三人組の演出なんだったんだろう。他の2曲はなんとなくメロディーが聴こえてたのですが三人の曲だけライトセイバーに目を奪われて何も覚えていないです。

「獣」はサイコーーーーーーーにあがるのが今回で証明されました。マジで楽しい。

人間キャストにも一曲出番を出したのが驚きでした。

 

客降りで2階担当が陸奥と巴で、「あー2階席行っちゃったな~」と見上げていたら上から陸奥が「バン!」してくれて嬉しかったです。他の人のうちわかそのブロックごとのファンサだと思いますが、ずっと「よぉ狙ってバン!」のファンサが見たかったので

  

 

ほかには初めて寄席を観に行ったりしました。

落語の他にも漫才や漫談、ジャグリング、紙切と色々楽しめました。80代の落語家さんが噺家に定年はないからと言っていたのと、その日の落語家の一人が数ある娯楽の中から寄席に足を運んでくださりありがとうございます、という言葉が印象的でした。あと休憩中に喜久蔵ラーメンの販売が始まり(木久扇、木久蔵親子が出演していたので)お弟子さんが「完売するまで幕は上がりません!」と言っていたのも印象的でした。休憩内の10分で完売しました。