ちわきにくおどる

そんな気持ちにさせてくれ

2019年8月まとめ

 昨年も「野球」で最高~~~!!!となり、「さらばゴールドマウンテン」で最高~~~!!!となった8月でしたが、今年も刀ミュで最高~~~!!!となって絢爛爛漫で最高~~~!!!となれた8月でした。8月は当たり月。

 

 

 

 

ミュージカル刀剣乱舞~葵咲本紀~ 東京公演

 

刀はリリース初日からゆるゆるとやっていて、予定調和のように舞台化し、その舞台で刀剣男士にキャスティングされた若手俳優があれよあれよと売れていき、スポーツ物ではないジャンルとして2.5次元舞台のなかで存在感を増していくと「いつしか自分の推しも出演して一発売れてほしい!」と思うようになっていました。

そして今作で歴史上人物として二人そろって出演が決まった時はもう狂喜乱舞でした。一番お祭り騒ぎ状態になったキャスティング発表でした。嬉しすぎてエネルギーがあふれてきて、退社した瞬間に感情の昂りに身をまかせて最寄り駅まで無意味に走った。

 

そんなわけで双子で出演し、原作ファンに双子を知ってもらえる大きなチャンスの場でこんなにも良い役を演じさせてもらっている幸せが大部分を占めてしまい、舞台全体のストーリーや演出を平常心で見ることができていない感想になってしまいました。

いつも通りネタバレ配慮なしです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

秀康が時代遡行軍に取り込まれるところから始まるので、びっくりしてました。30分くらいは出てこないと思っていた。

そして、闇堕ちのソロ。まさかのソロ。短いけど確かにソロなうえに禍々しく怨念こもったラスボスの風采で歌い上げる姿に感動してしまって、「推しててよかった…!」と心から思いました。舞台やライブを観続けてよかった…。今まで見せたことのない歌い方を刀ミュで見せてくれた。これからも最高を更新し続けてほしい…!

この負の感情を歌唱力を最大限に使って表現しているこの素晴らしいパフォーマンスを、今回初めて双子を見たであろう原作ファンの人たちが見てくれていることになんだかもう感無量で、向こうは秀康怖…と思っているかもしれませんが、要くんのこの歌を聞いてもらえて本当に嬉しかったです。やっぱり演者は一人でも多くの人に見てもらってこその仕事だと思うででかいコンテンツで歌を披露できたことに感謝しかないです。

 ソロもありがたいけど、秀康を救うという任務になったおかげで殺陣が多いのもありがたかったです。1対6だから手数多くて出番がある…!しかも殺陣上手くなってる…!

こんなに秀康の見せ場を作ってくれているとは思わなかったので、本当にありがとうございます。

ここまで色々任されていて本当に嬉しいです。脚本と演出に才能を認められていると受け取っています。

稽古期間から大変だっただろうし、これを約70公演やるのは気力も体力も並大抵のものではないけれど、制作側がやれると信じてくれているので最後まで無事に終わってほしいです。自分の体力を半分あげたい…。

 

 

永見貞愛との関係性は予想を大きく外してしまったけれど、元気いっぱいな貞愛を見て歴史上でどう記されていようと本人が納得して生きられたらそれでいいんだろうな、という考えが持てたのと、2200年代に顕現した御手杵を過去の1500年代に生きた貞愛の記憶に残ることで救われるのが、すでに死んでしまった人の中でも存在がある限りなくなったことにはならない、と受け止められる考えがいいな、と思いました。

(ゲーム内の)修行の手紙で結城秀康の話してたし、ミュで杵とたくさん絡みあるやろ思っていたらまさかの杵と貞愛のラブコメが始まりそうな関係性でしたね。

綺麗な顔なのに開けば憎まれ口ばかりのとんだおてんばヒロイン、貞愛。

貞愛もあてがきのようないい役でした。

 

 

 

双子のおたくとしては、二人の魅力や技量を発揮させてもらえていて最高の舞台なのですが、全体としてはどうなんだろう…と思うところもありました。

 

みほとせの続きとして説明がはぶかれているところが多い。つはもので明らかになった三日月が過去の人物にかなり深い関係まで接触していることを引っ張ってきている。(これも説明はない) 検非違使と秀康に憑りついた刀の違い。篭手切のいう「先輩」とはなんだったのか。

明確に理解できなかった部分があったり、前作を見ていないと内容が楽しめない部分があるのは疎外感を感じて好きではないので、気になる部分ではありました。

「先輩」や明石の思わせぶりな態度、鶴丸の三日月の任務への言及などなど、このあとの布石とは思えるけどちょっとふわっとした部分が多かったので、キャストのおたくとして行っていなかったらここまで楽しめなかったかもしれません。

二人の出番には大満足なので全体にも満足したかったです。原作ファンでストーリーのあいまいさが気になって魅力を感じずに終わった人がいると思うのですごくいい演技をしている要くんの魅力が伝わらなかったかもしれない、と不安になってしまいます。

 

 新キャストの4人もそれぞれキャラクターの体現を原作ファンの期待に十分に応えていたと思いますし、未完成が完成になるのではなく完成したものがグレードアップしていくレベルだと思います。(すごい上から目線ですね)

 

2部のライブは今までの中で一番歌上手いヤツにとにかく歌わせてえ!という気持ちがはっきりしている編成で露骨だ…と思いましたが、何言ってるのかさえわかれば明石篭杵の三人で歌っている変調がやばいサディスティックフラメンコみたいな曲が一番好きです。

まぁ2部は歴史上人物だから太鼓叩いているのが見られれば御の字と思っていたらまさかの徳川四兄弟で歌と殺陣を見せてくれて運営と演出に大感謝と同時に大勝利でした。しかもどのタイミングで「秀康サマーーーーーーーーーッッッ!!!」というか悩んでいたら、コーレスで四兄弟の名前を叫ばせてくれる福利厚生。大勝利。

殺陣中に双子で背中合わせになるの定番な振付だけどやっぱり絵になりますね。ありがとう殺陣師さん。

 

 よく考えたらテニミュ全立前編だって60公演なのに、刀ミュの70公演て相当多いですよね。なるべく多くの人が観劇できるよう努力してくれているのはありがたいですが。全キャストがんばれ。通うオタクもがんばれ。

また凱旋で印象が変わっていることを願ってます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

絢爛とか爛漫とか

 

9/13まで上演しているので何度か観て、きちんと感想をまとめたい舞台。

この舞台の良さを自分の中で消化して、読んでくれている人に良い舞台だということを

 しっかり伝えたい、と思える舞台でした。無理だろうなーとは思うけど。

 

文学を愛する四人の青年が己の才能に悩んだり、互いに羨んだり、ぶつかったり励まし合いながら、移りゆく四季の流れとともにそれぞれの人生の転換を見届ける約2時間でした。

 

この舞台の一番の魅力は演出がとにかく丁寧にされていることです。

演劇素人だから、具体的に指し示すことはむずかしいのですが、登場人物の台詞の言い方、一挙一動に意味が込められているのを感じました。演技すべてに演出が加えられているにも関わらず自然体であくまで日常的な動作として見えるので、演出的な雰囲気は感じとれるものの演技には見えにくい絶妙なバランスを保っているのがすごいです。

たまにあるじゃないですか、感情の起伏を表すためにとにかく役者が大声出している演出で見ていて疲れちゃったとか。

役者が怒鳴ったりしなくても、煙草で埋まった灰皿を見るだけで、ここ最近苛立っているんだなとわかることができるんだなと思いました。

 

小説というものでつながっている登場人物四人の関係性も絶妙で、安西くん演じる古賀はプライドが高くめんどうなところもあるが人一倍小説への情熱(ほぼ執着)が強く己の凡庸さを嘆く姿は観客側に共感を呼び、鈴木さんの泉は代表的なモダンボーイで遊び人の雰囲気があるけれど随所に優しさを感じ、川原さん演じる加藤は一番善良そうな見た目でエログロ小説を書きコンプレックスと倒錯を抱え、加治さん演じる諸岡は見た目も性格も豪放磊落、天衣無縫、かっこいいとは言えないけれど魅力があり、四人の長所と短所がシーソーのように揺れながら進んでいく構成が緻密でした。

 

きちんと文章にできる気がしないけれど、この舞台の感想はしっかりと書きたいなと思ったのは創作をする人なら誰しも感じたことのある他人の才能への嫉妬と羨望がものの見事に目の前に現れていて、胸が苦しくなったからです。

ただ凡人が天才の才能を羨むだけでなく、天才が凡人の物事に対する執着や好きなものの為に努力を惜しまない情熱や熱中できることを羨む姿も同時に見せてくるので、その考えもわかるし、人は皆、他人が羨ましいという理解はしていても忘れがちなことを目の前に突きつけられて良い意味でショックでした。

このどちらかに寄らないバランスのよさが「絢爛とか爛漫とか」には絶えずあって、演技についても(というか芸事に関わらず仕事にも言えると思う)同様のことが言えるので観劇しながらも役者さんたちはこの脚本を読んだ時どう感じたんだろうと考えられるのも、楽しみ方のひとつとしてあるのが俳優おたくとしても楽しかったです。はしゃげる楽しさではないです。はい。

 

見る度に演技力の高さに惚れ直しますが、今回も安西くんの演技は素晴らしかったです。

発狂安ジェリコを観たあとだったので、あの濃さはしばらくはないだろうなと思っていたけれど、種類は違えど今回も濃密な演技を見せてくれました。

というか今回は演技の種類が多才で、感情の起伏は少ないけれど、感情の種類が多く、同時に数種類の感情を演技で表現してくる濃さ、といった感じでした。

最後の次作の構想を話す10~15分ほどの一人芝居はどんどん話に引き込まれていき、姫の言った「地獄はどんなところかしら」という台詞の時の背筋が寒くなる引き込まれ方はすごかったです。あの一人芝居は圧巻なのでみんな観てくれ~~~。

というか四名全員が高い演技力で細やかで丁寧に演じているので、観劇している充実感がすごいです。

 

DDD青山クロスシアターにて9/13(金)までです。当日引換券も当日券もあります。

 

 

 

安西君が好きなので舞台上にいる時はいつも目で追ってしまうので全然知らなかったのですが、他担でも安西君が舞台に登場した時や圧倒的な演技力を放っている時はつい見てしまうらしいです。

さすが自慢の推し。