ちわきにくおどる

そんな気持ちにさせてくれ

2019年5月まとめ

COCOON 月の翳り星ひとつ

サンシャイン劇場

 

 

わたしのTRUMPシリーズとの関係

「はじめての繭期」にて「TRUMP」「SPECTER」「グランギニョル」を鑑賞。「マリーゴールド」は日程が合わず見られませんでした。

いろいろおぼろげ。

シリーズ作品初出演の安西くんを観たくて初めて劇場までやってきました。

 

 

どうせここ見ている人は3人しかいないのでまだ大阪公演がありますがネタバレしていきます。

 

 

 

月の翳り

TRUMPの前にクランで起こったラファエロとアンジェリコのお話。

アンジェリコにピンとこなくて(おぼろげに見ているので誰が誰かわからなくなる時がある)、パンフを見てようやくTRUMPでめちゃくちゃ嫌なやつだったことを思い出したました。

でも、ああなってしまった要因にも納得できるし高貴故に高慢で愚かゆえに愛しい存在に思えました。でも最初から独りよがりだったよ、君は。アンジェリコ。公式と解釈違いだからって過激派アンチになってはいけない。

ドナテルロがディエゴにCOCOONを渡すシーンは虹色が乱反射しているような照明でいけないものだとわかりながらも美しさに惑わされて手を伸ばしてしまう彼の世界を見せているようでした。

月の印象はとにかく演出が耽美でした。照明もそうだし、光る棒の檻(言い方が稚拙すぎ)やラストでラファエロとアンジェリコの二人だけ深紅の衣装に着替えていたり。そして最後の泣き虫アンジェリコで大量のバラの花びらが落ちてくる演出に息が詰まりました。華やかだけれどアンジェリコの悲しみと絶望の質量が視覚化され、悲痛な光景でもありました。

 

 

星ひとつ

ウル中心のTRUMPのお話。

TRUMPシリーズは浅いけれど、それでもシリーズの他作品での場面や人物背景が登場人物のセリフひとつで脳内に広がるので末満さんは天才だなと思います。

クラウスの不気味さがどんどん増している気がして、生きたまま死んでいるような顔をするので怖かったです。永遠に生きる苦悩を知っているかのような、いやあれは不死の苦しみを知っている者の顔ですね。とにかくちゃん陣さんの顔がすげーーー怖くて、不快でした。カテコの時も怖くて、気になってチラ見してました。陣内さんは演技が上手い。

ストーリーはほぼTRUMPなんですがグランギニョルを踏まえたうえでのTRUMPなのでダリ卿の目線が入ることでウルとラファエロの悲劇性が増し増しになりました。月も見てるとなおラファエロのシーンは悲しいですね。

 

今回、安西君がTRUMPシリーズに出演したことがめちゃくちゃうれしくて、何故かというとテニスとK以外で観ている人は少ないと思っているので、オリジナル脚本でストレートの濃い演技を色んな人に見てもらいたい願望を持っていたからです。ちょこちょこ、るひまや男水や無双とかもありましたが、このシリーズって圧倒的に末満演出が好きな人が多いのでちょっと客層が違っているような気がして。初めて観たor数年振りに観た、という人に見て欲しい芝居がCOCOONにあって非常に嬉しかったです。

簡単に言うと発狂している演技の圧を感じてほしかったんです。

 月はエミールを殺しそうな勢いで怒り狂って殴る姿、星はソフィを怒りのままに殴りつけている姿は個人的に好きな安西君の芝居を見せ場にもってきてもらえて嬉しかったです。殴っている方に対して悲痛な哀れみを感じてしまうのは安西君の演技力の手腕だと思います。

安西君の演技は感情を一瞬で劇場にいる全員に剛速球でぶつけるようなところがとても好きです。それと命削っているところ。

 

以下ちょっとした悪口。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あと、このシリーズたしかに脚本演出はすばらしいし、シリーズものとしての魅力がある台詞も多く、複雑な関係性も楽しいけどどこか好きになれないのは登場人物全員が少しずつ嫌いだからだと思いました。