ちわきにくおどる

そんな気持ちにさせてくれ

2019年9月まとめ

9月の後半にいろいろありすぎてブログ書く気力なくしたり元気なくしたりして、毎月感想をあげると決めてから初めて?月内アップができませんでした。時間はあったけどやる気起きなくて、ブログは趣味の中でもさらにおまけみたいなものなので無理することはないと決めて放置してました。

でもずっと毎月更新してきたから途切れちゃったのは悔しいな。地味にがんばってたな自分。

 

 

 

 

 

絢爛とか爛漫とか

 

この舞台の素晴らしさを伝えたい!と思って観れば観るほど、考えれば考えるほど、なんて凡庸な文章!陳腐!舞台上でキャストが演じている人物たちはこんなにも生き生きとしているのに!と古賀ばりに「嫌になるほど凡人だっーーー!!!」となってしまいました。

なので好きなところを書ける分だけにしておきます。表現云々よりまずは読みやすい文章を目標にしましょう。

最初に観た時は古賀(秀才)が諸岡(天才)の才能に嫉妬する感情をストレートにぶつけられて、それに対して諸岡が執着できることを羨んでいて、やり場のない感情に押しつぶされそうになってしまったので凡人としての努力やあがきに気を取られてしまいましたが、のちの展開を知ったうえで観ると四人の馬鹿騒ぎや悪ふざけが愛しく見えました。

プライドが高く面倒なところもある小説に対して人一倍執着している古賀(安西)、ボンボンでモダンボーイプレイボーイだが友人想いの泉(鈴木)、所作に女性のような優雅さがあり気が利くが耽美小説を書き突拍子ない言動もある加藤(川原)、豪放磊落天衣無縫、それでいておおらかな諸岡(加治)と、まったく違う性格の四人の若者が集うさまは青春を見ている眩しさがありました。

登場人物の四人が生き生きとしているのは細かい演出が活きているからだと思います。自分以外の人が話している時に他の三人はいつも真剣に話を聞いているようすが見てとれて、ただ聞いているのではなくその人を理解しようと話に耳を傾けている様子が感じ取れて好きでした。『陽炎』夏の号を古賀の部屋でみつけてしまった時の泉と加藤が無言で顔を見合わせるのと、古賀が放り投げた原稿をひとり拾い集める諸岡が台詞のない動作だけで見せているところでは好きでした。

あと照明の使い方が、パッと切り替わるのではなくじんわりと変化し気付いたら違う場所にいると錯覚するほど数分前とは違う雰囲気になるのが巧みでした。セット転換なしで最初から最後まで古賀の書斎のみでここまで見せられるのは色んな演出の術がつまっているからだと思います。

 日本の四季の豊かさを屋内の演劇セットで感じられるのも演出の巧みさのたまものでした。桜並木や雪原が見えなくても四季を感じられました。

 

 8月中に観に行った時にすでに四人の演技力と表現力の高さに満足していましたが、公演を重ねて9月になり前楽の演技では初めて観た時以上に、役と一体になって台詞を言っているのが伝わり、より登場人物の言葉の重みや熱さが伝わってきました。

何度か観ているうちに川原さん演じる加藤がどんどん心根が優しくてもらい泣きしそうになるし、三人が怒って無言になっている間一人おろおろしている様はかわいいし、母上の電報で動揺している姿はどうにかして励ましてあげたくなりました。

和服で正座をするたびにスッと着物の裾を片手でなでる仕草が優雅で好きでした。

不思議だったのが諸岡は下世話な話が多かったのになぜが男性が下ネタを話す不快感がなかったことです。加治さんの人柄に寄るところなのかな、と思います。ふざけて加藤に抱き着きながら腰を振るシーンがあるのですが嫌な感じがなくて犬が人の足につかまって腰振っているのを見てる時と同じ感覚でした。

泉の下手なヴァイオリンも毎回アレンジを楽しみにしてました。まず雰囲気たっぷりで始めるのにど下手で、さらにやっとなんの曲を弾いているかわかってきた辺りでもう一笑いがきて、終わったと思った瞬間に怒涛のど下手アレンジがくる三段構えがずるい。

最後の冬でふじこにプロポーズした経緯が泉らしいし、人のことをほおっておけない優しさに惹かれました。

 四人とも魅力あふれるキャラクターで、今年の夏にしか会えない特別な存在になりました。

 

毎度毎度、安西くんの演技を褒めていますが今回もやっぱりすごかったです。

共演者がいるのものの女中のおきぬとのやりとりや、最後の冬の場面で次回作の構想を語るシーンは一人芝居のようなもので、その時に見せる演技が、もう抜群によかった。

私は安西くんのことが好きだと言うことを前置きして、これは褒め言葉として受け取ってください。秋の場面のおきぬシーンですが酒で睡眠薬を飲んでべろべろになりおきぬを呼びつけている時の恐ろしさが小劇場のため肌で伝わってきて、一体この人はどこからこの空気を連れてくるんだろうな…と怖くなりました。女性ならあのシーンは自身の身の危険を感じるものがあったのではないでしょうか。あそこで隣に座っていたら間違いなく乱暴されるだろうし、そこに行きたくないおきぬの心境が異様な雰囲気をだす古賀を通して伝わってきました。ほんとに私は安西くんが好きなんですがあの古賀を演じている時は怖かったです。なぜ演技であそこまで客を恐怖に陥れることができるのか…。

そして最後に小説の構想を話す15分ほどはあろうかという一人芝居。姫が極楽に行った場面、姫が独り言を呟いた瞬間、そして小説の締めと要所要所で客席の意識をスッと持っていくような演技が巧みで姫の台詞を言う時も誇張せず自然と女性の声として聞こえてくるので演じ分けが素晴らしかったです。

 

おきぬシーンや構想シーンの芝居が素晴らしかったので、いつか朗読劇や一人芝居もやってくれたら嬉しいな、とぼんやり思っていたらなんと!先日!一人芝居の舞台が発表されました!「いつか」は意外と早くきた。

 

 

 

 

 

ミュージカル刀剣乱舞~葵咲本紀~

大阪公演

 

唐突に決まったけど行ってよかったな、と今は思います。

歌の時は出るけど、演技中の高音が出しにくそうだったのでのどが心配でした。

二部の客降りで明石が空いている席に座ったので周辺の客が阿鼻叫喚歓喜の断末魔でした。また太鼓叩いている双子に集中しすぎて衣装チェンジがまったく見られませんでした。たぶんライブビュまで見られないと思います。

 

 

 

 

ミュージカルテニスの王子様 青学vs立海 全国大会前編

凱旋公演

 

いつにも増して千秋楽挨拶の「誰一人欠けることなく」という言葉が響きました。

 

凱旋で一番、目を引いたのはD2でした。

竹内力くんの乾が真逆な二人でデビル化しかけている海堂を何度も引き止めようと引っ張る手が印象的でした。乾が倒れてゲームセットになった後、マイクが拾うか拾わないかくらいの声量で悔しがる海堂の声もよかったです。

具体的に説明はできないのですが柳の「空蝉」の言い方が、ベタ塗りのコマに浮かび上がる台詞のように響いて聞こえたのでボールを拾えなかった乾・海堂のような気持ちになりました。

あとはなんと言っても前田くんのデビル赤也ですよね。たぶん全員が褒めに褒めてたと思います。東京公演の時は気味の悪さが印象的だったのですが、凱旋になったら凶悪性が強くなっているように感じました。歌もデビル赤也としての歌い分けもできていて底知れぬ可能性を感じました。今後、たまたま観に行った舞台に出演していたらテンション上がる俳優の一人になりました。前田くん。

 

 そしていつの間にか大人気キャラとなっていた3rd全立オリジナルの冷上剛(ヒィアウィゴ)先輩。新たなキャラクターを生み出したうえにここまで愛される存在に仕上げた川崎くんのエンタメ力の高さ。この公演に行った人しか見られない特別な存在を作り上げた功績は語り継がれると思います。

日替わり長い、とか言ってましたが結局いつも通り楽しんでました。

 

千秋楽はライブビュだったんですが、特典の終演後挨拶が今回は対戦相手、試合がない人たちは日替わりを一緒に演じた組み合わせで、リョーマと幸村以外はみんな最後の試合なので演技の思い入れが率直に伝わってきました。

大千秋楽直後なのでみんなナチュラルハイすぎて、こっちも釣られてナチュラルハイになり、最終的にテニス最高セイヤ―!になれます。

 

 座長あいさつでにちかくんが言っていた「テニミュは年中無休だね!」から、年間スケジュールが決まっているテニミュの土台の強さと安心感を感じました。

集大成、がんばれ~!!