ちわきにくおどる

そんな気持ちにさせてくれ

2020年1月まとめ

本年もどうぞよろしくお願いします。

 

 

ミュージカル『刀剣乱舞』 歌合 乱舞狂乱2019

 

11月から通っていたのですが初日でネタバレすなアナウンスされてしまったのでふせるのが面倒で終わってから感想を書くことにしました。最後の顕現だけふせればいいとは思うけどいろいろ面倒なので。

刀のネタバレに対して厳しい空気があまり馴染めないです。ミュ、ステに関わらず楽日後にわーーーと絵やら考察やら流れてきてへぇ~面白そうじゃんと思ったら終わっているのでなんか疎外感を感じます。でもこんだけ核心に触れることを伏せていても会場がそこそこ埋まるのはすごいですよね。

 

さて歌合の感想です。

らぶフェスから趣向替えし、今回から交互に歌を詠む「歌合」がテーマになりました。端的に言うなららぶフェスは「祭」で歌合は「神事」・「奉納行事」でした。らぶフェスがライブ:芝居=9:1なら、歌合はライブ:芝居=5:5て感じ。制作も芝居を多めにしたいと言っていたのでまぁそうなるよね、といった構成でした。

 

芝居パートでもっとも気に入っているのは『小狐幻影抄』です。

わたしがゲーム始めるきっかけとなったのが小狐丸でした。単にビジュアルに一目惚れをして、鍛刀で早めにきてくれて、一番最初にカンストさせた思い出深いキャラクターです。もともと好きなこともありますが、この話は巴里公演で休演してしまい、凱旋公演はダンサーの岩崎さんに代役を務めてもらった経緯を昇華させるようなストーリーになっていました。この経緯を知らなくても二振りの小狐丸が現れる手品のような演出や、狐たちが怪しげに楽しげに踊る姿など見どころはありますし、知らなくても脚本としてそのまま読めるようになっているのが脚本として一番力があったように思います。

千秋楽後に各脚本家の担当が公開され、唯一調べても過去の仕事がまったくヒットしなかった白川さんが書いたものとわかり驚きましたが、経歴が刀ミュシリーズを書き続けている御笠之さんの助手ということで納得しました。

助手としてのリーチはありましたが、おもしろい構成を書く方なので別のお仕事も期待しています。

 

あと脚本というよりかは、アリーナレベルで一人芝居をしていた荒木さんが素晴らしかった『にっかり青江 篝火講談~夏虫の戯れ~』がお気に入りです。

「菊花の約」という雨月物語にある話が元になっているのですが(ツイッターで教えてもらった)、荒木さんが日によって登場人物の宗右衛門の演じ方を変えるので、頭の中に浮かぶ光景が変わったりしておもしろかったです。今日はどんな風に「自害をしてね」を言うのか楽しみにしてました。

 

歴史上人物パートは、日替わりで色んな鯛になる貞愛がおもろかわいくて、またファンが増えるな~と内心にやにやしながら見てました。だんだん自由になっていく徳川家。

長野の初日では久しぶりに舞台上に立っている要さんの姿を見て生きて動いている姿に感動して「おかえり」が人外言語となってしまいましたが、各地でもみんなに迎えてもらえて、皆さんの優しさが嬉しかったです。よかったねぇ。

双子のシンメを観た時が一番戻ってこれたことを実感しました。

「獣」で刀剣男士たちの後ろで和太鼓を叩いている姿が凛々しくて、年始のさいたま公演で観た時、年末の接触イベントで話した人と同一人物であることにびっくりしました。トライアルからの演出ですが、歴史上人物が和太鼓叩く演出にしたのは天才だと思いました。あまりにもかっこいいので目が離せず、結局双眼鏡定点がやめられずに周りが今何で沸いているのかわからず終わりました。

テニスのサエさんもですが要くんは役がはまると、華やかさが普段の何十倍も増すのでいいギャップを持っていますよね。

 

最初と最後の演出については、ゲーム内の「鍛刀」を刀ミュ解釈でやりたいのがテーマとしてわかりやすくて楽しかったです。

白の狩衣のような衣装で歌い踊る見目麗しい青年たちは絵になりますし、神事のような雰囲気で舞台上を異空間に見えました。俳優は紛れもなく人間なのに、あの場にいた彼らは人ならざる者のように感じました。元が整っているのもありますが、刀ミュは俳優をキャラクターに寄せる技術が優れていて、鑑賞する娯楽性が高いと思いました。

話逸れますが、公式に沿ったシルエットだけどよく見ると三つ編みループ編みねじりが多用されているヘアセットはすばらしいですよね。蜂須賀や今剣など長髪キャラは特にアレンジが多彩で羨ましいです。(なにが?)

ビジュアルもですが、「かみおろし」「君待ちの唄」で歌唱力のある人が重要なパートを担って歌で圧をかけてくるので、雰囲気に呑まれそうになりました。実際呑まれてました。特にspiさんの歌唱力は桁違いで、あれだけの人数をワンフレーズで引き寄せる迫力が素晴らしかったです。世界観がはまる作品に出会うと舞台に限らず映像でもその世界に引っ張られて心が現実にはないところに飛んでしまうのですが、M27~M30の間はそんな感じでした。

 

サプライズ出演に関しては、思うところありますがキャストのファンではないわたしがづらづら文句並べてもなぁ~~~て感じなので触れません。

 

 

 

 

 

 ミュージカル デスノート再再演

 

キャストのみ一新し、脚本演出はそのままの再再演でした。

原作が好きで初演から観ているのですが、ラストのはしょり具合は初演からずっと気に入らないのでそのあたりは割愛します。時間ないのはわかるんですが、一番好きなキャラのLがあの展開だと無能すぎて…。脇甘々すぎるじゃないですか…。

 

今回も月はWキャストで甲斐さんの公演を見ました。

甲斐月の第一印象なんですが、…背ぇデカ!!でした。演技の印象ですが若さ溢れていて、「キラは幼稚で負けず嫌い」というプロファイルがぴったりな印象でした。キラとしての自分の行いは正しいという考えに高慢さは少なく、正義心からの行動といったように感じました。メディアミックスで色んな月を見ましたが、若さを全面に出しているのは初めてだったのでおもしろかったです。自分が年とったのかな、とも思いますが。

月が倉庫で死ぬラストシーンは歌うというより台詞を言うような歌い方だったので、村井さんの月がどう演じているのか気になりました。

颯Lは骨格が理想的なLでキャスト発表の時点でビジュは個人的に満点でした。喋り方や歌い方が淡々としているところがあって、感情表現が少ないLなのも好みでした。歌も冷たく聞こえて好きでした。

舞台とはなんも関係ない話ですが、颯くんはキャスト発表の前に一度だけツイパラの対バンで代官山の小さなライブハウスで歌っているのを見ていたので突然の大抜擢にひっくり返ってしまいました。ライブ後にフロアにいるお客さんたちに自分からビラ配っていたので…。あの日ライブハウスにいたファンのみなさん、おめでとうございます。(?) 推しには自分のやりたい仕事してもらえれば十分ですが、一発逆転も見てみたいなと思います。

レム役のパク・ヘナさんのイントネーションが少し気になりましたが死神役だったし、見た目の線の細さや儚さのある歌い方で女性的で少し神秘的なレムでこれはこれでよかったです。初演・再演のレムは弥砂に対して母性を抱いている印象でしたが、パクさんのレムは人間への純粋な興味と愛情を抱いているようでした。

アンサンブルを含めて全員歌唱力が高いので、曲もワイルド・ホーンだしまた聴けて嬉しかったけど、やっぱりラストは何年経っても気に入らなかったです。時間がタイトなのはわかりますが。でもまたやってくれたら観に行くと思います。

 

 

 

 

 

ウエアハウス ーdoubleー

 

脚本・演出の鈴木勝秀(以下スズカツさん)さんの作品に何度か安西くんがでたことがあるので、なんとなく作風はわかっていたものの以前見た作品の何倍も気持ち悪く居心地の悪い舞台でした。でもつまらないものを見るよりかはまだ気持ち悪くなるほうが考える楽しさがあるし、不快感を感じさせる脚本と演出と平野さんと小林さんの演技を巧みさを味わうことができました。アフタートークで感想として言っていた安西くんの「心もたれ」という表現が合っていました。胸になにかが詰まって吐き気がしました。

 

ストーリーは会社員のヒガシヤマ(平野良)が暗唱サークルの自主練を閉鎖されている教会でおこなっていたところにルイケ(小林且弥)という男が偶然訪れる。初対面の二人はなんとなくお互いの身の上話や世間話をしていくが、少し噛み合わない。

 

小林さん演じるルイケという男は初対面の人間に英語が話せないのに「It is hot today?」と話しかける。名乗り自ら免許書を提示するが、一瞬だけ見せてもらった相手の住所と生年月日を暗記する。どちらかというとヒガシヤマの方が自分自身の話をするばかりでルイケは自分のことを話さない。それを指摘されると後半で自分が住んでいるぼろアパートとそこに住む人びとの悪人ではないが気が滅入るような生活を話す。後味が悪いためヒガシヤマがそれとなくやめるように話題を振るがしつこく続けようとする。

客席で二人の会話がたまに噛み合わなかった部分がだんだん増えてきて、ルイケという男の得体の知れなさに居心地悪さを感じているうちに、気が滅入る話をし続けながらルイケは舞台上にある椅子代わりの黒い木製の箱を出入り口付近に積んでいく。と思ったら世間話のようにヒガシヤマの着ていたジャケットをほめて腕を通す。そして人のジャケットを着たまま話を続ける。

積まれた箱も避けて通れば出られるし、ジャケットに貴重品を入れているわけではない。でもなんとなく急いでこの場を離れる雰囲気ではなくなっている。

観客はこの時点で舞台の冒頭で詩のようなセリフを一人で言いながらポケットから小型ナイフを出して眺めているルイケの姿と二人が出会った序盤でヒガシヤマのスマホに通り魔の速報ニュースが届いていることがリンクしている。

教会の入り口で犬が激しく吠える。犬を静かにさせるためにルイケは一度外にでる。その間にヒガシヤマは他の出口を探しに一度反対方向へはけるがまた戻ってくる。そこにナイフを持ったルイケが戻ってきて「騒音の元を消せばいい」と話す。

ヒガシヤマは大声で助けを求めるが周辺に人通りがあるような様子はない。ルイケはまだ後味悪い身の丈話を聞かせようとする。

ヒガシヤマが抵抗した拍子にナイフが床に落ちる。ホワイトノイズが大音量でかかり、はっきりと聞き取れないがルイケが這いつくばっているヒガシヤマに何度も「拾え」「拾えよ」と大声で命令しているのが聴こえる。

拾ったナイフの先をルイケに突きつけヒガシヤマが立ち上がるとホワイトノイズは病む。ナイフを持っているヒガシヤマの腕を掴みルイケは抱き着くように引き寄せる。客席からはナイフの先がどちらを向いているかわからない。そのまま二人は動かない。しばらくしてナイフが足元に落ち、ルイケは立ち去る。ヒガシヤマは腹の辺りを抱えているが怪我はしていない。

暗転。

ルイケが置いていった本を読むヒガシヤマ。冒頭に彼が言っていた詩のような文章は彼の本に書かれていたものだった。

 

 ヒガシヤマを演じている平野さんのお芝居が自然体で市井の人で、ルイケを演じる小林さんはアンニュイな空気を漂わせ普通の人とは違う雰囲気を出していて、世間話から少しずつ二人の価値観のズレや類家の異常性が現れてきて、少しずつ、けれど着実に観客に不快感を持たせてくるので、演出と演技の巧みさが観ていて心地よい、でもルイケから感じる嫌な気配から逃げたくなるしヒガシヤマが感じている恐怖が伝染してくるので脈も乱れてくる、好奇心による怖いもの観たさで吸い寄せられるように舞台上を観ていました。

 

こばかつさんの独特なアンニュイというか薄暗い色気がとても好きなので、8月に初演出されるるひまの舞台が楽しみです。主演はなんと安西くんです。(宣伝)

 

 

 

 

1月まとめが長い割に内容がないのは、ウエアハウスで感じた不快と恐怖を伝えたくてブログでストーリーを羅列してしまったからです。

手紙を出す時に上手く感想を伝えられるように、練習として(なるべく)毎月更新にしてから3年目になりますが一向に上達しないので諦めてきていますがなにもしないよりかはマシなので今年もなるべく毎月更新がんばります。