ちわきにくおどる

そんな気持ちにさせてくれ

しぬステ、とってもとってもとってもとってもとってもとってもとってもとっても、おもしろかったです!!!!!(感想)


芝居も歌もダンスも上手い大御所から中堅、若手まで実力者が集められ、二時間ノンストップでバカバカしいギャグ漫画を舞台に体現すべく全力で駆け抜ける。

その突き抜けた勢いは感動さえ覚えるが、やってることがバカすぎる。(例:野球拳)この街にはバカしかいない。

 


注目が集まっていた砂になる方法が、プロジェクションマッピングが当たり前になりつつある昨今、全て人力全てアナログでありとあらゆる方法で死んで砂になる。

砂以外にも舞台ではどう表現するのか、可能なのか気になっていたさまざまな吸血鬼たち(例:ゼンラニウム)をすべて人力で演じており、中劇場なのに小劇場のような良い意味でチープさもある表現が原作のばかばかしさに合っており、アナログな手法だからこそ再現度が高くなる、珍しい方向性で見事にマッチした演出だった。

 


演出も創意工夫が素晴らしかったのですが、しぬステはさらに全キャストの高い技術が相乗効果を生み、ここまでハイクオリティな(ハイクオリティ?)な舞台となりました。ここまでエンタメに振り切って、才能を無駄遣いを見るのは気持ちがいい。贅沢とは浪費。

 


出演もしてないけど、あまりに全員が素晴らしかったので全キャストのコメントを書いていこうと思います。

よく大楽後にブログが得意なキャストがやるやつ。

 

 

 

 


ラルク役 一慶さん

一慶さんだからこそ、しぬステは成り立ったと思います。一慶さんしかできないであろう頭の回転が早すぎるツッコミがアドリブはもちろん固定のツッコミも全て面白い。ただでさえおかしい場面が一慶さんの一言によりさらにおもしろさが倍増し、しぬステはここまでおもしろくなったのだと思います。

舞台にハプニングはつきものですが、一慶さんはそれをほとんど回収しギャグへと変えてしまう器用さがすごい。個人的に驚いたのはウイッグの毛先に砂がついてしまい、客席の笑いで即座に見えないところについているのを感じとって「どこだ?どこについている」と言いながら視界に入らない場所を払った回です。勘よすぎ。

あとジョンを動かすのが上手すぎて、ラストスナァ……のドラルクを心配するジョンが生きているようで見えないのにどうやって稽古つけたのか気になります。やっぱ動画とって感覚で掴んでいったのか?

 

 

ロナルド役 鈴木さん

漫画みたいな顔がうますぎる。目玉がでかい。本当にギャグ漫画の驚いた時の顔。セロリで泣いている時の顔が特に好き。けれど冒頭やギルド曲や決める時は主役のセンターに立つべき人のかっこよさがありロナルドの黙っていればイケメンを表せるのは鈴木さんの持ち前の性質だと思いました。顕著なのは舞台上でマイクロビキニからの着替え後、片手を上げて爽やかに笑うところ。

一慶さんのツッコミが目立っていましたが、日に日にラストの「おっぱい!おっぱい!」の声のボリュームがデカくなっていくところやマイクロビキニで尻をわざと客席に向けているなど細かいところで面白いことをやっていて貪欲な一面も知ることができました。

 

 

ドラウス役 今さん

吸死アニメは大御所になんて役をやらせてんだよ、というのがアニメならではの面白さだと思うのですが舞台でその役割を担っていたのが今さんでした。わたしは日比谷界隈に詳しくないのですが、歌唱力はもちろん表現力がこんなに高い人にわけわからん歌詞の歌を歌わせているくだらなさが最高に贅沢でした。

気品があってお茶目な点も役そのものでした。

 

 

吸血鬼Y談おじさん役 OH-SEさん

大御所になにをpart2。振り付けも担っており、ショーパレっぽい華やかな振り付けで好みでした。Y談曲のジャンプし半回転する振りでスリーピーススーツの背広が綺麗に広がるが美しかったです。変な歌詞だけど。OH-SEさんも立ち振る舞いに品がある人なのでY談でも下品にならなかったのかと思います。

ご本人のことではなく恐縮ですが、個人的に要くんのダンスのキレはあるけど緩急の急急急!て感じで勢い任せ、力任せな点がずっと気になっていたのですが、しぬステではそれがなく、振りと振りが自然につながっていたのでOH-SEさんの振り付けと振り入れ時のレッスンが良かったんだろうな〜と妄想しています。

 

 

半田役 吉高さん

お噂はかねがね聞いてましたが、しぬステで見たらそりゃ駆け上がってくるし、これからもっと行くなと思いました。歌の上手さ、スタイルの良さは納得ですがそれ以上にお芝居が舞台を心底楽しみながら演じているのが伝わってきて、い〜い役者だ!と思いました。本役の半田も良かったのですが吸血鬼野球拳大好きの時により一層楽しんでいるのが伝わってきました。

 

 

ヒナイチ役 其原さん

「ちんちちーん」(どうしよう……)がかわいくてニタニタしながらオペグラで見てました。ひどい単語を舞台上で叫ばせてしまって申し訳ないな、という気持ちもあるけど演じ方が上手いのでジョンの鳴き声みたいで可愛かったです。クッキーも大変だろうなと思いながらも一慶さんに対抗する姿がかわいくて今日はどう対応するのカナッ…⁉︎とここでもオペグラしました。

 


フクマ役 寿里さん

ツイートがずっと面白い。本役よりも兼役の方が多い一人でお疲れ様でした。ナギリ以外の兼役は元気なキャラが多かったですが、フクマさんの時は無言の圧がよく出ていて一つの舞台でこんなに色んな種類の演技が見られてよかったです。寿里さんの体格に合わせて作ったらしいバカデカバトルアックスも使いこなしていて前方列で見たバトルアックスは客席まで届きそうなほど迫力満点でした。

 

 

サテツ役 重松さん

真面目で優しくて押されると負けちゃう絶対いい人だと初見で伝わってきてキャスティングぴったりでした。客降りの時、要くんと対になっていたのでほとんど見られなかったけどちょっとはにかんだような笑顔がキャラらしくてかわいかったです。ミカヅキくんに絡むところもサテツだけ「眼鏡かっこいいですね」等褒めてていい人だった。

 

 

シーニャ役 じゃるさん(鈴木さん)

トートダンサーのダンスをここで見られるなんて…!ゼンラニウムの栄養の行き届いている蔦が顕著でしたが、セロリダンサーの時も公演の後半でターン等足していたり、バックダンサー時は一人だけ動きの優雅さが違うのですぐわかりました。吸血鬼マイクロビキニのダンスショーは野球拳大好きが「驚愕のダンス」「見たこともないダンス」とハードルを上げますがあんな狭い野球拳結界の中で踊りこなすのはさすがでした。シーニャの話が全然出てませんがY談結界曲の時に他の人より足をきちんと寄せて膝を深く折るのがシーニャらしい動きで好きでした。

 

 

マリア役 明音さん

かっこよすぎてめろめろ。ドスの効いた低めの声でいうセリフはもちろんかっこいいですが歌声もかっこいい。野球拳でジャンケンに負けた際の絶叫が日に日にデカくなっていき、こんなかっこいい人がリアクション芸で笑いをとりにくるのがしぬステがいかに一筋縄ではいかない舞台だったかを物語っていたかと思います。人間靴下コレクションもイケボでめろめろ。ショットとよく並んでいたので顔がいい二人を同時に眺められて眼福でした。

 

 

ター•チャン役 田崎さん

日替わりの天才。要くんの武々夫をおいしくいじってくれてありがとうございました!ター・チャンに楽屋裏の努力をバラされたり、褒められたかと思えばオチでちゃんと罵ってくれたり笑わせてくれる上に双方のファンへの配慮がうまい。てなことをツイートしたらエゴサでみつかったらしくいいねもらってしまって照り。エリが結婚する20個上の金持ちの職業もウィットに富んでいました。PTA、元落武者、遣隋使。もう職業じゃない。

 

 

メドキ役 大見さん

本役より兼役の方が多いPart.2。特にIF世界線ナギリ回に入ってからの早替えはめちゃくちゃ大変だったと思います。七変化。兼役のミカヅキくんの方が印象が強いのですがバカが足りませんよ!の時の吹っ切れた笑顔が晴れやかでした。

 

 

ホームランバッター役 千賀さん

最年少初舞台と聞いてましたが、ベテラン勢に混じっても立派に演じていたので、また他の舞台で見たいです。出世すると思うので実は彼は初舞台から見てるんだけど〜とタチの悪い古参顔をさせてください。(今、星元くんでやってる)

 

 

コユキ役 知念さん

みんな言ってるけど身体能力が高すぎる。他の人とちょっと違うことを言うならY談♪Y談♪の時に頭の位置が全く動かないのが彼女の身体性の高さを物語っていました。

途中までジョンは裏で声を当ててると思っていたので本当に生きているかのように動かしながら声も当てていて、時たまテグス?が絡むのもあったのですが器用に動かしながら解いていて、ドラルクミュージカルではジョンも動かしてスナァ…も曲間にやってプロフェッショナルでした。彼女も本役以外の話になってしまった。

 

 

暴々夫役 ウラシマさん

要くんとは旧知の仲で何度か共演があり中劇場2.5舞台で観ているのがちょっと不思議な気持ち。ゼンラニウムの一言がめちゃくちゃ面白くて涙流しながら手を叩いて上向いてガハガハ笑ってしまいました。マジでバカウケしてる時の私は泣きながら仰け反ります。「おじいちゃん」「婦人会」と「ヘヴィメタ」「ラップバトル」「ブルベイエベ」のあまり繋がらない言葉の組み合わせがよかったです。

個人MVP「さて、我はこれから駅前で歯のないおじいちゃんたちとラップバトルをしてくるかのぅ」

 

 

ショット役 要くん

中段で一人だけ長文になるのはバランスが悪いしテンションが違うのでトリで。

本役じゃなくて恐縮なんですが、武々夫の日替わりがんばった!!すごいよ!お疲れさま!!!半田の壮大な窓割りから突然素明かりで一人約700人の前に出るあの空気。そして武々夫という名前はあるけどモブキャラ。そこで無音で一人日替わりを任される村上さんからの信頼。初日はどきどきしましたがこんなに演出家に頼られるのオタクやってて誇らしかったです。こういうところがBIG LOVE。さすがはわたしが芸能人として見初めた男。(何様)

田崎さん演じるター・チャンさんのいじりとも相性良くて、日替わり上手い二人が組んだおかげでさらに良くなったのだと思います。最掲になりますが田崎さんは双方のファンに気を配った上でおいしくするのが上手い。

ショットの鉤爪縄殺陣が今までにない武器で複数人いる上で思いきり動かすのは難しかったと思いますが縄がきれいな線を描いていました。リカバリーも上手かったです。衣装のマントも扱いが難しそうだったけどこなしていた印象でした。何をやらせても器用にこなす技量が好きですね。

OH-SEさんへのコメントでも書きましたが、特にメインテーマの「すぐ死ぬ♪すぐ死ぬ♪」時の手拍子は手を叩いた後の溜めからの次の手拍子への動作と力の流れがきれいに外へ流れていたので、要くんの体格と動きを大きく見せる技術(これはおそらく天性だとわたしは思ってます)と振り付け師orダンスレッスンの指示が上手いこと合わさってわたしのみたいもの見ることができました。改めてOH-SEさんありがとうございました。

 

 

 

実は初日入った時は「初見だからおもしろいんだろうな」と思ったシーンが多かったのですが、次の日マチソワしてもおもしろくて、ゲラゲラ笑っていて日替わり・アドリブとしておもしろいところ、変えなくとも何度見てもおもしろいところが常にありエンタメとしてたくさん楽しませてくれたしぬステに通えて上半期の締めとして最高に楽しい公演期間でした。

 


第二弾があるとするなら、要くんも出してほしいわがままを強く希望していますが、それ以上にW主演と演出は変更なしでお願いしたいです。要くんも出してほしいですが。

 


最後に完全に日記ですが千秋楽前日に22時過ぎ帰宅すると家の鍵をなくしていて管理会社に電話とメールをし、朝一でまた管理会社に鬼電しスペアを受け取り、爆速風呂着替えで銀劇に向かい、唯一の客降り動線通路席でファンサをもらえたので限界観劇した甲斐を感じました。鍵はその日ご飯食べたお店に落ちてました。

バカエピソードを大楽直前に生み出してしまったのもいい思い出です。なんとかなったのは生存バイアスですが。

 


技能の高いキャスト陣がその能力をフルに活かして、劇場にきたお客さんのためにばかばかしいことを全力でやるお金でははかり得ない贅沢を味わわせていただき、ありがとうございました。