ちわきにくおどる

そんな気持ちにさせてくれ

ホスミュʄ感想

きゃー!一年ぶりー!と思いましたが前作は今年1月上演なんですね。

そう考えると結構早いターンで上演してますね。

 


2時間20分休憩なしでしたが、前半はミシェル王女・後半は体育祭と2つの話で山場を作りつつ、各キャラのホスト部に入るきっかけ・環との出会いを合間に上手く挟み、複数回観ても集中が割と続いて楽しむことができました。

 


セットも変わり、中央に前後に動くせりみたいな扉付き舞台装置(無知失礼)が場転でさまざまなな印象を与え、ある時はメタに、ある時はコマ枠からキャラが覗き込んでいるように、ある時はキャラクターの心象風景に見えて、客の想像力で補われる舞台ならではの見せ方がたくさん見えておもしろかったです。

 


後ろに下がって扉が閉じる時に、骨組み中に入ると照明が逆光気味になってキャラクターのシルエットが濃い照明で浮かび上がるのが、二次元的に見えるのが好きでした。

白組作戦室が下がっていく時にいたずらで鏡夜先輩のキーボードを押したのを相手のせいにしてる馨とれんげちゃんがすごいかわいくて顔CPをお許しください……と思いながら見てました。誰に許しを乞うているのか知りませんが。

 


キャラクターの心象風景とは双子の心の鍵のことなんですが、今まで場転として見えていた扉が中等部回想曲で二人の心の扉になるのが上手すぎて、漫画やアニメではすぐ背景を変えられるけど舞台では同じものを客席に読み取ってもらわなくてはいけないのでむずかしいところがあると思うのですが、ここが一発で伝わってきて、心を閉ざした扉に見えた瞬間がめっちゃ気持ちよかったです。すげー!同じものなのに全然違うものとして見える!!!快!!!

 


あと体育祭の組み分けで双子が組が別れちゃったのも光は走りながらかわいく拗ねてるのに対し、馨は無言で歩いて扉を開けてるのも二人の心の成長具合が読み取れていいですねえ〜。

 


あと体育祭の白組ダンスの決めポーズ後、装置が下がると同時に馨くんが舞台からセットの階段に足を乗せるのもいいですね〜。(立ってるだけでかっこいいレベルのどうでも良い感想なので真面目に見なくて大丈夫です)

 


ここまで読んだ人は気付いたと思いますが、基本馨くん(要くん)のことしか見てないので馨中心の感想になります。

他のキャストの感想もあるけど偏りがすごい。

 

 

 

 


ストーリー構成は先も述べた通り、前半ミシェル王女メインでハニー先輩過去回、ハニモリ兄弟を合間に挟んで進みます。

前回の一幕はれんげちゃん一人勝ち状態だったのですが今回はあの強烈な同担拒否曲にも負けず劣らずミシェル王女大活躍でした。

可愛くて歌うまなんですが、何より日替わりアドリブが全部違って全部笑いとっていくのが素晴らしかったです。

客席がどうしても女性客が多くなってしまうので、そんななかいい塩梅にボケて笑い声が毎回起きるほど持っていくのでシンプルに笑いのセンスがよい。異性キャストと共演するのも嫌だという人も一定数いる場で(その気持ちは悪いものではない)笑いを取るって本当にむずかしいと思ってたので本当にまじすごい。

 

 

 

前半の締めでハルヒと環のデュエットから一転して「変態お父さんだぁーーー!!」のコメディになるんですがこの「変態お父さん」が何度聞いてもおもしろかったです。

語感の強さもありますが小松くんの演技が上手かったです。

一つの舞台に通っていると初見にしか受けないギャグと日替わりだから受けてるギャグがわかってくるのですが、この「変態お父さん」は台本と演出に忠実に全公演全く同じ言い方にも関わらず毎回おもしろかったので、小松くんの中に環という王道王子系キャラの芯を感じました。ブレずに台本通り演じて毎公演同じ客から笑いを取る王道、主役としての強さみたいなものを垣間見た気がします。

「変態お父さん」以外も環のギャグパートはたくさんあるのですが日替わりすることなく笑いを取っていくので今まで日替わりおもろい奴が優勝!と思っていた自分には新鮮で、こういう魅力や力を持つ人がいるんだなあと目から鱗でした。

 

 

 

本公演で存在感と異才を放っていたのは埴之塚靖睦の熊谷くんのひよこターンでした。

場転繋ぎのパート以上の仕事をしていて大阪公演でも唯一進化し続けたシーンで熊谷くんの高低差のやばい振り切り演技がはちゃめちゃにおもしろかったです。ハニー先輩宇宙人説もすごかった。UFO!UFO!ひーよこ!ひーよこ!

あとスマホ投げる演技がめちゃくちゃうまい。すぐ投げる動作だけでポケットに入れてのはわかるんだけどしまうのが自然で器用でした。

 

 

 

れんげちゃんの歌が体育祭までないので最初は今回はれんげちゃんソロないのかな?とそわそわしてましたが体育祭でたっぷりと魅せてくれてありがとうございます!初日から自然と拍手が沸いててそれはそう!

 


事前に客降り演出ありとお知らせがあり、てっきり観たことないけどエーステ方式だとテニミュ脳は思い込んでいたので体育祭の途中で客降り始まって初めて見た時はびっくりして、それ以降れんげちゃんの「さぁ次はおまちかねの貸し出し競争ですわ」を聞くと心臓が痛くなってきて頬も熱いなんらかの発作を起こしてました。

 


ペーパーローズがもらえなさすぎて替え歌を始めた人

 

 

 

後半の山場の体育祭は歌とダンスが長丁場で後半に向けてどんどん運動量が増えていくので大変だろうなとは思いましたが、学生時代の学校行事で感じた爽快感が蘇るエモさもあり盛り上げ方を積み重ねていくのがすごく上手かったです。

 


今回ホスミュ演出の米山さんは夏に安西くん主演で脚本演出舞台「ドロシー」を観たのですが90分休憩なしでどんでん返しが5回くらいあり、演出も巧みですごいテンション上がった現場だったけど、でも原作付きだとわからないからなーとハードル低めにしたのですが、同じくらい演出が上手くてめろってしまいました。演出にめろるって何?

 

 

 

 

 

 

以下、馨くん(双子)のターン。

 


今回一番嬉しかったのが舞台装置で触れてしまったけど中等部時代の性格悪い時の双子が見られたことです。

顔目当てでどっちの顔でもいい、ってのは確かにひどいけど気持ちを弄ぶのはひどい!でも最高!

光に告白してる時に興味なさげに爪見ているの最高!大阪では前髪いじりも入っていていいね!

要くんは他の舞台でも、興味ない・退屈のポーズは爪を見て表現するのでわたしの中でお決まり好き芝居になりつつあります。

曲も双子の歌唱力を遺憾なく発揮してて、二人とも感情をのせて歌うのが上手いですよね。贔屓なく表現としてキャストの中でも群を上手かった。

 


曲も90年代後半ジャニーズ曲っぽくて癖になって楽しかったです。

今回のホスミュ全体的に歌謡曲っぽくて耳馴染みがあり、見れば見るほど癖になる曲ばかりで楽しかったです。

 


歌もいいけどダンスも良くて、というかようそんな勢いよく上半身降ってふらつかずいられるな、という体幹の強さを感じて興奮してました。ウイッグ飛ばないかハラハラするほど全力でした。

 


大阪のみの小話ですが、一番前の幕裏で早着替えを行なっているのが袖奥のスタッフが照らすLEDライトで影が動くのが上手端に座ると見えてゆらゆら動く影を見ながら、まさに今暗幕の裏で着替えてる!と思って興奮してしまいました。ごめんなさい。

まあ着替えと言っても上着だけなので。許してほしい。

 


今回一番興奮したのは体育祭前の光に初めて共有されない出来事があってショックを受ける馨くんの「え」ですね。

フィクションでの暗い話、人間の醜い感情を上手く表現しているものが大好物なので、エンタメ色の強い舞台でも僅かな憂鬱要素を吸い尽くして楽しんでいました。

というか要くんの負の感情を立ち姿から表現してくれる芝居が好きすぎる。比嘉公演ベンチから延々と擦り続けます。

中等部時代曲のリフレインもワンフレーズで心象表現を見せてくれるのも最最最高でした。初めて見た時はソロくるか?と期待してしまいました。

 


ダンスは見せ場でもありましたが体育祭のフィナーレが華やかでよかったです。

本音を言えばもう少し力を抜いて、雰囲気で見せるのを身につけないとこれから体力減っていくから大変になるよ、と思うのですが30で全力で踊ってくれるのはえらいっちゃえらいのでがんばってるなぁと思いながら見てました。

また、ここでも勢いだけで左右にターンして、地軸かな?というくらいぶれてるのに着地はきっちり決めるから体幹の強さを吸えるのでよかったです。いつの間にか体幹フェチに目覚めつつあります。

公演中に気付いてびっくりしたのが白組ダンスで鏡夜先輩を白組で囲んでいる時に膝をつけずにしゃがんでいて、なんで?絶対、膝つけた方が楽なのに。

 


ホスミュʄは歌、ダンス、芝居の全てで要くんの好きなところを堪能できて最高でした。

二葉の現場として最高の締めでした。

 

 

 

 


ここからちょっと不平不満愚痴直訴になるので大楽で綺麗に締まった方は気分を害すると思うので読まないでください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


東京楽の熱量が素晴らしかったので大阪初日で東京初日のクオリティに戻ってしまったのがショックで大楽で少し持ち直したけど大阪3公演が東京よりあきらかに下がっていて残念でした。

大楽より東京楽の方が明確に表現はできませんが熱量があって東京楽のクオリティを大阪でも見せて欲しかったです。大阪でやっと劇場で観られた人もいるので、あのクオリティを大阪でも届けて欲しかったし大阪しか入らなかった人にこの位かと思われるのが悔しかったです。

できないことをやれと言ってないし、できるのを知ってるからこそ見せてほしいから言ってるんですよ。

これは誰かを責めているわけではなく全体に対して思うことです。

中学校の顧問みたいなこと言ってる。

だからこそ、そんな中で進化し続けたちかちゃんのひよこはすごかったです。大阪では彼の一人勝ちでした。

 


間が空いて集中切れたのかなとか、前回大阪中止になったから打てただけで安心しちゃったのかなとか、大阪でも客席埋まらなくて士気が下がっちゃったのかなとか色々思ってしまったので不満があるとしたら、その一点でした。

やる気が出ない時は何やっても出ないから気持ちはわかるんですが。

気持ちとしては東京楽でスタオベしたほうが気持ちよかっただろうなーというのが本音です。

 


でもそれを持ってしてもホスミュʄは舞台としておもしろかったのでマイナスになりませんでした。

ずっとテンション高く通える現場で楽しかったです。

第三弾があればʄのクオリティでお願いします。