ちわきにくおどる

そんな気持ちにさせてくれ

FCHWイベント-仮装制作記-

Happy Halloween

 

※※※注意※※※

この記事はイベントレポではありません。

衣装がんばった自分を自分で褒める日記です。

あと次回があった時、フォロワーの参考になればと思います。

 

 

 

先日FC限定イベントとしてツイパラのハロウィンイベントが開催されました。

久しぶりのFCイベント、二人の仮装、そして何より3ショット撮影!

昨年の2月のリリイベを最後に直接会える機会がなかったので仕切り越しでも直接話せる!しかも二人が仮装している!そして三部制!初のハロウィンイベント!ということで張り切って衣装を準備しました。三着。

 

 

 

 

一部 ベリーダンス衣装

4点セットでお手頃価格なのに見栄えも良いので満足でした。

デザインも長袖で露出を抑えているけど袖にスリットがあり肩や腕の肌がいいバランスで見えて、胴体部分がふんわりしたシルエットなので平たい胸族おそらく骨格ウェーブ科には満点のスタイル映えさせてくれる衣装でした。

気に入りすぎて当初は何も追加する気はなかったのですが、マスク着用なのでいっそマスクベールをつけたくなり作成。

 

さっそく日暮里繊維街へ。全ての仮装の材料はほとんど日暮里で揃えました。

日暮里の他にも、新宿のオカダヤや池袋のユザワヤは一店舗で揃うので何店舗も見て回るのが面倒な時はおすすめです。

あと日暮里は問屋なので日曜定休日のお店が多いし、18時にはほとんど閉店するので行ける時間が限られることも。

コスプレをしていた時期があって、自作衣装は日暮里で買っていた知見があるので久しぶりに行きましたが多少お店が変わっていて時の流れを感じました。とは言ってもトマト(店名)以外よく知らないので布は全てトマトで。

衣装に近い色のオーガンジーを買います。50cmから。マスク部分だけなのでほとんど余ります。

模様を付けたくて、ワッペンやらテープやら見ますが値段とピンと来る柄に会えずとりあえずリボンを購入。

後日作業中にひらめいて二部の衣装で使った布の残りで、「アラベスク模様 書き方」でググってフリーハンドで書いて切り抜き、理想に近いマスクベールになりました。

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二部 キョンシー

開催告知からキョンシーは即行で決定しました。なんかチャイナ服系着たかった。

撮影会は指定ポーズがあり、うち一つが手を垂らすオバケのポーズがあったのでキョンシーはこのポーズで決まりだろう、なら袖に「勇」「要」とつけて自分がテロップになるのも面白いのでは?と思いワッペンを作りました。

こちらは100均の布。貼れる布という商品で時間ない自作レイヤーお助けアイテムです。

https://jp.daisonet.com/collections/handmade0209

フリーソフトで自作した画像を転写してハサミとカッターで勇要を切り抜き。当初模様がありましたが転写で一つ書いただけで嫌になってやめました。でも、ない方が見やすくて良かったかも。

いざ袖に縫いつけようとした時に二人の立ち位置が当日までわからないことに気付き、不安になってマジックテープで付け替えられる仕様にしました。一手間増えてしまい、作業しながら面倒になって「こんなのいらんよ…」と思いながらも完成。

左右取り替えられるようにしたものの3ショ撮影は2:1だったので無意味でした。ヤハ。

 

キョンシーのお札はフリーソフトと加工可のフリー素材で作成。せっかくなので勅令の下を「TWiNs Land Halloween」をグーグル翻訳で中国語に。

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印刷して厚紙に貼り付けで裏に安ピンを取り付けて体に何枚か貼り付けました。すでに退治されてるキョンシー

他にもキョンシーの仮装をしている方が何人かいたのでお札のおかげで差分ができてよかったです。

他のキョンシーもかわいかった〜。被りは気にならないし、全く同じ衣装の人はいなかったけど違いがあった方が面白いので。

 

 


三部:黒花嫁

ドラキュラの仮装だけど燕尾服!会場は式場!となれば結婚するしかない!!二度とない機会を逃すわけには行かない!!!

というわけで一番がんばった衣装。

やっぱり要くん推しはウェディングドレス着たくなるので、ネタ被りはキョンシーの比ではなかったけど、全員、色もデザインも違うし、同じテーマでもそれぞれこだわったポイントとかコンセプトとかあるんだろうな〜と勝手に妄想してみんなのドレスを拝見してました。

 

わたしはハロウィンだし燕尾服ドラキュラの要くんと結婚する設定だったのでドレスは黒一択。

余談ですが、「フルーツバスケット」という漫画の花ちゃんという黒い服しか着ないキャラクターの台詞で「ウエディングドレスは純黒で…」というのがあり当日ギャグとしてウケたのですが、黒のウエディングドレスへの憧れも芽生えたので、実際の結婚式では着れないであろう黒を選びました。

ドレスは海外通販で。ロングパニエはアマゾンで。袖留めはキョンシーの衣装を買った通販サイトに安くてかわいいのがあったので一緒に注文。作ってもよかったのですがみつけた袖留めが割とよかったし間に合わなかったら怖いので。

ベールとチョーカーも既製品を見ましたが何故か発送が10月後半ばかりだったので、この二点を作ることにしました。

 


ベールの作り方は手芸用品店オカダヤさんのHPから

簡単☆手作りウェディングベール | 新宿アルタ[生地館4階・5階] | 生地、手芸用品のオカダヤ(okadaya)公式ショップブログ

ほかにも自作派レイヤーの必須サイト「うさこの洋裁工房」も参考にしつつ作りました。

【コスプレ用シスターベールの縫い方

こちらのサイトは他にも無料の型紙DLなどもあるので次回、小物や衣装を作ろうかなという方はぜひ参考にしてください。だいたいあります。

レイヤーにとっては今更情報だけど。

 


ベールは普通チュール素材なんですが、なんか透け感がオーガンジーの方が自分のイメージに近いので1.5m購入。レースは大きめが良いけど、値段もあるので5cm幅のもので。

形がいい感じになるように適当に角を丸く切って手縫いでレースをつけます。5m。

「はじめての繭期」をBGMに縫いました。衣装がゴシックなので気分が盛り上がりますね。2時間くらいで終わったけど、なぜここまでするのかふとした瞬間に正気に戻るも、最高の状態で写真を撮るためには気力がある限りはこだわりたいので、なんとか5m縫い付けました。

作り方サイトではコームですが、花飾りつけたかったのと会場で取り外しできるようにしたかったので100均のカチューシャに100均の造花をグルーガンでつけていきます。黒いバラがなかったのでアクリルガッシュで塗りました。探し回るのが面倒だったので…。塗るのも面倒ですが。

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青に特に意味はないです。(青は勇くんのメンカラという共通認識がある)

ベールも最初縫いつけたけど安定がイマイチでグルーガンでくっつけました。

飾りをつけるのが主な目的ですがグルーガンは縫いつけの手間を省いてくれるし、グルーガンで衣装作る人もいるので硬貨ケース作る方はそのまま衣装に応用できると思います。

ベール完成〜!

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したあと、突然手元にあったスパンをつけたくなって一段だけ付けました。でもない方がシンプルで上品だったかも。

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チョーカーは最初ちゃんと金具をつけようとしたけど幅のあるチョーカー用の金具が見つけられなくてレースにマジックテープをつけることに。マジックテープはグルーガンでつけます。

黒のビーズ紐もいい感じになるようにグルーガンでつけます。本当はレースの模様に合わせてシャンデリアみたいになるように(伝わる?)したかったけど、重さでレースが崩れたり綺麗に首に巻けなかったので断念。

日暮里のフリカケというお店で見つけたそれっぽい飾りを中心にくるよう縫い付けて完成。

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ビーズ紐もグルーガンで留めたので裏は汚いです。

 

フリカケ | 日暮里繊維街公式ホームページ

こちらのお店は最近流行ってる硬化ケースデコの素材探しで訪れる方がいるらしいので知ってる人いるかも。

他にもかわいい飾りがいっぱいあって目当て以外のものを買いそうになった。

 

面倒だな〜と思いつつがんばった、胸元のレースに接着芯をつけた写真も載せときます。がんばったので。

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これは商品写真で胸元のレースが気に入って購入したのにいざ着てみるとレースだけだと写真の通りに立ちあがらなくて「くそーっ!」となって追加で作業しました。

写真を見返すと見本通りではないけど一部は上手く見えているのでOKです。

 

もう一つ「ちくしょー!」となったのが飾りのボタン。縫い付けがゆるくて届いた時点で一つ取れてました。安い海外通販不具合あるある。

十個くらいあるのをきつめに縫い付けて補完。

 

あとは細く見せるために背中を少し詰めました。この衣装は背中はゴムでギャザーを寄せていたのでギリギリまで詰めても脱ぎ着しやすくて便利でした。

 

ここら辺の直し作業がたるくて嫌だったんですが、残った写真見て後悔したくない!という気力で終わらせました。

何度も「面倒」と書いてしまったけど(実際面倒だし)、どんな仮装にするか悩んだり、小物の構想を練ったりアイデアを考えたり、作ったりしている時もイベントと地続きになっていてとても楽しい時間でした。

優先順位つけるのにパニクったり、仮定していた出来と違ってパニクったり、予定より時間を消費してパニクったりしましたが、合わせ前のバタバタを久しぶりに味わえて懐かしくもなりました。たまになら生きてる実感がするので好きです。たまになら。

 

隠なのでハロウィンで仮装を楽しむ機会は無縁と思っていたので、今回仮装の楽しさを経験できてとってもうれしかったです。

みんなの気合いの入った仮装も見られたし、イベントを全力で楽しむ姿勢が同じファンとしても見ていて気持ちよかったです。

もちろん仮装をしていなくても、会場に来ただけですべてOKですし、ワンポイントだけでも仮装して楽しもうと工夫するのもありだし、それぞれの楽しみ方をしていてハッピーカオスフェスティバルで楽しかったです。

 

FC会員のみの限られた空間でどんちゃん騒ぎするの大好き〜!究極の内輪ノリ。

次回もあったら節度を持って、やりたい放題して、思い出は胸に締まって楽しみたいと思います。

 

2021年版舞台「風が強く吹いている」ー清瀬灰二は箱根で頂点を見るー

舞台「風が強く吹いている」

2021年6月16日~6月20日 六行会ホール

 

 ※副題にしている冒頭はポエムなので純粋な感想を読みたい方は飛ばしてください。

 

 

 

陸上競技はシンプルだ。走る、飛ぶ、投げる。日常的な動きを競技のためだけに改善し、身体を作り上げ、精神を研ぎ澄ます。その心身ともに鍛え上げられた体が描く動作はダンサーと見紛うほど美しい。時として「走る」という単純な動作だけで人は感銘を受ける。その感動を「風が強く吹いている」では幾度となく味わうことができる。

 

 

清瀬灰二は箱根で頂点を見る


箱根駅伝は東京・箱根間を1区間約20kmを10人の選手で襷をつなぎ、2日かけて往復して総合タイムを競う。最も早く東京から箱根まで行って帰ってきた大学チームが勝ち、というシンプルなものだ。(陸上競技全体的がシンプルといえばそう)

単純にタイムの良い選手を揃えれば良いとも限らず、区間賞をひとつもとっていないチームが優勝することもある。1区から10区までのコースはそれぞれ特徴を持ち、作中の説明の通り適性が大きく異なる。それを上手く組み合わせ、当日選手たちの体調、他校のオーダーを予想し各区間に配置する駆け引きもある。自己ベストタイムが大会時に出せるとも限らず、ほんのわずかな体調の変化が選手の実力を左右する。

複数人でタイムを競う駅伝はゴールするまで何が起こるかわからない。1区で最下位だった学校が10区で1位になるのも不可能ではない。例え誰かが良い走りができなくともみんなでタイムを削り出すこともできる。逆に誰か一人、区間新記録をとろうとも優勝できるわけではない。そこが駅伝の魅力だと思う。

また大会のなかで優勝・連覇・初優勝・過去最高順位・来年のシード権・区間賞・区間新・自己ベスト更新・繰り上げなしの完走・出場、と各校・個人で目指す頂点は無数にある。

走りはシンプルな競技だが、何を頂点にするかは自身が決めるのだ。

「たとえ俺が一位になったとしても、自分に負けたと感じれば、それは勝利ではない」(六道大・藤岡一真)*1

 

清瀬灰二は不思議な男だ。人当たりもよく竹青荘(通称アオタケ)の住人たちの食事を作り、みんなが寮で過ごしやすいよう気遣ってくれる。穏やかで笑みを絶やさず爽やかな好青年だ。

しかし、走りへの執念は常軌を逸している。 

独自で練習メニューを編み出し、陸上経験のないものを箱根駅伝予選会に出られるまでに仕上げるのは並大抵のものではない。しかも灰二はタイムが伸び悩んでも本人を攻めず、励まし、根気強く練習に付き合う。怒ることはないけれど、けして妥協を許さない姿が尊敬と同時にどこか畏怖を感じさせる。

あの夜、かけると出会わなかったら?アオタケのメンバーが10人揃わなかったら?揃ったとしても予選会出場に必要な公認記録を出せなかったら?無数の「もしも」があるにも関わらず灰二は幾多の問題を気にもせず黙々と練習をこなし、陸上未経験ばかりのアオタケの住人たちを立派な長距離ランナーとして育てていく。

記録会でも順調にメンバーのタイムを縮め(舞台の尺の都合上みんな上達がめちゃめちゃ早い)、予選会へと進む。

 

予選会は本番の大会とは異なり集団で固まって走る場面が多い。そのためペーススピードに差があるので無理に前方集団についていけば力のないものは失速しタイムが悪くなる。各々のペースを守るために、仕掛けるタイミングをチーム内で決めている。

タイミングを決めてサインを出すのはリーダーである灰二の役目だ。折り返しの10km地点でまっすぐ伸びる灰二の腕から選手たちに送られるハンドサインは合図であり、選手たちへの激励でもあった。背を向けている灰二からは見えないが皆、親指を立てて返事をする。無言で交わされた10人の掛け合いは美しかった。

王子の走りや灰二の叱責により力を取り戻した走の美しい走りは、寛政大のメンバーに力を与えた。

だが全員力走を見せても予選突破の厳しさは変わらない。歴代出場校、優勝経験校でも予選会を突破できない時もある。現実の厳しさは灰二が一番わかっているはずだ。

 

そして総合タイムによる結果発表。残り一校となっても寛政大の名前は呼ばれない。ほとんどの者は目を瞑り祈る。神童は顔を上げているが不安気に周囲に目を動かす。

そんななか灰二だけが掲示板を睨み、見据えていた。1位の発表時から一度も反らすことなく、瞬きもせず(少しするけど)、固く口を結び、「寛政大学」の名前を待っている。その眼光の鋭さは彼の走りへの執着心を物語っていた。

同時に、握りしめた手が小さく震えているのを見て、灰二の4年間に込められた希望と一度切りの賭けの重さは誰にもわからないと悟った。わたしたちの脳裏に浮かんだ無数の不安よりもはるかに強大なプレッシャーに耐えてここまで来たのだと思うと、できた人間性でありながら人間味の薄かった清瀬灰二が途端に近しい存在に思えた。

後にも先にも灰二が自身の感情で顔をゆがめるのは8位で寛政大の名前が呼ばれ、箱根駅伝出場が決定した一瞬だけで、すぐに元の人当たりのよい笑顔に戻り、走の肩を叩く。予選会突破の時に見せたアオタケのメンバーも知らない灰二の表情は彼が途方もなく形もないものに込めた思いの大きさを物語っていた。

 

そして灰二と9人の夢を託した箱根駅伝はスタートする。各々が走る意味を見出し、箱根を走ることでしか得られないものを手にしていく。

見ているものは違うけれど、次の走者に襷を託し、10人の夢を紡いでいく。

9区の走から襷を受け取り、灰二は最後に走り出す。大手町を目指して。途方もなく遠かった頂点を目指して。

 

10km地点で灰二の脚に異変が起こる。それでもなお10位のシード権を獲得するためにタイムを縮めるために、灰二はスピードを緩めない。

日本橋の高架下から復路優勝校から5番目に姿を現す。最後の直線を全力で走ってくる。同じ有力な長距離選手の走の目には灰二の脚が限界を超えているのが見えている。もう二度と走れなくなるほどの致命傷であるのを瞬時に理解する。

それでも灰二を止めることはできない。なぜなら彼が羨望した走りを今まさに手に入れようとしているからだ。

 

「走りは俺を裏切った、と。でも、そうじゃなかった。もっとうつくしい形でよみがえり、走りは俺のもとに還ってきてくれた。」(清瀬灰二)*2


1月3日の大手町で陸上選手としての命を灰二は失うが、怪我をする前の彼では手に入れられない尊く美しいものを手に入れた。

寛政大は11位の東体大と2秒差で総合10位となる。惜しくも6区のユキが届かなかった区間賞と同じ2秒差で寛政大は初出場にして初シード権を取った。

灰二は10人の汗が染み込んだ襷を掲げ「頂点は見えたかい」と問う。

10人が見た頂点からの景色はそれぞれ違うだろう。だが全員同じ夢を見、確かに叶えたのだ。10人でなければ手に入らなかった「走り」を灰二は自らの手で掴みとった。

 

 

 

 

 

舞台演出について

ここでは原作と今回の舞台版の違いを中心に書いていこうと思う。

単純にわたしが映画を見ていないくてアニメを見たのも数年前なので記憶が薄れていて、舞台直近に原作を読み返しただけなのだが。

 

長編小説をメディアミックスする際、映画や舞台は尺がどうしても短くなる。そうなると描き切れない部分が多くなる。

そこで何を重要視するのかが大切になる。テーマに一貫性を持たせれば、個人的にはカットは気にならない。

2021年に上演された舞台では、かけると灰二を中心に一人一人の駅伝シーンの独白に重心を持たせた。

 

一幕は走と灰二の出会いから箱根駅伝前日までを描き、二幕は箱根駅伝のみとした。

前述したが尺の都合上、練習から記録会、予選会は足早に描かれる。個性と相関図はなんとなく把握できる程度で個人の人となりはまだ見えてこない。

そして二幕で箱根駅伝の幕があがる。

すると一幕で見ていた八百屋舞台の先に倍の長さの八百屋舞台が伸びている。

記録会、予選会と大勢で走る場面の多かった一幕から、箱根駅伝のシーンのみとなる二幕で一幕より広い舞台でぽつりと一人で走る演出は長距離走の孤独が見事に視覚化されている。

そしてそれぞれの選手たちの独白によって彼らが何を思い何のために走るのか、客席は理解する。

 

原作とは違う設定となったキャラも多い。(例えば原作では漫画オタクだった王子がゲーム配信者に書き換えられている)(令和~)

一番の変更点はなんといっても5区の神童ではないだろうか。

原作ではインフルエンザによる高熱を出したまま6区のユキに介抱されながらスタート地点に立つ。みんな神童の不調を知りつつも控えのいない寛政大は彼を走らせるしかない。

しかし今回の舞台版では調整不足による片頭痛で思う走りができない展開となる。神童の不調に気付くのも襷を渡したジョージのみだ。

時世や無理をして走りぬく姿を美談とする危うさに配慮したのだろう。個人的には一番苦しく涙した場面だったので改変を残念に思ったが、コンプラ配慮という観点では上手くハマったように思う。少し話がそれるが新型ウイルス流行後、演劇界ではそれとなくほのめかす演出が増え、本公演も禍により延期された上の上演だったので舞台を観ている間はそれらのことを忘れたいと思う層も多くいるので「高熱」という連想させるものを排除させたのはよい脚色だと感じた。かくいうわたしも昨年目当ての役者が風邪で降板した苦い経験がある。(隙自語)

インフルでなくても競技中に体調を崩し有力なランナーが沈む場面は多々あり、歩くのでさえつらい状況のなか一人で走り切る神童の姿は客席の胸を打つ。「強い走り」を体感できたように思う。

 

もうひとつ、良い脚色だと思ったのは8区キングの設定変更だ。

原作ではクイズ王を名乗るがクイズ番組には出ずテレビより早く答えるのを目的としているキングだが、ここでは小説家を目指し博識ではあるが作品を書き上げたこともなく、小説家では食えないから編集者になろうと就活をしている。

「小説家を目指していると言うが一度も作品を書き上げたことはない」と語るだけでキングの実力に伴わないプライドの高さが伝わる。自分もこうして観劇してぐだぐだ言うがおもしろい創作物を作れないので耳が痛い。

また全員と仲良くはできるが特定の仲の良い友人ができないと語る際にアオタケメンバーがペアになり登場する。誰ともペアになれないキングは確かに孤独に見える。一幕の宴会シーンでもテーブルには着かず一人床に置いたPCに向かっているのもサブミナル効果を生み出す。だがアオタケのメンバーは移動し、背を押すようにキングの後ろに一直線に並ぶ。その時の心強さは彼らの絆の強さを物語る。

他の区は一人で走るシーンが続いていたため8区のキングで全員が現れる演出は他の区間と差が生まれ、全区間の演出としては一番気に入っている。

 

最後に演出というより、お芝居についてだが、実は初日からずっと10区の最後の直線で灰二が転ぶ芝居が好きではなかった。原作で灰二が転ぶシーンがないのはもちろんだが、走ってくる灰二の脚の限界に気付いているのは同じ優秀な長距離ランナーの走だけなのだ。他のアオタケメンバーに気付かれることなく灰二は全速力で駆けてくる。寛政大のシード権を掴むために一秒を惜しんで。

その灰二がゴール直前で転ぶわけがなかろう!?!?例えバランスを崩しても、あの人は執念でスピードを緩めないよ!!ともやもやしていた。

やはり転倒くらいわかりやすいアクションや大げさに描かないと伝わらないものなのかな、演出家が選んだからそうなんだろうな、と自分を納得させながら見ていたので楽日で灰二が転ぶ演技が一切なくなっているのを見た時、「これこれこれ!!これが見たかった!!!!!」と内心ガッツポーズをした。よろめき膝をかばい、苦痛に顔をゆがめるが走るフォームは変わらない。何より痛みに耐えながら、走る灰二の演技をする松田くんの表情が素晴らしい。切望していたものを今まさに掴み取ろうとしている恍惚が眩しい。

楽日に演出に対する不満がなくなったことにより集中力が格段に上がり、灰二への感情移入がマリアナ海溝となり、灰二が一番欲しかったものを手に入れられた喜びに涙が止まらなかった。

 

 

その公演が見られるのが下記のディレイ配信です。DVDとは収録日が違うのでぜひご覧ください。というかこの宣伝をするためにはてブロ更新したところがある。

 

 

ディレイ購入はこちらから

・視聴チケット(一般) 3,500円(税込)

・視聴チケット(特典付き)5,000円(税込)

※配信開始から48時間視聴可能

 

配信日時:2021年7月10日(土)18:00~7月12日(月)17:59

 

配信企画:2021年7月18日(日)18:00~7月20日(火)17:59

 

 

キャストについて

初めて拝見する方が多かったのですがキャストのみなさん素敵な方だというのが伝わってきました。他校もアンサンブルもはなちゃんも良かったのですが長くなるので寛政大メンバーから数名抜粋します。

 

清瀬灰二を演じた松田さんに関しては特別枠で長文ポエムを書いてしまうくらいよかったです。

 

ニコチャン先輩を演じる足立さんの抜け感のある演技が目を引きました。オアタケのなかでは(世間的に25歳は若者よ)おじさん感と大人の余裕のバランスがよく、27歳であの絶妙なかっこよさを保ったままおじさんっぽさを醸し出せる人は少ないと思うので、役で化ける人だと感じさせるものがありました。

もうひとついい役者だなー!と思ったのは7区で、客席に背を向け坂を駆け上りながら独白をするシーンがあるのですが、背を向けても正面を向いているのと変わらないほど声がよく通る!そう!総合的に技術が高い!発声のよい声って聞いているだけでこんなに気持ちのよいものなんですね。

独白の流れも、茶目っ気ある出だしの語り口から過去の陸上経験での悲しい思い出を語る寂しそうな表情、シード権を狙うと前を見据えた時の力強さ、とその時その時でニコチャン先輩の印象が変わるので上手いな~と思いました。

あとミスを責める意図はないですが、他のキャストが出が間に合わなくて台詞が途切れた時も自然に代わりに繋いだのも上手かったです。たぶん初見はわからない。

 

演技ではないのですが神童役の磯野さんは、自己紹介後のキングとのクイズシーンと双子の恋の予感のシーンで日替わりをして、一笑い取っていくので器用な印象を覚えました。たぶんあのシーン台本通りにやったのは初日だけかと思います。知らんけど。

 

これも演技ではなくメタに入ってしまうのですが、双子の襷リレーが原作ファンから見れば本物の双子が原作通りに走っているように見えますし、双子のファンとして二人もジョータジョージと近しい経験をしているのを聞いているのでフィクションとノンフィクションの重なりがおもしろかったです。

 

かけるを演じる堂本くんは以前から番ボでよく見ていたのですが、台詞に感情を乗せるのが上手いし、表現の幅が広いなぁと長い独白のなかで改めて感じました。

そして、本当に最後まで走ってくれてありがとうございました!お疲れさま!!

 

 キャストのみなさん、スタッフさん方、本公演を上演してくださり、誠に!ありがとうございました!

 

 

 

楽日後おまけ話

千秋楽後のSR配信で要くんが「客席で涙ぐむ人を見て原作のもつ力の大きさを感じた」と話してくれて、原作も要さんも好きなので嬉しかったですね。

素敵な原作を舞台で表現するにはその原作の力と同じくらい力が必要ですし、それは役者さんたちの努力によって作り上げられたものだと考えているので、役者の熱演を受け取った客席を見て、原作の力を感じてくれて、原作ファンのわたしも要くんファンのわたしも一度で二つの嬉しさを感じた言葉でした。幸せのウロボロス

 

 

 

*1:引用元・三浦しおん(2006)「風が強く吹いている」新潮社出版

*2:引用元・三浦しおん(2006)「風が強く吹いている」新潮社出版

チャオ!明治座年末シリーズ10周年忠る 感想

 

今年も観劇納めをるひまで、大晦日明治座で過ごせることができました。

大変な状況下の中、上演してくださったるひまさん、キャストのみなさん、スタッフのみなさんありがとうございました。

 

初日前日に体調不良による安西くんの降板がありましたが、推しは出ずとも毎年観ていたおかげで舞台の楽しさは確定していたので落ち込みはしましたが公演期間中楽しく過ごせました。

とは言え代役の小林さんの大楽挨拶で自然と泣いてしまいましたが。

 

 

以下感想

観ていない方には意味不明な単語が並ぶ不親切な文章です。

※辻の字は一点しんにょう。

 

第一部・O-ICCEAN’S11(オーイシアンズイレブン)〜謎のプリンス〜

開幕挨拶

忠臣蔵ときいてたのにフワちゃんとローランドがいるんですが。

こばかつさんのるひまシリーズの日替わり説明が過去シリーズを観てきた人はくすりとできておもしろかったです。大楽の破天荒を演じていた滝口さんの説明は今年も一緒に舞台に立ってくれたように思えました。

 

武士悔いねえ!

「もう無理!もう無理!無理無理無理無理!」

本当に、みなさんおつかれさん、ですよ。

寿司食いねえの替え歌で手拍子しながら始まるわくわく感。年末のお祭りが始まるぞ〜!という期待感高まります。

 

飲ま飲まイェイでアゲリシャス

アーカイブ配信で音消されてて爆笑①

今年は魔法使いとホテルマンのビジュアルでした。本編とは関係ないことで有名ですが初めてビジュアルが舞台上に上がったのでは?

嶺くんが「期待しとけ待っとけ」を最後まで貫いてくれてよかったです。

おおやぶフワちゃんの脚をずっと見てました。

 

W主演の寺坂役平野さん、大石役小林(且)さん(以外こばかつさん)そして浅野内匠頭役小林(祐)さん登場

小林さんがアドリブでこばかつさんをいじるのですが、「こばかつさんが絡みの多い後輩と積極的に稽古をして色々アドバイスしたが、その後輩は稽古最終日に演出家から『何言ってるか全然わからない』とダメだしをされた。優しさが重荷になりましたね」といじられた日から楽日まで最低一回はこばかつさんが大薮くんをかわいがり過ぎるいじりが発生することになりました。このネタが大好きなのでこばかつおおやぶコンビの話が出る度に脳内で手を叩いて喜びました。

しかし代役にも関わらず容赦ないアドリブいじりをする小林内匠頭は完成されすぎてて違和感なく溶け込んでいました。

 

塩饅頭賄賂

男の乳首はなぜあるのかクイズから正解の回収が見事でした。(男の乳首は、人は女性の染色体が元になっているのでその名残だそうです。勉強になりました)

吉良役の伊藤さんの日替わりが毎度趣向を変えてきて上手かったので、自分が観てない頃にるひまに出ていたのだと思い込んでましたが初出演なんですね!?

芝居もダンスも日替わりも二部での返しも上手くてオールラウンダーでした。

 

君の線香くさい寺っぽいその抹香のせいだよ〜

東山天皇Wキャストの松田くんと前川くんはどちらも高身長でダンスが上手いので替え歌で動き回れると面白くなってしまってダメ(良い)ですね。

 

紅蓮華

昨年は鬼奴さん一人が入れていた鬼滅ネタがついに大々的に演出に入り国民的ヒットを感じました。

ポケットからきゅんもあり2020年は流行歌たくさんあったことを実感しました。

 

アド街っく天国、浅野の町

ぬいぐるみだったたまが加藤さんとなり登場。絡まれたくないキャストたちはさりげなく逃げる。舞台上でたまを鷲掴みにされる嶺くん「たまからのお年玉…」

浅野の町ランキングが始まると真顔で棒立ちになる浅野。安西くんだったらガチの真顔で怖かったんだろうなとか想像しました。

股ぐら観音で爆笑。

加藤さん「豊穣と大漁と、なんか魚がいっぱいとれる祈願」

???「全部同じだな」(←このツッコミ本当に誰ですか?爆笑のとどめ刺された)

ふざけて吉良にキレかかっていた赤穂藩家臣たちからの、浅野の笑顔が消える瞬間の不穏さが良い。

 

浅野のぐだらないSHOW

無茶振りエチュードタイム。

顔はかっこいいのに全力で珍妙な一発ギャグをかます小早川さんが見れたので満足です。様子のおかしい小早川さんが見られる贅沢。

百名さんのスティッチとモザイク声はどこから出てるんですか??

必死で早口言葉に挑戦するも失敗してパニクる浅野の姿は共感性強くて辛かったです。

 

Get Wild切腹

Get Wild切腹!!!

名演出だと思っています。この演出に触れるためにブログ書いてる。

本来の歴史でも浅野が吉良に斬りかかった理由は不明であるが故に描き方で印象が変わる重要な場面であり間違いなく一幕の見せ場。

赤穂藩の家臣を侮辱され、ある意味殿として家臣に対して忠誠心が強かったからこそ衝動的に刀を抜いてしまった印象でした。抜いてしまった直後の後悔に絶望する顔、刃傷に及んだからには後戻りできないと思ったのか必死で刀を振り回す姿が止められない歯痒さで胸が痛くなります。

そんななか流れ出すあのイントロ。

颯爽と現れ歌い出す歌唱力バリ高Wキャスト近松門左衛門

 

内匠頭 吉良を斬りつけながら

廊下を走り抜ける

本気の怒りに身を任せたら

明日を見失ったよ

 

あまりにメロディと調和した歌詞で逼迫したシーンのはずなのに上手すぎる歌と名曲により手拍子せざるを得ない…!!

あんなに怒りを抑えたくても止められなくてもがく浅野を家臣の源五右衛門が必死で止めようとしているのに…!替え歌が面白すぎて曲にノッてしまう…!松の廊下事件で笑ってるって…!!

 

Get Wild and tough ひとりでは

解けない江戸の罠にかかって

 

ここでしっかり辻本さん演じる黒幕綱吉公が事件の場に居合わせてるんですよね。

そしてサビで吉良、浅野、綱吉、赤穂藩家臣が真顔で踊り出す。なんだこれ。

舞台転換し赤穂城内に残った記憶喪失の寺坂が陣さん演じる綱吉側近柳沢に襲われる場面へ。

大石が寺坂の本当の名前は徳川家宣であると告げ記憶を取り戻します。帝も家宣に応戦し登場、白の紋付袴に着替えた浅野が再び登場し0番へ。全キャストが曲終わりに舞台上に揃う。

家臣たちに見せる優しい笑顔で辞世の句を詠むものの最後にみんなと花見がしたかったと生きていれば当たり前に叶う願いを涙声で叫ぶ姿の後ろに流れるのはオーケストラアレンジされた荘厳なGet Wildサビメロディ。

数分前まで笑いながら手拍子していた曲と同じ曲を聴きながら涙する、数分で真逆の表情になる情緒ジェットコースターエンタメ、それがGet Wild切腹

エンタメをつめこんだ見事な演出でした。

一幕終わりの曲は毎年Youtubeにあげてくれているのでもし今年の夏か秋くらいに上がったらぜひ見てください。忠臣蔵のおおまかなあらすじを知っていたらこの場面だけでも楽しめると思います。

 

吉良吉良武士

俺たちゃ武士♪  赤穂藩士♪ 実はもう浪士♪ 浪士〜♪

記憶を取り戻した寺坂(家宣)と大石のしんみりした芝居から再びエンタメ爆発。歌唱力バリ高近松による歌謡ショー再び。

Wキャスト近松門左衛門はまさし(敬称略)と原田さん。原曲が好きなのもあるけど、この時楽しそうに歌うまさしが印象的でキラキラした楽しいショータイムだった。原田さんはセリフもなしに現れて歌うだけでその場をミュージカルに変えてしまう力がある感じ。

討ち入り計画にそれぞれ思い悩む藩士たちをシリアスさを含みながらもあくまで明るく描きます。

間に酔っ払い大石と寺坂の日替わりやりとりが入るんですが、後輩(おおやぶ)を可愛すぎてることや超奥手をいじられるこばかつさんのCuty time。スタイル抜群で着流しを色気たっぷりに着こなしてる人が奥手とか…キャラ作りですよね??そうだと言って!

ラスサビでぴょこぴょこ跳ねながら客席を煽るような振り付けで踊る小早川さんに目が惹きつけられました。男前なんだよ〜〜〜。

 

武士!武士!町娘!その友達の町娘!その友達の友達の(以下略)

松の廊下事件でほんのわずかな時間だったけど、浅野の側を離れてしまったことを悔いていた源五右衛門。

幼馴染という設定に安西くん初出演の時から役でもよく絡んでいた嶺くんとの主従関係だったらキャストのバックボーンに重ね合わせて楽しんでいたんだろうな。

 

麗しの幕府側

やっと捕らえた家宣(寺坂)に喜々として浅野家断絶を伝えにくる綱吉。このシーンで柵にもたれかかる際の辻さんのマントさばきが美しくてアゲリシャス。辻さんの悪役はヴィランみが強い。好きになっちゃう。

世継ぎ問題で自分では子供が出来ないから側近柳沢に妻信子を抱けと命令するのも、好きなR18タグはNTR者なので嬉しいエッセンスでした。正式なNTRだ!(正式?)

抱きしめて暗転して終わりなので誤解なきようお願いします。変なシーンではないです。ごめんなさい。

信子役元宝塚トップスター 水さんをお相手する大人っぽいシーンだったけど柳沢を演じる陣さん本人の実直さを感じる演技でした。

「全ては上様のため」と愛を貫く信子もかっこいい。

信子も柳沢も上様が大好きでかわいいね。

 

あの世で殿と盛大に花見しようや!

松の廊下事件は赤穂藩の領地を狙った幕府と失脚のシナリオを書いた吉良によるもの。綱吉が吉良邸に来たタイミングで討ち入りと見せかけて吉良もろとろ上様も討って浅野の仇打ちをする、というのが忠るで描かれる姿。

吉良と幕府を討ち取りたい赤穂藩赤穂藩士を守るため幕府に楯突くことはなんとしてでも止めさせたい家宣(寺坂)、一度は跡目争いをした家宣をここで始末したい綱吉の三すくみ。

妻の病気を治す治療費のために幕府に手を貸していた吉良だったが、妻の死で自暴自棄になり討ち入りの最中に綱吉公を斬り、赤穂藩の前に自分の首を差し出し大石に討ち取られる。

私欲のために赤穂藩を陥れた吉良を、討ち入り場面で生に執着させないことで、むしろ楽にしてやるだけだとわかっていながらも首をはねる大石の胸中はどんなものだったのだろうか。仕えていた時はあんなに転職を考えていたのに主人が死んでも赤穂藩に残り家臣の思いをまとめ、その先には死しかなくとも討ち入りを実行した末路は憎い相手を楽にするだけだと知りながらも刀を振り下ろした大石の優しさは悲しいものでした。

綱吉も家宣も本来は後継ではなく、綱吉は学問、家宣は医学の道に進むことを望んでいて対比と見せかけて似た者同士だった。

自暴自棄になった吉良に不意を突かれ綱吉は穏やかな死に顔で愛する信子の腕の中で息を引き取り、信子もその場で後追う。あれほど慕った二人を目の前で失った柳沢の泣き叫ぶ声を聞きながら、蒼木陣も明治座で座長やってくれんか…と未来に思いを馳せるのでした。あの悲壮な声よかったな〜。

 

深々と降り積もる雪はそのまま舞い散る桜の花びらへと変わる

綱吉公亡き後、後を継いだ家宣に死罪ではなく自害を命じるように頼む大石。大石が家宣を最期に呼んだ名前は「寺坂」。

時が流れ一人残された第六代目将軍 徳川家宣は咲き誇る桜を見上げるのだった。

 

 

 

第二部・煮汁プロジェクト

「僕たちを煮込んでください!上様!」

dアニで元ネタを見よう見ようと思っていたのに先にぱちもんの方を見てしまった。

二部から参加の松田岳はまずい。二部に全てを掛けてくる。というかトップバッターを岳にしたことで続く百名さんとやかわさんが影響されておかしくなっていた。

ゲストはさと兄回がおかしなことになるだろうなと思ってましたが紫吹さんが段ちで無茶振りを行い、誰も止められずめちゃめちゃなことになっていました。

 

オープニング「腹筋小太鼓」

上半身裸の男たちが子供用の小さな太鼓を腹筋しながら叩きます。鶴ちゃんばりに腹をへこませ続ける谷戸さん。

曲は年末に『ジングルベル』。大楽でやっとノーミスを披露してくれましたが、終わりに近づくにつれ観ているこちらもパーフェクトのかかる音ゲープレイ時の緊張感を味わえました。

 

3.5次元舞台「火消しの王子様」劇中歌『負けることの許されない赤穂〜非情の幕府』

昨年で味をしめたようです。

司会進行平野さん「不思議と苦情は来てないそうですよ」

伊藤さん「この時期だけ電話線抜いてるんじゃないですか」

「よっしゃー!赤穂の塩、なんにでもかけてスーパーウルトラグレートデリシャス塩辛くしたるでー!」

ほほほい、ほほほい、ほほほいほい…!

曲始めに円陣を組むな!www 二人組で肩に手を置いてくぐる振り付けをすな!www

後半に曲が変わった瞬間、パジャマ姿で布団をかけ白いヘアバンドをしベッドに横たわったままの安西代役大薮を運んでくるな!大薮も寝たまま真顔で歌うな!いやでも耳元で「ぶちょー!!!」を大声で連呼する谷戸さんと白塗りで見つめてくる松田岳を横にしながら真顔で歌い切る集中力はすごいな。

 

3.5次元ミュージカル「門左衛門と!」劇中歌『僕こそ文楽

アーカイブ配信で音消されてて爆笑②

まさしと百名さんはこの衣装姿の写真を中川さんに送ったそうです。

おおやぶフワちゃんが舞台上で自撮りしてるのをまさしとひらりょがうらやましがり挑戦するもSuicaの画面からカメラに切り替わらなくて慌てふためく百名さん。何かを持ってる。

 

アイドルユニット「元禄ストレイドックス」コント&ライブ

大楽登場時こばかつさん「明日から大薮なしでどうやって生きていけばいい、松尾芭蕉

寿司奢る流れになっていて「寿司は奢らない、松尾芭蕉」も好きでした。

本来は赤穂藩のこばかつさん嶺くんおおやぶくんが日替わりでタレコミをするのに、なぜか自らアピールしていく幕府側のじんくん。一部でいい芝居してたから自ら削りに行かなくてもいいのに真っ先に手を上げる。トーマスというブレイクダンスの技を20回連続でやるのすごい。

 

アイドルユニット「超鈍行」ライブ

狂気のコント※啓さんと岳くんがいるから

るひま二部になるとおかしくなっちゃう小早川さんが好き。あんなにカッコいいのに超鈍行メンバーに股の下をくぐらせながら大股で脚開いての「インリンオブジョイト〜〜〜イ」と言ってるの怖い。

大楽二部で最初はただの白塗りだったのが(白塗りの時点でおかしいんだけど)超鈍行になったらジョーカーに変わってて、持ちネタなのかわからんけどモノマネがかなり似てる。もしその場の発想でジョーカーメイクにしてあのモノマネを仕上げきていたなら恐ろしすぎる松田岳。あの啓さんが察してネタを一番最後に回すのは相当アレよ。しかも曲中にアドリブで階段降るマネも上手くて、なんなんだ!?やばい奴なのにポテンシャルが高い。何!?来年も出てくれ!!

 

選抜ライブ「MAKE ME SOBAYOUNIN」

選抜メンバーのみ歌って踊れる大縄ダンス。

また岳くんの話するけど縄回す役の時に回しながら跳ねていて身体能力が未知でした。二部ではちゃめちゃなのにSNSは品ある投稿をしていたので一瞬知らない人フォローしたのかと思いました。

 

カウントダウン公演

本来なら二部中に年越しをする予定でしたが電車終日運転がなくなり16時公演に時間振替となりました。

しかしカウントダウン公演でも平然と「二部の途中でカウントダウンを行いたいと思います」と台本を読み上げるひらりょ。当初そのまま読むの??と思っていましたが全ユニットがパフォーマンスを終え、水さんと小林さんも登場すると突如始まる年越し1分前のアナウンス。るひま時間です!

というわけでるひま時間が発動したおかげで2時間ほど早く2021年を明治座で迎えることができました。ちゃんとカウントダウンやってくれて嬉しかった!あの瞬間が年越しよ!

 

 

代役の小林さんの浅野内匠頭ですが、稽古場で安西君が演じていた浅野を近い形で舞台に持ってきてくれたんだろうなと思わせる演じ方で小林さんを通して安西くんの浅野を思い描くことが出来ました。

代役にしては自然すぎて、おそらく何も知らない人であれば気付かなかったと思います。それほど小林さんの演技力は高かったです。同時にド素人なのでこれほど実力あってもアンダー役に配置される芸の道の狭さを改めて痛感しました。

 

以下自分語り

好きな若手俳優はそこそこいるものの、役者目当てで複数回同じ舞台に行くのは安西くんと要くんの二人だけなので、その二人とも体調不良による降板するなんてすごい確率よ。

まぁ葵咲の時は今とは状況がかなり違うけれど、二度目だったので傷は浅かったです。こういうこともあるよね!「降板」の文字を見た時は泣いたけど!

それにるひま年末シリーズは出演者関係なく観に行くくらい気に入っているので、観劇中も公演に集中して楽しめました。感想の通り時々思い出すことはあったけど惜しいな、くらいで悲しくなることはなかったです。公演中も感想を書いていた前半は肯定的に思ってましたが今(この文を書いている時)思うと少し安西くんに対して薄情ですね。

 まぁ趣味だし、楽しいなら楽しむしかあるまい。

 

それでもやっぱり大楽で小林さんが「しんたくん!やったよ!」と名前を出して達成感溢れる丸い笑顔で叫んでくれた時は涙が止まりませんでした。今度は共演しようね。

悲しいとか悔しいとかも少し含まれていたけれど、全公演演じてくれたありがたさと安堵の意味が大きかったです。今回泣いていた時はあまり辛くなかった。

待つのは苦手じゃないし、待つしかできないので療養に専念してまた板の上に戻ってきてください。待ってるよーーー!

P.S.宣伝は怠ってもいいけど重要な報連相は徹底してください。わたしは多方面に興味を飛ばせるけど一点集中の方はすごく心配してますよ。

 

 

 

 

最後に宣伝!

 

note.com

 

上記の感想で興味持った方!(いるのか?) 特番で第一部のお芝居が早くも配信となりました!W主演の小林さん・平野さん、演出の板垣さんのトークもあります。

コピペ↓

【配信概要】
◆配信:Streaming+ ⇒ https://eplus.jp/chu-ru-tokuban/
◆販売期間:2021年1月23日(土)12:00~2月13日(土)20:00
◆配信期間:2021年2月7日(日)12:00~2月13日(土)23:59
◆上映時間:本編約120分+トーク約90分
◆販売価格:5,800円(税込)

著作権の都合により一部音声がカットされております。
※第二部映像の配信はございません。

 

Get Wild切腹を観てください。

 

2020年12月まとめ

まだるひまがありますが、どうせ単独で書きたくなるので今年のまとめに入ります。

新型ウイルス流行によりことごとく趣味の場を失いましたが、まぁ身体も精神もそこそこ元気だったのでよかったです。

演劇もイベントも、もう一か八かですね。

 

 

 

ミュージカル 新テニスの王子様 ーThe First Stageー

青年館ホール

 

3rdの終わり頃から囁かれていた新テニのミュージカルがついに始まりました。

テニミュシリーズは4週目に入るところですが、新テニミュはまだ誰も見たことのない未知の領域で、原作も学校対抗ではないのでどこまでやるのか予想が難しく、さらにテニスよりも超展開だらけの新テニを舞台上でどう表現するのか謎だらけでした。

わたしはネタバレ踏みに行くタイプなのですが、今回なんと初日が取れたのでまっさらな状態で観に行くことになりました。

 

一番衝撃だったのがテニミュボーイズでした。最初は普通のアンサンブルだと思っていたのですが、斎藤コーチによる潰し合いで出演予定のない対戦相手のキャラクターが出てきた瞬間衝撃を受けました。同時に今までキャラクターとして見ていたのはシルエットよるものが大部分を占めていたと認識しました。真田や宍戸はまぁ帽子だと思うのですが、今までわたしが立ち姿がキャラそのものだな〜と思っていたものがアンサンブルが演じてもキャラに見えてしまうってことはわたしが今まで見ていたものは一体…となってしまいました。逆に奇抜な髪型や体型などにしなくてもキャラクターだと認識できる優れたキャラデザだったんだな~とも思いました。

 

中学生が中学生に見えないことで有名なテニスの王子様ですが、新テニミュではちゃんと中学生が中学生に見えました。

テニミュでは「手塚」と呼んでしまうのですが新テニミュを見ていると「手塚くん」…!と呼んでしまいます。身長的なものもあると思うのですが、舞台の上にいる時に放つオーラが高校生の方が余裕があるように見え、年齢差や実力差が伝わってくるんですよね。舞台に立つというのは場数がものを言うので自然と舞台経験の多い高校生組の方が強そうに見えてしまうんですよね。おもしろいね。2名ほど中学生チームにも高校生みたいな方がいますが。

 

赤也の天使は笑うところなのでマスク内でワハワハしてたのですが、白石のガントレットはマジトーンでセリフ言うしなんかちょっと感動的なメロディーで歌うし笑っていいかわかんなかったけど多分あれはシュールな笑いだったと思います。

初日なのでガントレットを外して捨てたシーンは笑う人と笑っていいのか?と思った二層にわかれていたように感じました。

D2が唯一コメディ色ある試合だったのでお気に入りの試合です。前田プロの天使、凱旋でまた見られるの楽しみだな〜。白石も美人で歌もダンスも演技も安定感あってよかったです。

 

一番のメインであるコート戦S1入江vs跡部がめちゃくちゃよかったです。原作の跡部王国建国の記憶しかなかったので入江先輩の良さに目覚めました。入江先輩の…あの、入江先輩が、入江先輩…入江先輩めっっっちゃよくなかったですか!?!?

東京公演なのでWキャストは泰江さんが演じていたのですが、入江先輩の嘘演技からのニコニコしながら跡部を煽って最終的に負けてしまうまでの表情の下りがすごい良くて、特にあの長期戦でニコニコしながら跡部を翻弄している姿が怖くてゾクゾクしました。懐かしの夢女の人格が現れました。本当に限界なのに「君ならまだできるよ。がんばれ♡がんばれ♡」って言われて限界を向かえてぶっ倒れたいですね。(なんの話?)  泰江さんの入江先輩は大阪公演までなので機会ある方存分に観てきてください。

 

今回アンコール曲がなくて残念でしたが、密になれない弊害ですかね。次の公演ではアンコール曲あるといいですね。

余談ですが、観劇後、招待で新テニミュを観ていた3rd佐伯役の要さんとオンライン接触する機会があったので、「新テニミュの感想聞かせてください!」と話題を丸投げしたら「ツイッターにも書いたんだけどー」から会話が始まって、フォロワーと同じ言葉使ってるのが面白かったです。

 

 

 

 

 

SEPT vol.9   -Reanimation-

スペース・ゼロ

 

本来なら3月上演だったのが12月になり、3月では出演予定ではなかった二葉兄弟が出演することになった舞台。

なので途中から突然呼ばれたので全貌がわからないままでしたが、フェスのライブシーンは良曲ぞろいで想像以上に楽しい現場でした。

 

リアニ振り返りその① | TAKAO SUGIURA OFFICIAL BLOG「TAKAO×SEPT」Powered by Ameba

詳しい内容は主催の杉浦さんが設定や裏話まで事細かに書いてくれているので、そちらを読むのをおすすめします。

観終わったあと、想像以上に杉浦さんがSEPTシリーズに熱い思いを託していたことをブログで知りちょっとびびりました。脚本では描き切れなかったキャラクターの背景や設定なども事細かに書いてくれいるので気になる役がいたら読むと新たな気付きがあるかもしれません。

贔屓なしだとUN1ON(ユニオン)のベーシストみーちゃんと元ラプラス:ベーシスト十三・現在(?)ベースのべっちゃん(CV低音浪川)の組み合わせがかわいくてお気に入りでした。

人見知りな女の子と無口クールな男性の組み合わせ、いいですよね。

深くていいセリフだな、と感じたのはHINAの「運命を受け入れるのと運命に流されるのはちがうんだよ」です。よくわかんないけど奇跡が起こってまた演奏ができることを深く考えずストーリーが進んでいたところに釘刺してきたのがよいですね。

 

双子の役どころはプロデューサー業もこなすのし上がりマルチ音楽タレントだったのですが、二人が舞台俳優もアーティスト活動もこなしているのであてがきされたような役どころでキャラクターは違うけどリンクして見えて楽しめました。

初舞台が多い出演者の中では舞台経験の多いキャストとしていろいろアドバイスやアイデアの提供などもしていたようで舞台裏で得るものが大きかったみたいなので今後に活きたらいいなーと思います。

役はそんなに刺さらなかったので、ぼけーと見てしまったのですが後半のフェスシーンではボーイズグループで活躍するSHINくんとコラボし、ライブが始まったらびっくりするくらいかっこよくて先月のワンマンの時に二人が登場した時を同じくらいかっこよさに驚きました。人生であと何回「えっ!?要くん、かっこいいんだが!?」となれるか楽しみですね。

バンドとは違ってダンス&ボーカルでしかも曲もダンスもジャズっぽい珍しいパーフォーマンスだったので新鮮なかっこよさでぶち上がってしまいました。これは役とのギャップでファン増えたな。

コラボしたSHINくんは丈の長い衣装でもスマートで軽やかなダンスで出演者の中では圧倒的にダンスパフォーマンスが優れていたので、こちらも作中の謎のへんな人からのギャップがすごくて印象に残りました。振付もすべて自分でつけたみたいです。

こんなふうに他の出演者のファンが色んなキャストの魅力を知る機会になったのかなと思います。双子もなにとぞ。

 

 

本業は音楽活動の方が多い舞台だったので「俺のターン」無双ギャップ盛りだくさんなライブシーンはどのバンドも楽しかったです。あと曲のクオリティが高い。

 

 

 

 

舞台ではありませんが12/16に安西くんのオンラインバースデーイベント(Zoomで喋れる)と12/19,20にツイパラのオンライントークイベント(Showroom meetで喋れる)の2点があり短期間にオンライン接触が詰まっていて第3週は濃かったです。

 

参考になるかわかりませんがオンライン接触の形式を簡単に説明すると、

zoom(というか安西くんのバーイベ形式)は運営によってやり方が変わるかもしれませんが、安西くんのバーイベでは希望者に前日、スタッフとの動作テストを受け付けてくれて、当日は繋がる直前にスタッフから声かけから、カメラが切り替わります。画面は二分割で自分の顔も映ります。音声のみの参加も可。設定は自分でします。終了10秒前くらいに画面外のスタッフさんが声を掛けてくれて、時間になったらスタッフさんが手動で切り替えているようでした。

Showroom meetは詳細記事があるのでこちらをどうぞ。こちらの記事の方が何倍も有益です。

【覚書】ボイメンのオンライン特典会に参加しました(追記あり)【SHOWROOM Meet】 - 新緑ノスタルジア

SHOWROOM Meetを使用したTWiN PARADOXのオンライン特典会の参加方法詳細【追記あり】 - 名称未設定

説明手抜きしてすいません。 

 

オンライン接触の利点はネット環境さえあれば場所を選ばず参加できるので遠方に住んでいたり、一日時間を空けるのが難しい人でも気軽に参加できるところだと思います。

リアルの握手会や撮影会では10秒や5秒くらいだった会話が30秒~できるようになったのも大きな利点です。下世話な感想ですがリアルで会えないけどリアル時より少額で倍以上の時間を買えたのはすごいありがたいですね…。

難点は慣れないせいか緊張と疲労感がすごいことです。リアルの時は考えもしなかったけど目に見える範囲に前後に人がいるって結構緊張をやわらげていてくれていたんですね。部屋で一人待っていると一人なのにキョロ充してしまう。終わったら即部屋着に着替えていたのですが数分間で脇がびちょびちょになっていて一人で自分の脇汗ジミ見てげらげらしました。

何度か体験して思ったのは10秒は短いように見えて以外と長いため、締めに入ると尺が余るので5秒か慣れてくれば3秒あれば締めの挨拶は十分足りるということです。わたしが手短に済ませているからかもしれないけど。

 

現場まで行く原動力は大事だけど、色んな制約がある人もいるので禍が収束しても可能なら選択肢としてオンラインもあっていいような気がします。

 

 

まだまだ収束にはほど遠いですが、みなさん体調にはくれぐれもお気を付けてお過ごしください。気をつけているとは思うのでこれを読んでくれた人が罹らないようお祈りいたします。もちろん推したちも。

今年も大変お世話になりました。よい年末をお過ごしください。

 

るひまの民は大晦日までがんばりましょうね!

 

 

TWiN PARADOXワンマンライブ「Gemini+」日記

2月から延期となり中止となっていたツイパラワンマンがようやく11/22に開催することができました。

タイトルの通りレポではなくて、完全にわたしの主観感情しかない日記です。

 

とは言えメモ代わりにセトリ並べておきます。

Gemini

霞(要さんギター)

虹色の日々

innocent(80/Track)

Departure

Still…(要さんギター)

empty(同上)

雨のち時々恋

モノクロのダンス

幸せの歌

(「アホなんとちゃうのん」に基づく勇さんの証拠動画MC)

アホなんとちゃうのん

燃えて散った花となれ(要さんギター)

Fragment

 

アンコール

THUNDERBIRD

一回死んだようなもんじゃない

タイムマシーン(要さんギター)

 

 

当日はライブがある実感が薄いのに、久々のライブという緊張感だけあって電車でちょっと酔い、かなり人の増えた渋谷を淡々と人を追い抜かして進み、細くくねる道玄坂のホテル街を進み、渋谷DUOに到着しました。

会場前で久しぶりにフォロワーさんと会えた嬉しさでようやく緊張感が薄れました。気持ち悪いのも吹っ飛んだ。

全席着席、フェイスシールド・マスク着用という時流スタイルで、DUOの二本柱が着席だと見えにくくなるのでは、と不安でしたが意外と二人とも見えました。反対側の端まで客席煽りに行っている時はさすがに見えませんでしたが。

席について、ドリンク交換して緊張で乾く喉を潤すためにお茶を飲んでましたが飲んでも飲んでも乾いていて(乾燥では?)、ステージ上のセットを見てもまだ実感湧かなくて、新曲のMVが流れてて可愛さに癒されたけどまた変な緊張が戻ってきて、キョロキョロしてました。始まるまで隣の方とお話できたんですが緊張してて会話が不自然だった気がします。なにがそこまで不安だったのかわからなかったけど、いつもだったら二人の登場を今か今かと待っているのですが今回はわくわく感がほぼなかったです。

でも二人がステージに上がり、オープニングのドラム音が体に響いて鼓動と共鳴した瞬間が緊張のピークで、曲が始まり二人が歌い出したら強張っていた体の力がすっと解けて、自然と腕が動いて手拍子をし腕を振り上げていました。

そこからは今までずっとライブに行けていなかったにも関わらず、前世の記憶を取り戻したかのように曲に合わせて体が動き好き勝手ノってました。上半身しか動かせない中でもジャンプやモッシュに寄せた動きを二人が煽ってくれて、今できる範囲内で盛りがって楽しめました。「虹色の日々」で以前はイントロでしゃがんでから一斉にジャンプするライブならではの楽しみがあったのですが、椅子に座ったままでも要くんがそれを再現してくれたので、そこから体の自由が一気に解放されて(上半身だけ)、次の「innocent」でアドレナリンがどーーーーーん!と出て暴れてしまいました。(上半身だけ) 「innocent」は前バンドの曲なのでライブでしか演奏ができないのですが、ロックにシンセの組み合わせと散文的な歌詞がカッコ良くてセトリに入っているとテンション上がる曲上位なのでどちゃどちゃに嬉しかったです。割と今回の衣装に一番雰囲気があっていた曲な気がしてきました。

歌い出してから「うわぁ!好きだ!」という感情がドバドバ出てたのですが、二曲目で早くもギターを取り出して弾き出した時さらに大きな「うわぁぁあ!好きだ!好き!」という波がきました。ちょいちょい配信でギターを弾いていてくれたのですが最近はあまりギターを弾いている様子が見えなかったし、いつかライブで弾けたらいいね〜とゆるく言っていたのでまさかこんな早くライブで演奏する姿が見られると思わず、大好物な知らない間にめちゃくちゃ何かがステップアップしている要さんを久しぶりに見れて、ライブだけでも嬉しいのにさらに素敵なものが見られて、推している理由を実感しました。元から歌の上手さやパフォーマンス、エンタメ性の高さで好きになってはいますがこちらの予想を越えてくるところが本当に大好きですね。へへへ。

11/18にリリースされた新曲からは「一回死んだようなもんじゃない」と「アホなんとちゃうのん」が演奏され、初めてライブで聴きましたが程よいグルーヴ感でノれそうで、ほんわかしつつ楽しめそうです。体力減っているのでずっとロックの縦ノリしていたら持たないので…。

オリコン8位についてお礼MCやアンコールの「タイムマシーン」前MCでは勇さんの熱く真っ直ぐな言葉が胸に響きました。

仕事に関してはもう趣味を楽しむ分だけ稼げればいいと思っていてやりがいも何もないのですが、(でも趣味の分まで稼ぐってやっぱり大変だよね。ある程度ちゃんと努力しないと生活に余裕あるほどお金もらえないよ)自粛からじわじわモチベーションが下がっていてここ数ヶ月は仕事のある日がとにかく億劫で5日間を無感情に過ごす日々で、表面上は元気にしてたけど、まあ実際そこまで落ち込んでないしまぁまぁ元気なんですけど、空元気に近い表面を少しめくった奥の芯の部分が少しずつ錆びていく感覚があって、でも昨日の勇さんMCの言葉は今までどんなに自分自身に言い聞かせてきた言葉よりも何倍も心に染み渡って、ツイパラのライブと目の前で全力で歌う二人から自分で思っていた以上にパワーをもらっていたことがわかりました。いつ死んでもいいと常々思っていますが次の2/4のワンマンまでちゃんと真面目に仕事して生きようと思います。もうテレワーク中にツイッター見ません。(意識最底辺)

 

ライブハウスで見るツイパラはとーーーってもかっこよかったです!

以上!

DGNs Führer感想

DisGOONieS 『Führer』

 

銀座でレストランを始めたのは噂に聞いていて、西田さんの舞台でお馴染みの役者さんたちがトークショーをしたり、第一弾として「エイリアンシンドローム」が上演されていたことも聞いていました。

よくお世話になってるし、そのうち出演があるかもと思ってはいたもののいざ決定するとはしゃぎまくりました。

なぜなら今年はもう舞台に立つ安西くんを見るのをあきらめていたからです。(るひま出演もすげーはしゃいだ)

しかも告知は初日の一週間前。自前のレストランとは言え本を書いて人を揃え稽古をする時間がどこにあったんだとうスピード感でした。予約した側も気付いたら当日になり席に座っていたという感じ。

 

 

出演者の役名は明記されずあらすじも詩のような簡素なものでなにがなんやらで始まりましたが、そこは西田節。ようわからんがかっこいい!

いつもはそれでいいんですが、今回は題材が題材だけに「ようわからんがかっこいい」と思ってしまうことに少し畏怖がありました。ナチスのデザインは人を魅了するかっこよさを重点においていたことは知っていますが、負の遺産で残虐な歴史で…罪のない人がたくさん死んでるんだけど、でも…形はかっこいい…、さすがにスクリーンに映された鉤十字はどきりとしたけど。

 

ストーリーはドイツ・ナチス党の誕生から敗戦まで。戦争賛美ではないのに、青春群像劇に見えてびっくりでした。

以下の感想はあくまで演目「Führer」に対するものであって実在の人物・歴史に対する感想ではありません。

 ※びびりだから全体公開で書くのも怖い。しばらくしたらこっそり下げるかも。

 

 キャストはそれぞれ党の幹部を演じているのですが主役であるヒトラーは時代によって演じる人物が変わります。それに伴ってちょこちょこ演じる役がみなさん変わります。初見だとストーリーを追うのに必死になってしまう演出ですが、同じ人物でも場所や立場によって印象が変わるのが目に見えるような演出なのかな、と受け取りました。

でもヒトラーを演じる時だけは全員神経質に硬い動きで足元を指を差しながらしゃべるのですぐわかるんですよね。名乗らなくても。演技方法は各人違うはずなのに同一人物に魅せる技量が全員化け物じみてると感心しました。

 

安西くんはヒトラーの友人であるクビツェフ、盟友でありながらも粛清されたレーム、党発足初期のヒトラーを演じるのですが転換のわずかな瞬間でスイッチを変えてくるので、レストラン内という狭い空間も相まって肌で雰囲気の違いを感じとることができました。記憶力が悪いので演じてた役がもっとあったらすみません。

最も印象的で好きなシーンはやっぱり「長い夜」前夜のヒトラーとレームのやりとりです。この時ヒトラーを演じたのは鈴木勝吾さん。また一人と仲間が去っていく中、孤独に怯える姿がよかったです。

--------------- ここから妄言 ---------------

ミュンヘン一揆の時のお前ならついて行く。あの時なら代わりに撃たれてもよかった。と言われ道を違えた瞬間に激昂して、お前を殺す!(要約)と叫んだヒトラーの瞳にあの時と同じ「高揚」を見たのか、レームはその瞬間だけヒトラーの意見に従うのがレームがヒトラーという人物をいかに限定的に神聖化していたのか感じ取れました。

ヒトラーとしては自分はあの時から変わっていないつもりで、社会を良くしよう、強い国、強い国民を作り上げようと党の仲間たちと走り続けてきたのに、あるものは欲にかられヒトラーを裏切り、あるものは派閥により消され、そしてレームは過去の自分にしか興味はないと言う。同じ自分なのに今の自分を拒否されるのはしんどいですね…。

男同士の感情のぶつかり合いがもう…あの…あれです。察して…。

--------------- 妄言終わり ---------------

 最期に萩野さん演じるヒトラー疲労と哀愁がいい感じに色気となってにじみでる演技で魅せてくれたので、いつの間にか周囲の熱狂により祭り上げられた一人の孤独な独裁者の悲劇としての印象が映えました。

 

歴史上では最悪な独裁者なんですが、感情のぶつかり合いと歴史に奔走されあがく男たちの美しい関係性を描くのが本当に上手いなぁ~~~と思います。いやでもホロスコートは最悪最低だよ!と何度も思い返さないと、ナチスを美化してしまうので怖い。

でも物語としては美しかったです。ナチの歴史は最悪だけど。何回繰り返すんだ。

 

出演者の中に番ボの糸川くんがいて、全ての西田作品を見ているわけではありませんがディスグーニーズでは初めて見るので不思議な感じでした。卒業してしまいましたが二葉兄弟が所属していたので、番ボのコメディ色強い舞台で何度も見ていたのでこの船(ディスグークーズのこと)で上手くやっていけるのか若干緊張しながら見に行ったのですが、Wキャストの窪寺さんとはまた違ったディートリヒ・エフィカルトとして独特の存在感を残していったように感じました。

窪寺さんのエフィカルトは優しさが印象深かくて、糸川くんのエフィカルトはキラキラしててまっすぐな瞳が印象的でした。ミュンヘン一揆の時のヒトラーはエフィカルトの役者さんが演じるですが、エネルギーに満ちている姿を表現するには糸川くんの力強い目がよく合っていました。普段同年代の多い舞台や2.5で活躍していることが多いけれど年上が多い場でも見劣りしない存在感でやっぱ人を惹きつけるものを持ってるんだなぁと外部の舞台で見て改めて思いました。

番ボのメンバーは従兄弟みたいな気持ちがあるのでつい気にしてしまう…。

 

久々の観劇なのに、濃厚な脚本で全席通路席みたいな環境で推しの演技の熱をガンガンに浴びせられて、楽しかったです。刺激はいいね。

もう感想のブログとか書き方忘れてしまったので、へろへろの文章で失礼しました。

 

 

最後に、つい先日ですが来年のディスグーニーズ作品に出演が決まったので宣伝しておきます。

なにとは言いませんがメンツ…!!

 

 

2020年2月まとめ

リリイベがあり、3rdが終わり、一人舞台も上演され嬉しい悲鳴をあげながら大忙しの2月でしたが突如最終週で新型ウイルスに現場を奪われ情緒が乱れた月でもありました。

 

 

 

ミュージカル テニスの王子様 全国大会 青学vs立海 後編

 

テニス(テニミュ)って楽しいじゃん!

原作は何年も前に完結し(※テニスの王子様)、ミュージカルも3rd seasonを迎え、公演内容がわかっているにも関わらず楽しめるのは一重に原作とロングラン公演の相性のよさだと思います。1st seasonから現行の仕組みが確立されましたがリョーマの記憶を取り戻すために今までの試合を再現する構成が、そのまま公演を観続けてきた自身の思い出とリンクし盛り上がるんですよね。

その結末を知っているからこそ、シーズンを通して通いたくなるのだと思います。

 

既存曲が多くて新鮮味が少ない印象でしたが、それでもS1は泣く。

五感を奪われたリョーマが苦しんでもがいてテニスをしながらも、テニスを楽しむことを忘れなかったからこそ天衣無縫にたどりつく姿に感動し、対照的に勝利にこだわり苦しみながらもテニスを続けてきた幸村が悔しさをにじませた時に感情移入し泣いてしまいました。いつものことだけどどっちも勝ってほしいよね。どっちが勝っても祝いたい。

立石くんの幸村ですが、楽曲の印象もあるためか先代の魔王よりも「神の子」という印象でした。圧倒的強さで君臨しているというより、人とは違う立ち位置でテニスができる人。顔の美しさもあってか天上人のような強さでした。立石くんの幸村はIG6課が作画しているような、人間らしさが薄いキャラクターとしてとにかくかっこよかったです。天衣無縫後の感情表現が控えめに見えたところもありますが、彼の幸村像としてマッチしていたと思います。立海も好きだけど幸村くんが負けることに傷ついたのは初めてかもしれません。

ちょっと話それますが、立海が負けた瞬間、胸のマークを握りしめて涙をこらえながら天を仰ぐ前田赤也が最高で最高になりました。

全立S1はとにかく感情が忙しい。

 

3rdでようやく全公演を劇場で観ることができたので、ライバルズの再登場でこれだこれを味わいたかったんだ!!という興奮を正しく味わえて達成感がありました。

懐かしさもひとしおに、試合が始まったとたん初めて観た時よりもレベルがまったく違っている人が何人かいてビビりました。とくに日吉役の内海くんの歌唱力のレベルアップには驚きました。ミュージカル調に歌っている…!!!あと裕太役の大原くんがルドルフ公演では客席に伝わるほど緊張していたのにすっかり立派な青年になっていて感動しました。やはり10代~20代前半は伸びしろがデカくて少し目を離すととんでもなく成長しているのでいいですね…。

結局大楽でも青学卒業バラードがなかったので、卒バラがないことがサプライズなんでしょうか。ドリライで卒バラですかね?

にちかちゃんのソロバラードは、今っぽいメロディで小越さんとは違うにちかちゃんらしさを表しているソロ曲を作ってくるあたりがテニミュカンパニーの偉大さだと思いました。ずいぶん顔つきも雰囲気も大人になったよ…。

 

3rd seasonに関わったみなさま、本当にお疲れさまでした!!

とても楽しかったです!そんなに多くはないけれどいろいろな思い出がまた増えました。

3rdの思い出はドリライ2020のあとに書く予定です。

最後まで楽しみましょうね!!!

 

 

 

 

安西慎太郎一人芝居「カプティウス」

別記事で感想を書きました。

 

koganmomo.hatenablog.com

 

 

 

 

ミュ―ジカル テニスの王子様3rd seson Thank you Festival 2020

ゲスト:六角中キャスト

 

久しぶりにテニスの現場で年下キャストたちの面倒をみる(主にトーク)要くんを見られました。全員分のマイクはないのに登場してからマイクを持ちっぱなし。ツッコミをいれる時は絶対立つ。少しでも間があれば茶々を入れる。キャストなのに芸人魂を燃やしていて、要くんを好きになった初期の気持ちを思い出しました。

千葉ちゃんが中島くんにトルネードスネイクをしながら海堂の台詞をいうというお題(?)を出された時にすかさず「すみません。ブー…メランでいいッスか…?」とお伺いをたてるところがこの日一番ウケました。

嘘です。一番ウケたのは全身赤ファッションで出オチした田鶴くんです。

六角と共演したのは立海とにちかちゃんで他の青学キャストは初めまして状態だったので距離感が微妙で不思議なイベントでした。

コロナの自粛ムードが強まっていく中、最後までお疲れさまでした。

 

2月はツイパラのデビューシングルのリリイベを観劇の合間に行く、といった感じでした。

刀剣乱舞がきっかけで興味を持ってくれたんだろうな、という方もちらほらいて嬉しくなりました。残念ながら予定されていたワンマンライブは6月に延期になってしまいましたが、おかげでドリライ後も生きる理由ができました。

わたしは死にたいという本能から逃れられない性分みたいなので、その気持ちを抱えたまま元気でいこうと思います。では失敬。